ヘリノックスのコット愛用者が、気になるコットを発見!
ヘリノックスのコットは信頼性の高いコットとして、多くのキャンパーさんに使われている定番コットのひとつ。筆者も普段から愛用しており、携帯性や耐久性の高さに満足しています。
別売りのコットレッグ(脚)を用意すれば、高さをハイ・ローの2段階に調整できるのも気に入っているポイントです。
そんな定番コットと同じく、2段階調整可能な新参コットを発見! それがこちらWHATNOT(ワットノット)の「2wayフォールディングタクティカルコット」です。
コットのサイドにループが連なっている感じも似ていますよね。個人的に2台目のコット購入を検討していて、気になったので入手してみました。
WHATNOT 2wayタクティカルコット
価格はなんと3分の1、一体どこが違うの?
ヘリノックスのコットは、本体+別売りの脚でトータル59,400円。正直家族分、2台3台……と買うには勇気がいる価格です。
しかしワットノットのものは、脚込みで19,800円。およそ3分の1の価格で手に入ります。
比較的安いというだけで大きなメリットとも言えますが、それだけの価格差があると、「品質的にはどう違うんだろう?」というところも気になるところ。と言うわけで、比較レビューしていきます。
パーツに違いはある?
こちらが本題のコット。写真左がヘリノックス、右がワットノットのものです。
基本スペックはこちら
製品名 | ヘリノックス タクティカルコットコンバーチブル | ワットノット 2wayタクティカルコット |
本体サイズ(cm) | W190×D68×H16/38(コットレッグ装着時) | W190×D70×H16.5/37.5 |
収納サイズ(cm) | W56×H16.5 | W60×H19 |
重量(kg) | 2.84(コットレッグ含む) | 3 |
素材 | 張り材素材:ポリエステル フレーム:金属(アルミニウム合金) | 張り材素材:600Dポリエステル フレーム:アルミ(アルマイト加工) |
耐荷重(kg) | 145 | 150 |
ということで、価格差に比例して性能的にも違いがあるのか、まずはそれぞれのパーツを見比べていきます。
収納ケースを比べてみた
収納ケースは、ワットノットの方が一回り大きいです。ヘリノックスの方は、レッグも一緒にコットの収納ケースに入れようとすると、やや窮屈な感じもあります。
それに比べワットノットは、ケースにゆとりがあり出し入れしやすかったです。ただ多少の違いであり、気にするほどのレベルではない印象。重量はどちらもおよそ3kg程度です。
ワットノットの収納ケースには、肩掛けベルト付き!
ヘリノックスの収納ケースは手持ちのみですが、ワットノットは肩掛けベルトがついているので、荷物運びのときに便利ですね。
おまけに収納ケースに面テープが付いており、コットの座面に取り付けることができます。中に着替えの服など柔らかいものを入れれば、枕としても活用できるのは、個性的なポイントですね!
ポールを比べてみた
座面を支える重要なパーツであるアルミ合金製のポール。耐荷重はヘリノックスが145kgに対し、ワットノットは150kgと若干の差が。
脚部のパーツはデザインは異なりますが、構造的にはほぼ同じ。パッと見た感じでは、それほど差が無いように感じました。
ワットノットには、ポールをまとめるベルクロ付き
収納時の脚部パーツの留め具がヘリノックスは輪ゴムで縛られているだけだったのですが、ワットノットはベルクロテープが使われていました。
パーツについて、優劣をつけるほど大きな違いは全くありません。ただ少しだけワットノットの方が気が利いているかな、という印象です。
組み立てのしやすさの違いは?
では、ワットノットのコットを組み立てていきます。ヘリノックスのものと構造も組み立て方法も全く同じです。
まずは座面の生地に通すサイド2本のポールを組み上げていきます。そして、2本のポールを座面の両サイドのループに通していきます。ここで違いが…!
サイドポールの通しやすさは、ヘリノックスが優勢…?
ワットノットは生地の節目のところでいちいちポールが外側に抜けてしまい、ポールの通しづらさを感じました。
ヘリノックスは、この節目のところでポールが抜けにくい構造になっているんですよね。慣れてしまえば気になりませんが、ヘリノックスのものを普段愛用している筆者にとっては、ややストレスを感じるポイントでした。
力の加減に関しては、大きな違いはなし!
