バードウォッチングをはじめてみよう!
野鳥を双眼鏡などで観察することをバードウォッチングと言い、子供から大人まで気軽に楽しむことが出来ます。普段街の中でも鳥を見かけますが、もっとじっくりと観察すると季節によって見られる鳥が違ったり、見たことのない鳥にも出会えたりしますよ。
木の葉が落ちると鳥がよく見え観察しやすくなるので、秋から冬にかけてのバードウォッチングがおすすめです。
バードウォッチングに必要な持ち物
バードウォッチングをする際に必要な持ち物をご紹介します。持っているアイテム次第では、観察がもっと楽しくなりますよ。ぜひ揃えておきましょう。
バードウォッチングに必要なアイテム①双眼鏡
バードウォッチングの基本アイテム。双眼鏡は対物レンズの大きさによって、20mmの「コンパクト」30mmの「中口径」、40mmの「大口径」3つのクラスに分けられます。バードウォッチングには、対物レンズのサイズが30mm前後のものが良いでしょう。
「倍率は高いほど良い!」というような気がしますが、バードウォッチングにはおすすめできません。倍率が高いほど、視界が暗くなり、見える範囲も狭まってしまいます。バードウォッチング用の双眼鏡の多くは、8倍もしくは10倍で販売されているものがほとんどで、一般的には「8倍」が最適な倍率とされています。
【選び方ポイント】
●対物レンズの大きさは30mm前後
●倍率は7~10倍がおすすめ
●防水性能があると便利
Nikon 双眼鏡 モナーク7 8×30 ダハプリズム式 8倍30口径 MONARCH 7 8X30
Kowa 双眼鏡 ダハプリズム式 8倍32口径 完全防水 BD32-8XD PROMINAR
Kowa 双眼鏡 ポロプリズム式 8倍30口径 YF8x30 YF30-8
▼初心者必見!双眼鏡選びに必要な基礎知識
バードウォッチングに必要なアイテム②服装・靴
バードウォッチングの際の服装には特に決まりはありませんが、気候や場所に応じた服装、靴が必要です。水辺での観察ならば長靴、山での観察ならばトレッキングシューズ、雪や氷のあるような場所ならばスノーブーツなど、フィールドに応じた靴選びを心がけましょう。
衣服に関しては、音や光に敏感な鳥を怖がらせない為にもシャカシャカと音がなる素材のものや、反射素材などは避けるようにしましょう。
【選び方ポイント】
●行く場所に応じた服装であればOK
●音がする素材の服は避ける
●反射する素材の持ち物、服装は避ける
(BW-01)日本野鳥の会 バードウォッチング長靴 レインブーツ/ラバーブーツ グレー 3L
野鳥図鑑
バードウォッチングをしていると、知らなかった名前の鳥を発見することもあります。そんな時に役立つのが野鳥図鑑。野鳥図鑑には鳥の写真が載っているもの、イラストがメインで載っているものの2タイプの図鑑があります。
ただ、たくさんの鳥が載っている図鑑は重くなってしまうので、持ち運びし易いような、ハンディサイズやポケットに入るくらいのサイズでも充分でしょう。
【ぱっと見わけ観察を楽しむ 野鳥図鑑】
ぱっと見わけ観察を楽しむ野鳥図鑑 [ 石田光史 ]
バードウォッチングに必要なアイテム③ノート・メモ帳
観察記録をメモするものをフィールドノートと言いますが、簡単に持ち運びが出来て使いやすいメモ帳やノートなどがあると便利でしょう。見た鳥のスケッチや特徴を書いたり、場所や時間を記しておくと後で見返しやすいですね。
望遠鏡は経験を積んでから……
望遠鏡は双眼鏡よりも倍率が高くなるため、手で持って観察するのは難しいです。基本的には接眼レンズの他にも、雲台と三脚をセットで使用します。望遠鏡には必要な機材も多く、扱い方にもコツがあります。
またバードウォッチングになれていない初心者は、まずは双眼鏡から試してみる方が良いでしょう。
バードウォッチングでの双眼鏡の使い方
バードウォッチングに双眼鏡は欠かせないアイテム。使い方をしっかりとマスターし、バードウォッチングを楽しみましょう。基本的な使い方をご紹介します。
使い方①視度を調整する
