記事中画像撮影:筆者
やっぱりワイルドなキャンプに憧れる…!
ファミリーキャンプでは大型2ルームテント&重装備スタイルの筆者。ですが、春先〜夏にかけては、ザック1つで電車に乗って徒歩ソロキャンプしに行くこともあるんです。
ただ、装備を減らせる季節限定。イマイチUL化が完成しておらず、荷物は20kg前後と苦行が過ぎる状況です。今夏の猛暑の前には足も重くなる一方。
でもワイルド&ULなソロにはやっぱり憧れる……。なんとかお安く、劇的に荷物を小さくできませんかね?
ワイルドの極み?みたいなヤツ発見…!
出典:Amazon
いきなりハンモックはハードルが高いけど、それぐらい無駄を削ぎ落とした、もう「とにかく寝るだけ」みたいなテント、しかも安いのないかな? と探していた筆者。
ハイ。Amazonで見つけてしまいました……(汗)。このHorypt「バックパッキングテント」はいわゆる「ビビィテント」というタイプ。しかも5,699円(税込)と格安。
極めて見慣れないブランド、かつ評価は☆のみでレビューなし。不安要素だらけですが、ええい、ままよ! 俺はコイツで孤独に大地に抱かれて眠るんだ! というワケで使ってみましたよ。
Horypt バックパッキングテント
サイズ | 長さ2.2mx幅0.9mx0高さ0.5m |
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重量 | 0.79g |
まずはモノをチェックして、不安を打ち消していこう…
収納サイズはめちゃコンパクト!
さっそく届いたHorypt「バックパッキングテント」ですが、とにかく軽い! 重量はわずか0.79kg、収納サイズも37×10cmと運搬にも最適だと言えるでしょう。
普段徒歩キャンプで使っているフォルクラ「TREK 500」と比較するとこの通り。
重量に関して言えば「TREK 500」は3.1kgありますので、実に2kg以上のアドバンテージ。バックパック全体の重量が一気に1割以上下がるのはインパクト大!
「TREK 500」の大きさは39×17cmと、かさばり方はわずかな差のようですが、直径7cmの差は結構効きます。
バックパックにするっと入る感じが良いです。まさに目的に合致しますね。
設営わずか2分!シンプルな構造
収納袋を広げてみますと、フライシート(テント本体)、ショックコードで接続されたポールが大小2本、ペグ10本、ガイロープ4本が入っています。
テントは完全に幕1つのみのシングルウォール構造で、本体だけを持ってみると、バスタオルよりも軽い気がします。
組み立ては非常に簡単。販売サイトによれば2分ということですが、組み立てたポール2本を差し込むだけ。
端はグロメットで留めるタイプですが、全体的に小ぶりなので力もいらなさそう。確かに2分ぐらいで済みそうです。
防水・防風性能も標準レベル
フライシートの材質は標準的なポリエステル。防水加工も施され、PU3,000mmの耐水性能があるようなので、ゲリラ豪雨レベルでなければ、雨天時も問題なさそうです。
ペグダウンもしっかり10箇所あって高さもないので、中に人がいなくても、そこそこの耐風性は期待できそうです。
ともかく設営してみる
だいぶ不安が薄れてきたはものの、ともかく設営しないことには構造や使い勝手もよく分かりません。それでもいきなりキャンプは怖いので、自宅の庭に張ってみることにします!
設営は本当に2分レベル…!
まずは、フライシートを広げます。と言ってもシングルウォールなので、テント自体はこれ1枚ですが。
ペラペラで軽いので、風で飛んでいきそう。形状は足元に向かって細くなっています。
頭側と足側にそれぞれ1本ずつ、計2本のアーチポールをスリーブに通したら、ボトムの4隅と開口部左右の計6箇所をペグダウン。
最後に頭側と足側のアーチポールから、それぞれ2本ずつガイロープを張ってペグを打てば完成! なお、ロープに自在金具はついていないため、そのままだとちょっと広いスペースが必要です。
設営はあっという間に完了しました。最初の設営ではガイロープを結ぶ時間を含みますが、それでも5分かかったかどうか……。2回目以降なら、本当に2分で設営可能だと思います。
各所の構造は一般的なテントと同じ。説明書は付属していないものの、多少経験のあるキャンパーなら特に悩むところはないでしょう。
いざ、ワイルドに!大地に抱かれて眠ってみます
ええと、どこがどう開くんだっけ…?
