※この記事には虫等の画像も含まれています。虫のビジュアルが苦手な方はご注意ください。
※ここで紹介する虫対策や処置等はあくまで一例であり、応急的なものです。詳しくは医療機関の指示に従ってください。
※正確には虫でないものも掲載しますが、ここでは便宜的にまとめて「虫」と呼称します。
露出の多い夏こそ、虫にご用心!
夏といえば、キャンプシーズン! でも夏は、虫のシーズンでもあります……。楽しいキャンプを、厄介な虫に刺されて台無しにされたくないですよね。
そのためにはまず虫を知り、事前に対策をしておきましょう。もし刺された場合の、適切な処置についてもご紹介します!
こんなヤツらが攻めてくる
夏のキャンプ場には、一体どんな「注意すべき虫」がいるのでしょうか?
まずはその虫たちの種類や特徴、そしてもし刺されてしまったときの症状などを知っておきましょう。
ず〜っとカユい「ブヨ」
「ブユ」「ブト」とも呼ばれますブヨ。3〜5mmほどの大きさの虫です。
皮膚を噛み切って吸血するため、腫れやかゆみが数週間続くことも……。早朝や夕方に活動することが多い。
見た目も音もコワい「スズメバチ」
多くの種のハチは何もしなければ襲ってくることはありませんが、スズメバチは別で、攻撃性がきわめて高いので気をつけましょう。
日本には3属17種のスズメバチがいますが、なかでも体長5㎝を超えるオオスズメバチは昆虫界でも最凶ランク。
胴体の先のほうまで黄色っぽい、キイロスズメバチも要注意です!
うっかり巣に近づくと防衛のため刺してきます。
出会い頭にビックリ「ムカデ」
基本的に臆病な性格ですが、たまたま踏んでしまったり、頭や服に入ってしまったのを払った時などに反撃されることがあります。
大きなムカデに噛まれると、かなりの痛みと腫れが生じてしまいます。
全身チクチクな毛虫「チャドクガの幼虫」
安全な毛虫もいますが、こちらのチャドクガの幼虫には気をつけて!
幼虫の体の、目に見えないほど細かい毛に毒があります。
風に乗って飛んできた細かい毛が皮膚についてしまい炎症がおこることも。
大人でも眠れないほどのかゆみが続きます。
もっとも身近な「蚊」
普段の生活で見かける「イエ蚊」と違い、キャンプ場で見かける「ヤブ蚊」に刺されると、強いかゆみが襲ってきます。
二酸化炭素や汗のにおいなどに反応して寄ってきます。
かゆいだけならまだしも、伝染病を運ぶこともあるので注意が必要。地球上で「最も人間を殺している生き物」としてランクインしていたりと、最も身近で最も危険な虫かもしれません。
その他の困った連中
他にも、「マダニ」や「ヒル」などがいます。
マダニはキバを皮膚にがっちり固定して噛むため、手で払っても頭部分は取れません。病院での除去が必要です。
ヒルは知らないうちにポトリと落ちてきて、気付くと服の中に! なんてことも。湿気を好むので、じめじめした場所ではご注意を。
事前対策が何より大切
当たり前ですが、なるべく刺されたり噛まれたりしたくないですよね。虫たちと適度な距離をおくために気をつけるポイントをご紹介します。
今まで気づかずにやってしまっていたこと、ありませんか?
黒い服は避けよう
ハチやブヨは、黒を狙って攻撃してきます。さらに黒は熱を吸収するため、着ていると体温が上がり蚊を呼び寄せることにも。
ブヨは赤や青にも反応してしまうので、熱を吸収しにくい白系の服がオススメです!
足を出さない
蚊は足のにおいを好むって、ご存知でしたか?
