アイキャッチ画像出典:PIXTA
撥水と防水の違いとは?
出典:PIXTA
テント生地には大きく分けると「撥水」と「防水」の2種類があり、よく混同されがちですが、以下のような違いがあります。
撥水 | 水を弾くことを目的としている |
---|---|
防水 | 水の侵入を完全にブロックすることを目的としている |
防水・撥水加工どちらも新品の状態であれば問題なく効果を発揮してくれますが、長く使っていくうちに経年劣化してしまい、テントの防水・撥水加工は低下してしまいます。
そこで、自身でテント の防水・撥水性能を復活させる方法の1つが防水スプレーを使うこと。ここからは、防水スプレーのメリット・デメリットを詳しくお伝えします。
テント用防水スプレーのメリット・デメリット
メリット
雨でのキャンプが快適に、片付けも楽々
出典:PIXTA
しっかり防水スプレーを塗布したテントだと、雨キャンプになったときでも雨漏りの心配が減ります。テント内に水溜りができたり、シュラフが濡れてしまったりすることなく、快適に過ごせるのがメリット。
また、撤収時にはテントをバサッバサッと仰ぐだけで、テントについている水滴を弾くことができます。水分を拭き取りやすくなり、片付け時間を大幅に短縮することができますよ。
お気に入りテントを長く使用できる
出典:PIXTA
愛着のあるテントは、できれば長く使い続けたいですよね。防水スプレーを使うことで、テント内への水分の侵入を防ぐと同時に、濡れによるカビや生地の劣化も防ぐことができます。
水以外にも、泥や砂などの汚れも弾くため、テントのお手入れも簡単に。きれいに使い続けられるため、結果として長く愛用し続けられることに繋がります。
デメリット
防水スプレーは、テントを水や汚れから守るために役立つアイテムですが、使用する際には注意点もあるので把握しておきましょう。
塗りムラができ、白くなる可能性がある
出典:PIXTA
防水スプレーを使用するとき、均等に塗布しないと、白い塗りムラが発生することがあります。設営したテントの見た目が悪くなったり、逆に防水効果が低下することもあるので注意が必要です。
塗りムラになる原因
- ●湿度や温度が原因で成分が結晶化している
- ●一度に塗布する量が多い
- ●使用前に缶をよく振っていない
必要量が把握しにくい
出典:PIXTA
防水スプレーといっても、さまざまなメーカーからいろいろな種類の防水スプレーが展開されています。ものによって塗布中の伸びが良い・悪いものや、一度に使用する必要量が把握しづらいなどということもあるでしょう。
テント用の防水スプレーの選び方
出典:ロゴス
「防水スプレーの選び方が分からない」という方のために、ここではテント用防水スプレーを選ぶ際のポイントを詳しく解説します。
テント用防水スプレーの選び方
油も弾くフッ素or長持ちするシリコン系
テント用防水スプレーには、大きく分けると「フッ素系」と「シリコン系」の2種類の成分が使用されています。それぞれ違いがあるので、購入の際には素材の確認をしましょう。
フッ素系
出典:Amazon
フッ素系防水スプレーは、繊維1本1本を強力にコーティングすることで、水を弾き、撥水効果を発揮します。繊維と繊維の間に隙間を残すため、通気性と透湿性を損なわず、ゴアテックスなどの防水透湿素材にも使用可能です。また、水だけでなく油も弾くのが特徴。
デメリットとしては、シリコン系に比べて効果が落ちやすい傾向にあることと、近年では環境や人体への影響が懸念されています。特に後者のほうを理由に、今回フッ素系はおすすめアイテムとして紹介していません。
シリコン系
出典:Amazon
シリコン系は、フッ素系に比べてコストパフォーマンスに優れ、効果も持続しやすいのが特徴です。しかし、フッ素系とは異なり、繊維と繊維の隙間を埋めて防水効果を発揮するため、通気性と透湿性が低下します。その結果、結露が発生しやすくなるというデメリットも。
また、フッ素樹脂ほどではありませんが、シリコン系も使い方次第では健康を害するリスクがあるため、商品に記載されている使い方をよく読んだうえで正しく使いましょう。
防汚や消臭、UVカットなどの機能もチェックしよう
出典:PIXTA
テント用の防水スプレーには、防水・撥水効果の他に、防汚・消臭・防虫・UVカットなどの機能を搭載している商品もあります。そういった商品を選ぶことで、追加でアイテムを持って行かなくて済み、荷物を減らせるようになります。
塗布タイプの防水剤は、場合によってはコスパが良い
出典:PIXTA
テントに防水加工を施すには、一般的によく知られているスプレータイプの他に、塗布タイプがあります。