誰でも右目と左目の視力には差があるので、それを補正することでより見やすくなります。調整方法はまず左目で遠くのものにピンとを合わせ、次に右目で同じものにピントを合わせるように視度調整リングで調整してきます。最後に両目でくっきりと対象物が見えていればOKです。
使い方②目幅を調整する
接眼レンズの幅を自分の目の幅に合わせて調整します。双眼鏡を覗いてみて二つの円が一つに重なって見えるようになると、視界も立体的に感じられるでしょう。
バードウォッチングに最適な場所は?関東·関西おすすめスポット
バードウォッチングに適している公園などをご紹介します。どういった鳥の種類が見たいかによって、観察する場所を変えてみても良いですね。初心者でも観察しやすいスポットをチェックしてみましょう。
東京港野鳥公園(東京)
東京湾を埋め立てて作られ、東京湾に面した公園で、池やヨシ原、小川、森林など多様な環境が整っています。カモやチドリ類、オオタカなどが現れ、年間120種類前後の野鳥が観察されています。
【基本情報】
所在地:大田区東海3-1
電話番号:03-3799-5031
料金:大人300円 中学生150円 小学生以下はと都内在住の中学生は無料
アクセス:モノレール流通センター駅徒歩15分
大井町東口及び品川駅東口から”品98甲系統”バス「野鳥公園」下車
大森駅東口及び平和島駅から城南島循環大田市場行きバス「野鳥公園」下車
駐車場: 環七沿い、環七大井埠頭交差点先大井南部陸橋手前にあり。40台無料
武蔵丘陵森林公園(埼玉)
日本で初めての国営公園です。園内は雑木林や湿地、池沼、草地など多様な環境があるので、カモやモズ、セキレイなど多くの鳥が訪れます。東京ドーム65個分の広大な敷地なので何度でも訪れたくなりますね。
【基本情報】
所在地:埼玉県比企郡滑川町山田1920
電話番号:0493-57-2111
料金:大人 410円 子供(小、中学生) 80円
アクセス:関越自動車道「東松山」I.C.から熊谷方面へ約10分。
駐車場:普通車1台620円
谷津干潟自然観察センター(千葉県)
東京湾の最奥部に位置するおよそ40ヘクタールの干潟。貝やプランクトンなどが多く生息し、四季を通して多くの野鳥も観察することができます。渡り鳥の中継地としても重要な場所になっているようです。有料ですがバードウォッチング用の双眼鏡の貸し出しサービスがあり、レクチャーも受けることができるので初心者にもおすすめです。
【基本情報】
所在地:千葉県習志野市秋津5-1-1
電話番号:047-454-8416
アクセス:京成谷津駅から徒歩約30分、「谷津船橋IC」から約1分、「花輪IC」から約10分
駐車場:無料 普通車100台、大型バス5台
井頭公園(栃木)
宇都宮市と真岡市の境にあるとても大きな公園で、公園の真ん中に大きな池があります。ガマやヨシが生える湿地植物園もあり、マガモやサギ、カワウなど水辺に多くの鳥が集まってきます。雑木林もあるので多くの種類の野鳥を観察できますよ。
【基本情報】
所在地:栃木県真岡市下籠谷99番地
電話番号:0285-83-3121
料金:無料
アクセス:JR宇都宮駅・東野バス(宮の橋南停留所)・真岡車庫行(大内西小学校前下車・徒歩30分)、北関東自動車道真岡I.Cから約8分
駐車場:無料(一万人プールの営業期間に限り、駐車場は有料になります。)
馬見丘陵公園(奈良)
馬見古墳群という古墳の集積地となっているエリアで、古墳と自然環境を保全するために作られたのが馬見丘陵公園です。エナガ、ジョウビタキ、カイツブリなどおよそ60種類ほどの野鳥を観察することができます。
【基本情報】
所在地:北葛城郡河合町佐味田2202
電話番号:0745-56-3851
料金:無料
アクセス:近鉄田原本線「池部駅」下車、緑道北口(緑道エリア)まで徒歩2分
近鉄大阪線「五位堂駅」より奈良交通バス33系統「馬見丘陵公園」下車すぐ(バス停「馬見丘陵公園」は公園の中央駐車場内にあります)
西名阪自動車道法隆寺ICから約15分
駐車場:無料 822台
京都御苑(京都)