足は顔から距離があるので、とまられていても気づきにくいもの。暑いのは少し我慢して、長ズボンで足をガードしましょう。
厚手のものを選ぶと、薄い布の上からでも噛んでくるブヨ対策にもなります。
グラミチ ニューナローパンツ
スクリーンタープを使う
熱や湿気がこもらないよう、全面メッシュのものが理想的です。
でも中に虫を入れてしまうと意味がないので、出入りは素早く、最小限で。破れていないかどうかも、必ずチェックしてくださいね。
コールマン タフスクリーンタープ
靴の中を確認しよう
脱いで置いておいた靴を履いたら、何か違和感……。見たら、靴の中にムカデが! これ、意外に多いんです。
履く前に、靴を逆さにして確認する癖をつけておくと安心です。
木の真下を避け、草むらに入らない
毛虫シーズンに木の真下に入らなければいけない場合は、帽子をかぶりましょう。落ちてくる毛虫の直撃を防げます。
また、草むらにはマダニがいることも。肌の露出をできるだけ減らして防御しましょう。
カブー ストラップ バケットハット
ハッカ油で「ブヨ除け」をつくろう
虫除けスプレーが効きにくいブヨに効果的なのが、ハッカ油です。
ハッカ油とエタノールを混ぜて100均のスプレーボトルに入れれば、自家製ブヨ除けスプレーのできあがり!
健栄製薬 ハッカ油(20mL)
あと、値段は少々高めですが、市販の虫除けスプレーの中でブヨに効くといわれているのが「パーフェクトポーション」です
パーフェクトポーション アウトドア ボディスプレー
ランタンは少し遠ざけて置く
キャンプの夜、ランタンを灯すと雰囲気がぐっと増す……のですが、光には虫が集まってきてしまいます。
そして、光に集まった虫を食べたいムカデも集まってくるのです!
少し離れた場所に設置すると虫の直撃も減り、間接照明のように優しくサイトを照らしてくれますよ。
プロ用蚊取り線香「森林香」が効く
園芸や農作業、森林での作業にも使われる「森林香」をご存知ですか?
普通の蚊取り線香より太さと厚みがあり、煙の量もしっかり!
よりパワフルな「パワー森林香」もあります。
専用の携帯防虫器をサイトにぶら下げれば、もう怖くない!
富士錦 パワー森林香
富士錦 携帯防虫器 (森林香・パワー森林香専用)
それでもやられてしまったら……
どんなに気をつけていても、やっぱり刺されてしまうことはあります。
そんな時、直後の処置次第でその後のかゆみや治り方に大きな違いが。
刺されてから調べていては遅いので、手順を頭に入れておきましょう。
リムーバーを使う
刺されたらすぐに、リムーバーで毒を吸い出します。
ブヨのように、皮膚を噛み切ってくる虫に刺された場合には、傷口から毒が吸い出せるので効果が高いです。
ただ、強く吸いすぎると皮膚が逆にダメージを受けてしまうので気をつけて。
リムーバーがなければ、爪で挟んで代用しましょう。
エクストラクター ポイズンリムーバー
水で洗い流し、冷やす
毒を出したら、できれば流水で患部を清潔にします。氷で冷やすのも、かゆみを抑えてくれる効果が。
掻きむしりたくなりますが、掻いてしまうと腫れもひかず、かゆみも増してしまうのでグッとがまんを。
合言葉は「掻くより冷やせ!」
むやみに消毒しない
刺された虫の種類にもよりますが、消毒によってばい菌に対抗してくれる良い菌まで殺してしまう場合があります。
毒を出して水で流したら、馬油やワセリンなどをつけて様子を見ましょう。
低刺激なので、お子さんにも安心して使えます。
ヴァセリン ペトロリュームジェリー
「ムヒアルファEX」を塗る
蚊はもちろんダニやムカデ、毛虫からクラゲにまで対応でき、キャンパーからの支持率も高い外用薬です。
刺されたらできるだけ掻かないようにして、早めに塗ると効果的です。
池田模範堂 ムヒアルファEX
ハチは病院へ
以前にもハチに刺されたことがあったり、集団のハチに襲われたりした場合、アナフィラキシーショックと呼ばれる反応が出ることがあります。
刺されて数分から15分くらいまでに気分が悪くなったり、めまいや嘔吐の症状がでたり、呼吸が荒くなった場合は、すぐに病院へ!
怖がらなくても、大丈夫!
大自然の中に虫は当然いて、そこへキャンプをしに行くのは私たちです。
事前対策をきちんとして、あとは「お邪魔させてもらってまーす!」という気持ちでいられたら、虫に遭遇したときも慌てずに済みそうです。
少しずつ虫に慣れてきたら、おなじみのあの虫もちょっと可愛く見えてくる……かも?