塗布タイプの防水剤は、スプレータイプに比べて手間がかかりますが、ムラが少なく均等に塗布でき、効果も長持ちしやすい傾向にあります。ソロ用のテントなど小さいテントであれば比較的楽に加工を施すことができ、効果も持続しやすいため、結果としてコスパが良い選択肢となることも。
使用頻度やテントサイズに合った容量を選ぶ
出典:PIXTA
防水スプレーの容量を選ぶ際は、使用しているテントのおおよその表面積と、どのくらいのペースでキャンプへ行くのかを事前に把握しておきましょう。
テントの使用頻度が多ければ、防水スプレーの使用頻度も高くなることが想定されます。また、テントの具体的な表面積がわかれば、防水スプレーの使用可能面積と照らし合わせて自分にピッタリな容量が選べるでしょう。
テントメーカーが販売している防水スプレーも
出典:モンベル
いろいろなメーカーからテント用防水スプレーが発売されているので、どれを選べばいいのか迷ってしまう方も多いと思います。そんなときは、所有するテントのメーカーが展開する防水スプレーを購入するのも選択肢の1つです。また、近くに直営店があれば、直接聞くのが一番間違いのない選択でしょう。
おすすめテント用防水スプレー9選
ここからは、シリコン系とその他に分けて、おすすめの防水スプレーを紹介します。
【シリコン系】おすすめテント用防水スプレー7選
トコ Eco テキスタイル プルーフ
主成分 | バイオシリコーン |
---|---|
UVカット機能 | × |
防虫機能 | × |
消臭機能 | × |
その他機能 | × |
容量 | 500ml |
非推奨素材 | - |
おすすめポイント
- ●創業100年以上の歴史があるスイスの老舗ブランドが開発
- ●人と環境に配慮した生分解性の防水スプレー
- ●ゴアテックスなどの防水透湿性素材にも使用可能
日本特殊塗料 防水一番 浸透性防水剤
主成分 | 合成樹脂(シリコーン)、有機溶剤、防カビ剤 |
---|---|
UVカット機能 | × |
防虫機能 | × |
消臭機能 | × |
その他機能 | 防カビ |
容量 | 420ml |
非推奨素材 | - |
おすすめポイント
- ●生地の中に染み込み、内部に防水層・防カビ層を形成する
●TC素材などの厚手の生地に使用可能 - ●無色透明なので、生地の風合いが変わりにくい
モンベル O.D.メンテナンス はっ水スプレー 330mL
主成分 | シリコーン樹脂、イソプロピルアルコール、炭酸ガス |
---|---|
UVカット機能 | × |
防虫機能 | × |
消臭機能 | × |
その他機能 | × |
容量 | 330ml |
非推奨素材 | 皮革、人工皮革、毛皮、ゴム、ビニル、プラスチック、ポリウレタン・ビニルコーティングされた布製品、白地のバッグ、布靴、靴のゴム底など |
おすすめポイント
- ●PFCフッ素化合物を含まない、環境に配慮した撥水剤
- ●テントからレインウェア、登山靴まで幅広く使える
- ●防水透湿性素材の性能を損なわない
スリーエム 防水&UVカット
主成分 | シリコーン樹脂、イソプロピルアルコール、紫外線吸収剤 |
---|---|
UVカット機能 | ◯ |
防虫機能 | × |
消臭機能 | × |
その他機能 | 繊維製品の色あせ防止 |
容量 | 300ml |
非推奨素材 | 皮革、合成皮革、毛皮、ビニール、ポリウレタン等で加工されたもの |
おすすめポイント
- ●防水機能にプラスでUVカット機能も搭載。紫外線による色褪せを防げる
- ●1缶で1.2㎡~2.3㎡まで使用可能
- ●ゴアテックスなどの防水透湿性素材の性能を損なわない
キャプテンスタッグ テント用防水スプレー300mL
主成分 | シリコン樹脂 |
---|---|
UVカット機能 | × |
防虫機能 | × |
消臭機能 | × |
その他機能 | × |
容量 | 300ml |
非推奨素材 | 皮革、合成皮革 |
おすすめポイント
- ●強力な撥水・防水効果により、縫い目からの水漏れを防ぐ
- ●生地の風合いや通気性を損なわずに、処理が施せる
- ●1缶で5㎡まで使用可能
ネバーウエット ネバーウエットネオ
主成分 | 合成樹脂(シリコン)、有機溶剤 |
---|---|
UVカット機能 | × |
防虫機能 | × |
消臭機能 | × |
その他機能 | × |
容量 | 325ml |
非推奨素材 | ゴム製品、吸湿性・吸水性のない素材、風合いが重視される素材、白や薄い色の素材 |
おすすめポイント
- ●アメリカが生んだ次世代の超撥水スプレー
- ●水だけでなく、泥汚れもしっかり弾く
- ●靴やバッグ、傘、帽子など普段使いしているアイテムにもおすすめ
ザ・ノースフェイス TNFケア ウォータープルーフスプレー
主成分 | シリコーン樹脂、石油系溶剤 |