2本のサイドポールを通したら、3本の脚を取り付けます。ここでの取り付け方法、力の加減などは、大きな違いを感じませんでした。
コットによっては、設営にかなりの力が必要で扱いにくいものもありますが、両者ともに優秀ですね!
高さをロー→ハイにするときに違いあり!
最後に高さをハイの状態にするために、追加ポールを差し込みます。ここで違いが!
延長脚の取り付けは、どちらもポールを刺しこむという点では同じですが、ヘリノックスは押し込むだけでカチッとロックされ、そのまま引き抜けるのに対して、ワットノットは刺すときも抜くときも「プッシュボタン」を押すタイプ。
このプッシュボタンが固くて押しづらく、ワットノットはやりにくく感じました。組み立てに関しては、ヘリノックスの方がちょっとやりやすいかな、という結果に!
一番重要なのはココ!使用サイズ、寝心地は実際どう?
コットが組み立てが完了したところで、使用サイズの違いを確認。
使用時のサイズの違い!ワットノットは若干幅広
ヘリノックスは、長さ190cm×幅68cm。ワットノットが、長さ190cm×幅70cm。たった2cmの差ですが、ワットノットの方が幅広設計です。
高さは、ワットノットの高さ16.5cm/37.5cm。ヘリノックスが16cm/38cm。0.5cmの違いはあれど、並べて見るとほぼ同じ高さに見えますね。
寝心地の違いは?
さてそれでは、最後に肝心の使い心地、寝心地をチェックしていきます。
写真でも分かる通り、座面のハリ・硬さには結構違いがあり、ヘリノックスは硬めなのに対し、ワットノットは柔らかく、身体が沈み込む感じでした。
とくに座ったときの沈み込みが大きく、お尻がアーチ状の脚部パーツに触れてしまうほど。硬いか柔らかいかは好みによりけりだと思いますが、気になるポイントとしては生地が伸びてしまわないか、という点です。
ヘリノックスはこれまでに何度も使用してきてこの状態ですが、ワットノットは初めての使用なので、繰り返し使うことでさらに生地が伸びてしまわないか、若干不安が残りました。ここら辺は、使用回数の経過をみたいポイントです。
ポケットの使いやすさは、ワットノット優勢!
両者ともにコットのシートにポケットが付いているのですが、結構な違いがあります。
ヘリノックスは、シートの裏側の目で見えない位置にポケットが付いており、使いやすいとは言い難い使用感。実際筆者はこれまで、そこを使う機会は一度もありませんでした。
ワットノットはベルクロを外して垂れ下げて使うことができることに加え、上下2カ所に付いているので、寝る前にポケットの中にある携帯電話や財布、鍵などをサッと気軽に入れて使うことができて便利でした。
比べてみた感想をまとめると
ということで、ヘリノックスとワットノットのコットを比べてみた結果は、以上のようになりました。
オプション的な機能のところでは、ワットノットの方が後発だけあって改良が加えられていて、使い勝手は良い傾向。収納ケースのギミックやポケットなど気が効いています。
肝心のコットの機能としては、ヘリノックスの方が若干使いやすく、張り感の良さと耐久性という点でやはり安心感がありました。
結論!ヘリノックスと比べて価格差ほどの劣化感は無く、コスパ的にはかなり優秀なコットだった
大幅な価格差が気になり行った今回の検証。確かにこれまでに培われた実績も手伝って、ヘリノックスのコットの良さを改めて感じたのは事実。
ただ、3分の1の価格だからワットノットのコットがその価格差分だけ質が低いかと言えば決してそんなことはなく、あえて挙げるなら使っているうちに座面が伸びるかどうかがちょっと心配かな、程度のものでした。
実際、夫婦やカップルで2台必要、など複数台での運用を考えるなら、2万円前後のコットの方が現実的ではありますよね。ワットノットのコットはコスパ重視で考えるなら、充分選択肢のひとつになりうるコットだな、という結果でした。
WHATNOT 2wayタクティカルコット