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【いま買うならどっち?】SOTOの名作「レギュレーターストーブ」を新旧で徹底比較

カセットガスボンベ(CB缶)に対応する数多くのシングルバーナーのなかで、不動の人気を誇るSOTO(ソト)の「レギュレーターストーブ ST-310」(以下「ST-310」)。

2022年、そんな大ヒット作のヘッド部分を大径化した新作「レギュレーターストーブ Range(レンジ)ST-340」(以下「レンジ ST-340」)が発売されました。

従来品「ST-310」の愛用者である筆者にとっては気になる新製品の登場。早速、私物の「ST-310」との徹底比較といきましょう。

 

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目次

最大の違いは大径化したバーナーヘッド

ST-340高品質外観

さて早速ですが、こちらが2022年に新発売となった「レンジ ST-340」です。パッと見の印象は従来品の「ST-310」とさほど変わりませんが、細かいところが色々と改変されているんです。

ST-340とST-310斜め上からの外観

写真左「レンジ ST-340」、写真右「ST-310」

一番の変更点は、炎が出る火口が大きくなった点。フライパンなど大きめのクッカーでも広範囲に加熱可能となったのが特徴です。

「レギュレーターストーブ レンジ ST-340」

写真左「レンジ ST-340」、写真右「ST-310」

具体的に数字でお伝えすると、「ST-310」のバーナーヘッドの直径が45mmなのに対し、「レンジ ST-340」は66mm

また、最大火力も「ST-310」の2.9KWから「レンジ ST-340」では3.3KWにアップ!

点火アシストレバーが標準装備

「レギュレーターストーブ レンジ ST-340」

もうひとつの大きな違いは、「ST-310」ではオプション品だった「点火アシストレバー」が標準装備になったこと。

点火時のストレスを解消してくれる必須オプション品だったので、標準装備化はうれしい変更点といえます。

ST-310&ST-340点火アシストレバー比較

写真左「レンジ ST-340」、写真右「ST-310」

また、新作の点火アシストレバーは取り付け位置も高くなったため操作感が向上。

「ST-310」の点火レバーは地面に近いため下まで押しきれず点火できない、ということがあったのですが、この点もクリアされているようですね。

SOTO レギュレーターストーブ ST-310

●本体サイズ:幅17×奥行15×高さ11cm ●収納時 : 幅14 奥行7 高さ11cm ●重量:350g ●発熱量 : 2.9kW(2500kcal/h)

SOTO レギュレーターストーブ レンジ ST-340

●本体サイズ:幅16.6×奥行14.2×高さ11.0cm ●収納時 : 幅14.0×奥行7.0×11.0cm ●重量:360g ●発熱量 : 3.3kW(2800kcal/h)

よく見ると実はほぼ別物!

写真左「レンジ ST-340」、写真右「ST-310」

一見すると非常によく似た両者ですが、細部まで見渡すと共通部品は非常に少なく、ほぼ別物であることが分かります。

ヘッドだけ載せ替えて「新作です!」と打ち出すこともできそうですが、この辺はさすがSOTOといったところですね。

シェラカップを乗せてゴトク形状を比較

「レギュレーターストーブ レンジ ST-340」

ゴトクの形状も異なり、対角にあるゴトクの先端同士の隙間は「ST-310」が49mmなのに対し、「レンジ ST-340」は61mm。標準的なシェラカップ(半透明加工)を乗せるとその違いが良く分かります。

小さなクッカーの場合は、「ST-310」の方が安定した状態でゴトクに乗せることができそうです。

重量差は僅か10g!

ST-310&ST-340重量比較

点火アシストレバー付きでの重量は、「ST-310」が350gなのに対し新作「レンジ ST-340」が360g(いずれも実測値)。ヘッドの大径化に伴う重量増は僅か10gでした。

続いては、実際に着火して炎の状態を見てみましょう。

広がる「レンジ ST-340」と中央集中の「ST-310」

ST-340炎の状態

まずは「レンジ ST-340」の炎の状態を見てみましょう。

真上からだと中心がスッポリ空いたドーナッツ状のように見えますが、炎は中央にも立ち上がって広がり、広範囲を加熱できることが分かります。

ST-310炎の状態

一方、「ST-310」は炎がゴトクの中心に集中しており、外側にはあまり広がっていません。

お鍋を乗せると違いが明確に!