いわゆる「ビビィテント」にはさまざまなタイプがあり、販売サイトにもどこが開閉パネルなのか詳しい記述もなく、どこから入れるんだろう……? とちょっと不安でした。
ですが、設営してみたら開口するのは入口、つまり頭部側の1箇所だけ。ダブルファスナーでメッシュパネルとの二重構造になっていて、この部分もなかなか本格的です。
フルメッシュ状態にするとこんな感じ。ただ、メッシュ部分はあまり大きく露出できません。また、残念ながら足側には開放部がなく、正直、全体的に風抜けはイマイチな印象です。
一応、頭側にはベンチレーションもあります。ですが、開いた状態で固定できるバーなどはなく、風を入れるというよりは、最低限の結露防止が目的という感じでしょうか。
そのまま寝るのは辛いので、ファルクラ「エアーマットレス Trek 700 – 52CM」を内部にセット。Hikenture「エアーピロー」もセットすると、ご覧のように内部はもういっぱいいっぱい。
こうして見ると、もはやただのデカめのシュラフといった雰囲気で……ワイルドですね。ワイルドすぎて白眼むきそう?です。
気になる内部は……おお、圧迫感!!
うっすらそんな気はしていましたが、入ってみるとやっぱり圧迫感がなかなかです。
反対に、見上げる空はやたらと大きく、「大地に抱かれている」感はハンパない……。地球を感じます。これは体験したことがない感覚ですね。
組み立てサイズは220×90×50cmと一見ゆったりしていそうですが、端に行くほど低くなるため、身長171㎝の筆者でも足元にあまり余裕は感じられないですね。
筆者は特別肩幅が広いタイプではないのですが、寝がえりを打つには少し肩がひっかかってしまいます。なので、超絶眠たい、すぐさま眠れるというタイミングで中に入るのが正解かも。
もちろん、ランタンを吊るす場所はなく、荷物も貴重品など最低限しか入れられないです。
仰向けになったままグルっと開け閉めできるので、内部からのファスナーの開閉はさほど大変ではありません。むしろ大変なのは出入りそのものな気がします……。
慣れればアリな寝心地かも
実際に中に入ってみて気付いたのは、やはり風抜けが相当悪いこと。夏場の使用はなかなか厳しそうです。
とはいえ、独特の圧迫感は慣れてしまえばそれはそれで快適。温度の問題さえクリアできる季節なら、かえって集中して眠れるかも? という気がしないでもない感じでした。
気になったのはこんなところ
とにかく通気性が低い
これは気になるどころではなく、かなり深刻な感じはします。足元に開口部があれば劇的に空気の抜けが良くなるのですが。それがないために、夏の使用は絶望的です。
また、地面の冷気がダイレクトに反映される設計ゆえ、冬季は断熱性能の高いマット+ハイスペックシュラフが必須に。お安いUL装備で行くには、使えるシーズンがかなり限定されます。
さらに冬場は、シングルウォール構造かつ通気性が低いとなると、結露も非常に心配です。
タープやグランドシートはマスト
耐水性能以前に、荷物が入らない・入口が真上で出入り時は雨が直撃・地面から低く浸水が心配……などの点を考えると、雨天時にこのテントしかない状況は非常にツライ。
なので、タープを張って手持ちグランドシートを敷くのは大前提。でも、そうなると結局荷物が増えるので、装備をUL化したい筆者にとっては、晴天のときしか使えない、あくまでサブポジションのテントという気がします。
防犯面の工夫はマスト
中に荷物を入れるスペースは皆無。となると、外に小型シートを敷いて置き、テントにリュックを結び付けるなどの工夫をしないと盗難のリスクが生じます。
また、チェアや焚き火台などのギアも当然出しっぱなしに。就寝時はチェーンや鍵をつける・センサーライトを置くなど、防犯面での工夫がマストだと感じました。
そもそも、高価なハイスペックギアなど使わない、直火OKの野営地で焚き火台も不要、チェアなんかいらん……! ぐらいのワイルドさが要求されるテントということなんですかね。筆者はまだそこまでのレベルには到達しきれませんでした。トホホ。
Horypt バックパッキングテント
サイズ | 長さ2.2mx幅0.9mx0高さ0.5m |
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重量 | 0.79g |
ツワモノ感を求めるならアリかも?
Horypt「バックパッキングテント」はかなり使い道が限定されるうえ、はっきり言えば快適とは言い難いテントです。しかし「大地に抱かれて眠る」ワイルド感は唯一無二。1泊のソロなら、たまにはこういうのもアリかもしれません。
また、グループキャンプにコレを持って行けば、「なんというツワモノ……!」といったリスペクトも受けられそう( ドン引きされる可能性もあり。自己責任でお願いします)。
気温がちょうど良い秋晴れの日などに、挑戦してみてもいいかも!?