ヘリノックスが満を持してテント&タープを新発売!
2018年11月16~18日に、昭島モリパーク アウトドアヴィレッジ A&Fカントリーで開催されたヘリノックスの展示会の様子をお届け!
ヘリノックスの母体会社は、韓国の老舗テントポールメーカーDAC社。これまで30年以上に渡り欧米や日本の大手ブランドのテントのポールやパーツを開発し、アウトドアシーンを牽引してきた会社です。
今回お披露目されたテント5種とタープ1種は、そのDAC社の技術とアイデアを注ぎ込んで作られたもの。さらにヘリノックスのラインの中でも特に人気の「タクティカルサプライ」の新作となれば、これは期待しないわけにはいきません……!
まずは現時点で公表可能な新作テントたちを見ていきましょう。
最大の注目は、大型シェルター
今回の発表で最も注目なのが、こちらの「Tac.Field 6.0」。大人4人が悠々と快適に過ごせるスペース(最大幅6m)が確保され、高さも2.5mとかなり開放感があります。
そして驚きなのが、この形状を左右のポール2本で支えているという点です(写真はキャノピーポールを使用時なので5本使用しています)。
その秘密はこの十文字型のポール。メインのポールから左右にポールが伸び、天井の頂点を3ケ所確保することで高い居住性を生み出しています。
左右に伸びるポールにはかなりの負荷がかかっているはずですが、DAC社の堅牢なポールがこの構造を実現。
両サイドをロールアップさせることでさらに高い開放感を味わうことができます。秋冬はフロントを下ろしてこちらを入り口にするのもアリ。
また、フロントだけでなくバックのフラップにもループが付いているので、サブのポールで背面の幕も上げれば屋根の面積がますます広がり、開放感はさらに高まります。
床面積は約18.45㎡。ヘリノックスのチェア4脚とテーブルを置いてもまだまだ余裕があり、その周りを自由に歩き回れるほど。コットや食器棚用のシェルフ、クーラーボックスなど、ガンガン配置できそうです。ベーシックな3人用のテントを置いて、カンガルースタイルにしても余裕があります。
また、シートの中央部分の大部分は遮光性に優れた「PUコーティング」が施された生地を採用。強い日差しが照りつける夏場も快適に過ごすことができます。
ヘリノックス Tac.Field 6.0
ワンサイズ小さなコンパクト版も登場
続いて紹介するのは、Tac.Field 6.0を一回りサイズダウンさせた2人用のシェルター「Tac.Field 4.0」。パップテントのような雰囲気も持ち合わせているので、広めのソロキャンプ用としても活躍しそうです。
Tac.Field 6.0が十文字だったのに対し、こちらのTac.Field 4.0はY字型ポールを採用。フロント部分の幕を下ろしてテントとして使用しても全く閉塞感のない造りになっています。
写真をよく見ると、Yの字が前方に少し傾いているのがわかりますか? これは歪んでいるのではなく、雨水が溜まらないように若干の傾斜をつけている点も注目ですね。
またTac.Field 6.0同様、サブのポールを使えば前後の幕を上げられるので、タープとしても使うこともできる汎用性の高い構造になっています。
Y字ポールの先端を固定するパーツもDAC社製のこだわりのパーツが採用されています。球状の先端をカチッとはめれば固定完了です。
ヘリノックス Tac.Field 4.0
アルプス縦走にも耐えるミリタリーテント
次に紹介するのはこちらのソロテント「Tac.Attack solo」。2本のポールで設営する非自立式のシングルウォールテントですが、山でも使えるよう設計されているため耐風性は抜群です。
より軽く、より強いポールを開発するため社内に秒速45mまで再現可能なタ耐風実験室を完備しているんだとか。度重なるテストを経て開発されたテントの耐風性はまさに折り紙つき。
後部のペグダウンは3ケ所ながら、ポールの角度、独自の生地の縫い合わせ方により生地がピンと張る特殊な造り。
「Tac.Attack solo」のデザインの特徴にもなっている上部のクロス部分。この短い1本のポールが居住空間を広げ、ベンチレーションの役割も担っています。
ヘリノックス Tac.Attack solo
1.5人用のワンサイズ大きいテントも