---|---|
UVカット機能 | × |
防虫機能 | × |
消臭機能 | × |
その他機能 | × |
容量 | 130ml |
非推奨素材 | 天然素材 |
おすすめポイント
- ●フッ素不使用で環境に優しいシリコン系撥水スプレー
- ●乾きが速いエアゾール噴霧のため、手軽に撥水処理ができる
- ●レインウェア、バック、シューズなどさまざまなアイテムに使用可能
【その他】おすすめテント用防水スプレー2選
ニクワックス テント&ギアソーラープルーフ
主成分 | ウォーターベース、TX.1 0i |
---|---|
UVカット機能 | ◯ |
防虫機能 | × |
消臭機能 | × |
その他機能 | × |
容量 | 500ml |
非推奨素材 | 透湿性生地 |
おすすめポイント
- ●コットンやTC素材のテントにも使用可能
- ●紫外線からのダメージを防いでくれるので、テントの色褪せを防げる
- ●高い伸縮性と耐久性を備えた特許成分TX.10iを配合
アイガーテック 防水スプレー
主成分 | - |
---|---|
UVカット機能 | × |
防虫機能 | × |
消臭機能 | × |
その他機能 | 防汚 |
容量 | 430ml |
非推奨素材 | 高級革靴、革鞄、ゴアテックスなど |
おすすめポイント
- ●超撥水効果によって、塩水・汚れからも生地を守ってくれる
- ●安全性にこだわっているため、子供の靴やレインウエアにも安心して使える
- ●短い時間で手軽に処理ができて、長期間持続してくれる
防水スプレーと併用したい、テント用メンテナンスアイテム
出典:PIXTA
お気に入りのテントを長持ちさせたい人は、縫い目からの水の侵入をブロックする「シームレステープ」と、「防カビスプレー」の使用も検討しましょう。
キャプテンスタッグ シームレステープ
サイズ | 幅20mm×長さ20m |
---|---|
材質 | ポリウレタン |
おすすめポイント
- ●テントやタープの縫い目からの侵水を防ぐ、防水加工用テープ
- ●ハンカチをあてた上からアイロンで抑えるだけで、縫い目の防水処理ができる
キンダイケミカル TTプロテクター
容量 | 280ml |
---|---|
非推奨素材 | - |
おすすめポイント
- ●テントやタープにカビが発生するのを予防できる
- ●消臭・除菌・抗菌効果も期待ができ、シュラフやマットにも使用可能
- ●安心安全のアルコールフリー、無香料、非塩素系
テント用の防水スプレーについてよくある質問
ムラになったときの対処法は?
出典:PIXTA
防水スプレーを使用するときに、いきなり全体に刷毛塗りやスプレーをするのではなく、まずは目立たないところで試して、乾かすことが大切です。
誤ってムラが発生してしまった場合は、固く絞ったウエスで拭き、やわらかいブラシでこすることで改善される場合があります。それでも改善されなければ、テントクリーニングの利用を検討しましょう。
どれくらいの頻度でスプレーすれば良い?
出典:PIXTA
使用する天候状況、使用頻度などによるため、どのくらいの頻度で防水スプレーを行えばいいか一概にはいえません。キャンプをしたタイミングで、結露の水滴が生地表面を転がっているか、水が染みてきている箇所がないかなど細かくチェックし、性能の低下を感じたら処理するようにしましょう。
テント用の防水スプレーでキャンプを快適に!
出典:PIXTA
お気に入りのテントを長く愛用し続けるのに欠かせない、テント用防水スプレー。今回ピックアップしたアイテムのなかから、価格や成分、機能性などを考慮し、あなたにピッタリなテント用防水スプレーを見つけてくださいね!
テント防水スプレーの人気売れ筋ランキング
楽天市場、Yahoo!ショッピングにおけるテント防水スプレーの人気売れ筋ランキングは、以下のリンクから確認できます!
※記事内で紹介している商品を購入した際、売上の一部がCAMP HACKに還元される場合があります。
※各商品に関する情報は、実際に商品を使用したうえでの見解に加え、ブランド・ECサイトなどの情報を参照して記載しています。
※掲載されている情報は、記事執筆時点でCAMP HACKが独自に調査したもの、または各商品のJANコードをもとにECサイトが提供するAPIを使用し、自動で生成しているものです。
掲載価格の変動や登録ミスなどの理由により情報が異なる場合がありますので、最新の価格や商品の詳細などについては、各ECサイト・販売店・ブランドよりご確認ください。
テント用防水スプレーに関するこちらの記事もおすすめ
▼テントの加水分解について解説した記事はこちら!
▼テントのメンテナンス方法について解説した記事はこちら!
▼テントメーカーの一覧はこちら!