江戸時代には200もの宮家や公家が立ち並ぶ町でしたが、都が東京に移ってからは公園として開放されました。古い樹木が残り、古き良き景観も維持されています。苑内で冬を越す渡り鳥もいるので冬のバードウォッチングが最適。人工の野鳥の水場も設置されていてそこに集まる鳥を観察しやすくなっています。
【基本情報】
所在地:京都府京都市上京区京都御苑3
電話番号: 075-211-6348
料金:無料
アクセス:市営地下鉄烏丸線丸太町駅1番出口から徒歩3分
市営地下鉄烏丸線今出川駅3番出口から徒歩3分
駐車場:京都御苑来苑者用の駐車場があります
大阪城公園(大阪)
大阪の中心に位置する公園で、中央には天守閣がそびえています。数々の重要文化財がある他、梅林やお堀など自然も豊か。オススメの探鳥コースもあり、基本コースは早足で3時間程度。ゆっくり観察しながら歩けば5~6時間。ショートコースは2~3時間で春秋の渡りの時期にオススメです。
【基本情報】
所在地:大阪府大阪市中央区大阪城3−11
電話番号:06-6755-4146
料金:天守閣 大人600円、中学生以下無料
西の丸庭園 大人200円、中学生以下無料
アクセス:「谷町4丁目駅」1-B番出口 「天満橋駅」3番出口、
JR 森ノ宮駅 大阪城公園駅、
水上バス大阪城港 八軒家浜船着場
駐車場:1時間350円
ゆめさきの森公園(兵庫)
姫路市夢前町寺地区の里山と、通法寺池を中心とした水と緑が豊かな公園です。園内には渓流もあり、水辺には多くの水鳥も訪れます。季節によって様々な野鳥を観察でき、事務所にて双眼鏡の貸し出しもしてくれますよ。
【基本情報】
所在地:兵庫県姫路市夢前町寺2160-2
電話番号:079-337-3220
料金:無料
アクセス:●中国自動車道「福崎IC」から車で約30分,「夢前SIC」(ETC車のみ通行可)から約15分
●山陽自動車道「姫路西IC」から車で約20分
●姫路バイパス「中地ランプ」から車で約40分、「姫路西ランプ」から車で約30分
●JR姫路駅から神姫バス「前之庄」「山之内」行き、「又坂」下車徒歩約40分
駐車場:無料
気をつけよう!バードウォッチングに関するマナー
バードウォッチングは誰でも気軽に楽しむことができますが、自然の中で生き物を観察するので守るべきマナーもあります。バードウォッチングの際に注意すべきポイントをチェックしておきましょう。
バードウォッチングのマナー①巣に近づかない·接近しすぎない
鳥たちにも繁殖期があり、巣作りや子育ての時期に親鳥は神経質になっていることも多く警戒し威嚇してくることもあります。巣を発見したら、近づかないように注意しましょう。また、巣の周りのものを動かしたりしないようにも気を付けましょう。周りの様子が変わってしまうと、親鳥が巣を見捨ててしまうこともあるのです。
バードウォッチングのマナー②餌付けはNG
野鳥は普通は餌付けされずに自然の中で生きています。観察や撮影目的で鳥を近くにおびき寄せるために餌付けをしてしまうと、鳥たちの生活を大きく変えてしまう恐れがあります。
渡り鳥が日本を離れるタイミングが遅くなったりすることも。餌付けをすることなく、自然の状況の中で生きる野鳥たちを観察するようにしましょう。
バードウォッチングのマナー③ストロボの使用はNG
野鳥の撮影を趣味としている人も多くいますが、撮影時のストロボ使用は避けましょう。人工照明は鳥にとったらとても強烈な光で、興奮させてしまったり警戒心を強めてしまうこともあり危険です。暗い場所での撮影であっても、ストロボは使用せずにISO感度を上げたりして工夫しましょう。
バードウォッチングのマナー④お互いに気遣う
人気のバードウォッチングのスポットでは多くの人が観察に訪れることもあります。みんなが楽しめるよう、場所を譲り合って気遣いながら観察しましょう。三脚を置いて長時間居座り、周りの人に場所を譲らないなどの行動はやめましょう。
鳥たちをもっと身近に感じよう
都市部でもカラスやスズメだけでなく、もっと多くの種類の野鳥がいるのをご存知ですか? 鳥の鳴き声に耳を澄まし、水辺や公園の雑木林などに出かけてみましょう。もっと鳥たちを身近に感じることが出来るはずですよ。