ST-340+155mmクッカーの炎の状態

「レンジ ST-340」の公式ホームページで推奨しているのは、底面直径110〜190mmのミドルサイズクッカー。

試しに私物の直径155mmクッカーを乗せてみると、底面を満遍なく加熱しているのが分かります。「広告に偽り無し!」な理想的な炎の広がりです。

ST-310+155mmクッカー炎の状態

一方、こちらが「ST-310」。炎が中央に集中してしまい、加熱ムラが生じているのが分かります。では、炎の広がり具合が調理結果にどういう違いをもたらすのか?

ということで、続いては実際に「炊飯」と「湯沸かし」をおこなって検証してみましょう。

ご飯を炊くならどっち?

炎の広がり具合が出来上がりに大きく影響するのは炊飯です。しかも少量ならその違いはより顕著に。ということで、両者でどのような違いが出てくるのか実際に検証していきましょう!

ST-340+155mmクッカーで1合炊飯

まず「レンジ ST-340」に1合のお米と適量の水を入れ、1時間の吸水後に炊飯開始。クッカーはさきほども登場した私物のアルミ製のものを使用。

私物のクッカーのなかで1、2位を争う炊飯に向いたプロポーションです。

ST-310+155mmクッカーで1合炊き

同条件で「ST-310」でも炊飯をしてみます。ちなみに、この私物クッカーと「ST-310」の組み合わせで炊飯した回数は数知れず。

長年の経験から、火加減や火を止めるタイミングなども熟知しているのですが、果たして両者の結果はいかに?

「レンジ ST-340」の想像以上の好結果に動揺!?

ST-340vsST-310炊飯の結果

いつも通りに炊飯した結果がこちら!

お焦げが底面全体に残る「レンジ ST-340」(左)に対し、ST-310(右)は、中央にこびりつき度がやや強いお焦げが集中。

「ST-310」でも十分に美味しく炊けましたが、よりふんわり炊けたのは新作「レンジ ST-340」の方でした。

さらに、お焦げのこびりつき度が弱く、クッカーを洗う時も新作のほうが楽チン。正直なところ「ミドルサイズクッカーでも『ST-310』で十分でしょ」と高を括っていた筆者には想像以上の好結果でした。

シェラカップならどうだ?

では、「ST-310」と相性抜群なシェラカップでの湯沸かしではどうだ? ということで続いては湯沸かし競争。

「クッカーの底面より外に広がった炎は燃料の無駄」というセオリーに従い、標準的な底面77mm径のシェラカップに20℃の水を200ml入れて沸騰させてみます。

ST-340+シェラカップ湯沸かし
まずは、新作「レンジ ST-340」の炎をシェラカップの底面に合わせると、火力調整レバー位置は約1回転。全開3回転半に対し約3割の開度となり、せっかくの最大火力領域が使えません。

ST-310+シェラカップ湯沸かし

続いて、従来品「ST-310」の場合、レバー位置は2回転半。全開とはいかないまでも、70%程度の火力で加熱ができます。さて、この状態で湯沸かしを同時スタートすると……。

ST-340vsST-310湯沸かし対決

写真は着火後2分10秒経過時。写真左「レンジ ST-340」、写真右「ST-310」

「ST-310」は2分で沸騰したのに対し、「レンジ ST-340」は3分40秒で沸騰、という結果になりました。

シェラカップで比べるというやや意地悪なテストでしたが、小さなクッカーとの組み合わせなら、「ST-310」も十二分に大活躍してくれます。

従来品の愛用者も買い足して損はなし

「レギュレーターストーブ レンジ ST-340」

バーナーヘッドの大径化だけでなく、細かい点まで改良が施された新作「レンジ ST-340」ですが、すべての面で「ST-310」より優れているわけではありません。

ご説明したとおり、小さいクッカーの扱いは従来品の「レンジ ST-310」の方が得意だからです。ですので、使用するクッカーやご自身のスタイルに合わせて、どちらを購入するかをご検討ください!

ST-340&ST-310使い分け

また、「ST-310」の愛用者は新作へ乗り換えるのではなく、万が一の廃番に備え、名機「ST-310」をキープしておくべし、というのが筆者の結論です。「ミニマルワークトップST-3107」などの「ST-310」用の人気オプション品は「レンジ ST-340」でも使えるので、新旧2台を並べて使えば料理の幅がかなり広がっていきそうです。

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