続いて袋部分の縫製に入ったのですが、一枚布で作られた「ただの封筒型」の Great Cossy Mountain のバックパックのシンプルな基本設計にも、実は様々な工夫が入っていることを実感させられる行程でした。
まずは開口部のバックルの基部となるストラップとショルダーハーネスを縫い付けるのですが、本体生地を巧みに織り込みながら幾重にも補強をかけて縫い付けていきます。このあたりは数々の試作と失敗を繰り返しながら辿り着いた設計だとか。とくに面白かったのは、ショルダーハーネスを取り付けるボトム部の作り方。
折り紙のような要領で平面だったボトム部が立体になりさらにそこがショルダーハーネスの基部となる作りは非常に頑丈ですし、荷重バランス的にもボトムとショルダーハーネスが直結した作りは良好なはずで、それをシンプルな方法で達成している作りに改めて唸らされました。
ここで筆者は一捻り加えたくなり、POP HIKER Simple Pack “MYOG” Kit には本来ついていないバンジーコードの取り付け基部をつけることにしました。
コッシー先生は「そんなものいらん!」と言っておられましたが、やっぱりトレッキングポールとか傘とか外付けできる方が便利じゃないですか? シブシブ基部の取り付け方を教えてくれたコッシー大先生、あざーす!
そんなこんなで朝10時から作業を始め、途中で何度か休憩を挟みつつ正味7時間ほど。ついに、ついに筆者初めての自作バックパックが完成しました。
背負ってみると、コッシー先生設計なのだから当たり前ですが自分で作ったとは思えないほど良好な背負い心地! 縫製もご指導の甲斐あってか遠目にはまったく問題なし! 強度的には、これから使っていく中でその答えが出るのでしょうが……。
ですが、なによりも筆者が特筆したいことは、やはり自分で縫ったバックパックはとてもとても可愛いということです。作っている途中から、もはや自分の子供のような気分でした。