キャンプをはじめたものの、いきなり壁にぶつかっていませんか?

タープって使用するパーツは少ないし、ポールを立ててガイロープを引っ張るだけだと思っていました。だけど実際に設営してみると時間がかかるわ、シワが出るわ、いつもうまく張れない!
なにを隠そうタープを“それとなく見よう見まねで設営していた”筆者。キャンプサイトがビシッと決まらない原因って、やっぱりタープだよな……。
というワケで今回は「絶対失敗しないタープの張り方」を基本から会得すべく、プロからマンツーマンで教えてもらいます!
先生はCAMP HACKでもおなじみの見城了さん!

カメラマンをはじめ、自身でキャンプギアを開発・販売し、またCAMP HACKでもライターとして活躍するなど、マルチなアウトドアマン。アウトドア経験豊富な見城さんに、先生になってもらいました。
タープの建て方、教えてください!

今回使用するタープは、BUNDOK(バンドック)「ミニ ヘキサゴンタープ」。“いわゆるな”オープンタープな形状。3~4人用向きのサイズで、コスパのいいタープです。
バンドック ミニ ヘキサゴンタープ

内容は幕体(タープ生地)とメインポールが2本、それと自在付きガイロープが8本。付属品でアルミ製のペグとハンマーも付いているのですが、設営場所の地面が多少固く、心もとない……。
そこで今回は作業効率を高めるため、屈強なハンマーとペグ(見城さんの私物)を使用しました。
Ephram ペグハンマー 鋳鉄製
エリッゼステーク 鍛造ペグ 28cm
STEP1:場所を決めたらタープを広げる

見城
広げてみると3〜4人向きサイズのため、想像していたよりもかなり大き目なことが分かりました。なにも考えずに張ると、隣のサイトにガイロープが侵入したり迷惑をかけてしまう怖れがありますね。
【POINT】ペグを1本打っておく

見城
【POINT】ガイロープを結んでおく

見城
ほか、サイド用には4箇所にそれぞれ1本ずつを結びます(これでガイロープは合計8本)。こうしておけば紛失しなくなりますし、次回以降の設営も楽になります。
STEP2:ロープを広げてペグを打つ

見城
メインポールを差す部分の二股のロープは、結び目を軸に90度になるイメージで伸ばしましょう。
ほかに人がいる場合は、角度や向きを見てもらいながら協力して作業すると、よりスムーズにできますね。

見城
タープは風を強く受けるため、強く固定することが必須。なので、今回私が貸しているような長さは30cmほどの大型で、重さ・強度のあるペグ推奨です。
確かに、付属の軽いアルミ製ペグでは強風時に不安が残ります……。安心してキャンプを楽しめるよう、大型のペグを用意しておきましょう。
また打ち込み方も、角度を意識せずに浅く打ってしまうと設営途中で抜けてしまうし、深く打ちすぎると自在の調節が効かなくなるので、目安をしっかりと覚えて正しく打ち込みましょう。
【POINT】自在の位置は「おおよそ真ん中」にする

見城
なので、どちらにも対応できるよう自在の調節位置はガイロープの真ん中くらいに合わせておきましょう。
【POINT】ロープは緩めてペグダウンをしておく

見城
STEP3:ポールを立ち上げる

見城
この日は風がなかったので、ひとりでスムーズにできました。が、風が吹いていたら幕体がバタバタするし、難しそう。
またこの幕体の生地はポリエステルでまだ軽めだからいいですが、流行りのコットン生地などは重くて大変かも。そんなときは複数人で協力しましょう!

見城
ここも、ひとりだとロープが長すぎたり低すぎたりなど手間がかかるので、ロープの調節役とポールを支える役で分担して行なうと楽ですね。

見城

立ち上げた状態がこちら! センターのラインがまっすぐと伸びていい感じです! あとは両サイドのまだ緩んでいるロープにテンションをかけるだけですね。
見城
STEP4:すべてのロープにテンションをかける

見城
気合いを入れてすべてのガイロープにテンションをかけ、完成したかと思ったのですが……。
なぜかシワ、現る

確かにタープは張れたのですが、シワが出現。これではカッコよくない……。先生、どうすればいいですかー!
見城
では予定通り「シワの対処の仕方」を教えていきますね。

見城
確かに、ペグの位置を見てみるとかなりズレています……。ではこのまま外にずらしてペグダウンすればいいんですか?

見城

とくに変化はないですね……。むしろよりシワが出ているような気が。
見城

おおすごい、シワが消滅しました! なるほど、ただ外側にペグの位置をズラすだけではなく、きちんとシワが消える方向にしないといけないんですね。
見城
ペグの位置を直し、微調整したらいよいよ終わりです。
ビシッとしたタープ、完成!

どうでしょうか! 見事に張りがあってカッコよくタープを張ることができました! 先生、丁寧に教えていただきありがとうございます!
見城
また、タープは常に風を受けてロープが緩んでいくものなので、定期的にテンションをかけ直して調整するようにしましょう。
タープを張るのに持っておきたい道具たち

今回、見城さんから鉄製の大型ペグとハンマーを借りたように、付属品の道具よりも優れたものを用意しておくと、より安全で便利になります。なので、このほかにもおすすめの道具をまとめて紹介します。
プラスチックペグ

先ほどの鉄製の大型ペグは固い地面だと有効なのですが、雨などで緩んだ柔らかい地面だと効果的ではありません。そういったときに活躍するのがプラスチックペグ。軽くて面積が大きいため、柔らかい地面に対してしっかりと固定してくれます。ワンセットは持っておくといいでしょう。
プラスチックペグ
パラシュートコード

一般的なガイロープより太さがあり、強度も高いナイロン製のロープです。強風でガイロープがちぎれることもあるため、予備用に持っておくと安心。
ジュラルミンポール

軽さと強度を兼ね備えたポールです。ワンポールテントなどにもよく使われているので、持っておくと何かと重宝するのでおすすめです。
ニュートラルアウトドア スライドポール 200-260

たとえば、先ほどのタープに2本追加すれば、景色などを楽しめる片側オープンのスタイルにできます。

さらに両サイドにポールを立てれば、フルオープンの開放的なスタイルになりました。BBQなどの大人数での利用に向いていますね!
片付け方のポイントも教えます

設営をしたら片付けも大事ですよね。ということで、せっかくなので片付け方のポイントについても教わっていきます。
まずはポールから

見城
ロープは外に出して束ねて畳む

見城
メーカーによってガイロープは外すように記載されているところもありますが、そのあたりは自己判断で。

ロープの束ね方で教えてくれたのがこちら。8の字になるように指と指の間でぐるぐると巻いていきます。

少し端のロープを残したら、指からロープを抜いて余りを巻き付けていきます。

巻きつけた部分の内側に端の紐を通し、引っ張って締めるだけ。こうしておくと、解くときも簡単です。
ポールや付属品はタープに巻き込ませる

タープをポールと同じくらいの幅にたたんだら、そこにポールや付属品を置きます。

まとめてタープを巻いていけば、ごちゃつきもなくなり、かなりコンパクト。

最後にそのまま収納袋に入れれば終了。タープは一枚布だしパーツも少ないから、スマートにたたむのも簡単でした!
ひとりでもカッコよくタープ、張れちゃいました

見城さんの丁寧でわかりやすいレクチャーによって「憧れていたカッコいいタープの張り方」、見事身につけることができました! 今回はひとりでもできる手順とやり方で行ないましたが、複数人であればより早く、キレイにできるのではないでしょうか。この方法をベースにぜひ、いろいろと試してみてください。
執筆:高橋敦