一回り大きいこちらは1.5人用に設計された「Tac.Attack 1.5p」。3本のポールを使う自立式のシングルウォールテントです。
ベンチレーション部分のポールは2本あり通気性は十分。この、他に類をみない形状に心をくすぐられる人も多いでしょう。
生地については「Tac.Attack」シリーズ両方とも、フライ部分が20デニールの3レイヤー構造ナイロンリップストップ素材で耐水圧5,000mm、フロア部分は40デニールのナイロンリップストップにフィルム加工が施されており耐水圧10,000mmと高スペックを確保。
Tac.Attack 1.5pの総重量は2,210g。シングルウォールテントのなかにはもっと軽いものもありますが、このタクティカルシリーズはミリタリーの要素を取り入れているシリーズとあって軽さよりも堅牢さを重視。登山はもちろんですが、キャンプでも“映え”は十分! 大活躍してくれそうです。
ヘリノックス Tac.Attack 1.5p
しっかりと日を遮る、ブラックPUコーティングのタープ
最後に紹介するのはタープ。こちらにも「Tac.Field」シリーズのテントと同様に、ブラックPUコーティングされた生地を採用しているのでしっかりとした影を作ってくれます。
形はシンプルなレクタ(長方形)型ながら、両サイド5カ所ずつ計10カ所のループを備えており、さまざまなスタイルの張り方で使用することができます。
ヘリノックス Tac.Recta 3.5
新作テントのそれぞれの収納サイズは?
収納時のサイズを見ていきましょう! 左から順に「Tac.Field6.0(W72×D30×H27cm)」、「Tac.Field4.0(W70×D20×H17cm)」、「Tac.Attack 1.5P(W50×D17×H17cm)」、「Tac.Attack Solo(W50×D16×H16cm)」。ソロテントと1.5Pのサイズは、差が1cmほどしかないのは驚きです。
販売時期は?
ご紹介した4種のテントと1種のタープは2019年4月の発売予定。今回ご紹介できなかった「Tac.V-Tarp(¥138000税抜 ※予定価格)」は、2019年9月の発売予定とのこと。
【インタビュー】今回のテントに込めた想い
最後に、取材日に韓国から来日されていたヘリノックス社のスタッフの方々にインタビューできたのでその模様をお伝えします。今回のテントに込めた想いを伺いました。
ディレクター YS Kangさん:DACではこれまで数多くのメーカーのテント用ポールを開発してきました。それは同時に、各メーカーのためにさまざまなテントの形をデザインしてきたのと同意義であると思っています。なぜならポールはテントの骨格そのものだからです。
しかし、DACはポールの会社。テントのパーツであるポールだけでなく、テントを1から10まで作ってみたいという思いがだんだんと高まって、今回発表になったシリーズを作るまでに至ったんです。
たとえば「Tac.Field」シリーズでは、屋根の大部分にブラックPUコーティングの生地を採用しています。これは自社でイチから企画したから作れたものです。メーカーにこのアイデアを提案しても、費用面などの問題もありきっと却下されるかもっと小さい面積になっていたでしょう。
そういう意味で、今回の商品はDACの技術や哲学を結集したものになっていると思います。
デザイナー YM Songさん:「Tac.Field」のシリーズを作るときにまず一番に考えたのは、広い居住空間をどう確保するかということでした。これまで、もっと多くのポールを使う構造のものはあったのですが、今回「十文字」と「Y字」のポールを作り、2本のポールで立てられるようデザインしました。
もう一つは遮光性です。ブラックPUコーティングを多く使っているので、暑い季節には東西の向きに張れば一日中、日差しを遮ることができます。春や秋は向きを変えて、サイドから日の光を取り入れてもいいかもしれません。太陽の動きを気にして使ってみてください。
YS Kangさん、YM Songさんありがとうございました! 唯一無二のポール会社であるDAC社が苦悩の末に作り上げたテント、やはり使ってみたいですね!
今回発表された新作テント&タープたちは、2019年の注目の的になることは間違いなし。早くも来年の楽しみがひとつできましたね。
エイアンドエフ https://aandf.co.jp/