記事内画像出典:Instagram by @maru_grt
【ルームツアー】“外と中の融合”がテーマのリノベマンション
これまでCAMP HACKではアウトドアな情報をたくさんお届けしてきましたが、視点をすこし日常やインドアに落とし込み、日々の暮らしにも新たにフォーカスしていきます。
そこでテーマに掲げたのが「アウトドアな暮らし」。
この連載では、キャンプ道具やアウトドア経験で蓄えた知識を、インテリアや仕事、料理、ファッションなど、様々な形で日常に活かしている方に取材し、そのノウハウを紹介していただきます。
▼同シリーズの記事はこちら
#11は、インテリアのプロの家を拝見
#11となる今回は、インテリアコーディネーターの資格を持つ@maru_grt(maru.)さんのリノベーションハウスにお邪魔します。
子供の独立を機にリノベーション。日常的にアウトドアを感じられる家
プロフィール
- Instagramアカウント:@maru_grt(maru.)
- 職業:インテリアコーディネーター、不動産業
- アウトドア歴:30年以上
- 趣味:キャンプ、車中泊、スキー、登山、料理
- <ROOM SPEC>
- エリア:埼玉県西部
- 住宅形態:分譲マンション
- 居住年数:30年以上(2017年にリノベーション)
- 間取り:1LDK+WIC(もとの間取りは2LDK+S)
19歳の頃に始めたボーイスカウトをきっかけに、アウトドアに傾倒していったというmaru.さん。
大学時代にはスキー部の部長も務めるなど、アウトドアアクティビティに対する造詣も深く、現在はキャンプに登山、車中泊を満喫しているよう。
主人と休みが合えば一緒に行きますけど、基本的にはソロキャンプ。二人で行ったとしても、ギアの好みが違うのでそれぞれのスタイルでキャンプを楽しんでいます
じつは旦那様も別の隊のボーイスカウトだったようで、活動を通して知り合ったふたり。夫婦揃って生粋のアウトドア好きとなれば、やっぱり気になるのはその暮らしぶりです。どのような「アウトドアな暮らし」をおくられているのでしょうか。
窓から見える景色もインテリアのひとつ!
現在の住まいに移り住んだのは、今から遡ること30年ほど前のこと。maru.さんのお子さんが、当時2歳の頃でした。
この辺りにはチャプチャプと遊べるような浅瀬の川があって、当時まだ小さかった子供と遊ぶのにいいんじゃないかって。
そして目の前には、緑豊かな自然林。外の景色もインテリアのひとつだと思っている私にとって、それも物件選びの大きなポイントでした
夫婦ふたり仕様に。ライフイベントに合わせて成長する家。
それまでは、都内のメゾネットタイプのアパートに住んでいたというmaru.さんご一家。子育てしやすい環境を求め、親子で安心して暮らせる“優しい自然”に恵まれたエリアに拠点を移し、お子さんはすくすくと成長。そして、立派な社会人に。
子供の独立を機に家のあり方を見直し、 “夫婦ふたり仕様の家にしようか”とリノベーションすることにしたんです
2017年に生まれ変わった、新たな住まい。アンティーク好きなmaru.さんが大切に収集してきた古家具たちがチラホラと顔を覗かせます。
今まで集めてきた家具たちが気持ちよく暮らせるような空間にしたい。まずはそうやってイメージを固めていきました
“古いもの”を生かした、温故知新な家づくり。
もともと2LDKだった間取りは、部屋を遮る壁を取っ払うことで1LDK+WICに変更。明るい光と空気が循環する、開放的な空間へと一新されました。
内装は、私がよく行くアンティークショップ「REFACTORY antiques(リファクトリー アンティークス)」さんに依頼しました。
というのも、ここにある古家具は、そのほとんどが「REFACTORY antiques」さんで購入したもの。家具たちのことを一番わかっているお店に、内装をお願いするのが良策かなと思いまして
内壁には、そんな「REFACTORY antiques」の店主と塗装屋さんが相談を重ね調合した、オリジナルの塗料が使われています。
真っ白にも見えるけど、見方によってはちょっとグリーンがかっても見える。ただの真っ白だと光が跳ね返ってきて目にちょっときつかったりするので、そんなことも考えられた優しい色味です。もちろん家具との相性も良く、すごく気に入っています
「今まで集めてきた家具たちが、気持ちよく暮らせるような空間にしたい」。彼女がいう“家具たち”は、ファニチャーだけではありません。リノベーション前に使われていた建具にも新たな息吹が吹き込まれました。
新品のものだけじゃなくて、古いものも中に取り入れる。これはリノベーションする上でいちばんこだわったポイントです。
例えば寝室にある格子窓は、もともと障子戸だったもの。解体時に“これは取っておいてください”とお願い、自分で白いペンキを塗ってリメイクしました
リビング全体を見渡せる、開放的なキッチン
動線をたっぷりと取った、開放的なキッチンもmaru.さんのこだわり。
リノベーション前は閉塞的な独立型のキッチンだったので、このようなオープンキッチンにはずっと前から憧れがあって。アイランドだと場所をとるので、片側だけ壁にくっついたペニンシュラキッチンを採用しました
インダストリアルのかっこいいキッチンにしたいっていうのがあったので、素材はステンレス一択でしたね。
ステンレスキッチンは業務用としても使われるぐらいですから、もちろん多少の傷はつきますけどタフですし、熱いものにも強いので鍋などをそのまま置けて便利です
リノベーションによって見直した、アウトドアギアの活かし方
ひとり息子の独立。その寂しさを紛らわすように取り掛かったリノベーションでしたが、“自分時間”を十分に確保できるようになったとき、「好きなインテリアとアウトドアを、まさに楽しめる準備ができた」とも思ったそう。
その頃、私はインテリアコーディネーターの資格をとり、好きなインテリアとアウトドアを、まさに楽しめる準備が整ったっていうか。
ここから思い切り、自分の好きなことを楽しむぞ!って思ったんです。好きな空間を、好きなように使う。それで、趣味のキャンプギアをただ仕舞うだけでなく、インテリアとして取り入れようと……
火が恋しくなったら灯したりもしますけど、こういったレトロなランタンは照明としての実用性よりも雰囲気づくりに向いていますよね
十分に注意しながら、家ではオイルランタンを楽しむこともあるというmaru.さん。上写真以外にも複数のランタンを所有し、なかには旦那さん愛用のヴィンテージランタンもインテリアとして飾っているよう。
リビングのテーブルやチェア、そしてラグもよく見るとアウトドアブランドのもの。
テーブルはDODの「キャナリーテーブル」。天板に濃いめのオイルを塗ってリメイクしています。
チェアはヘリノックスの「コンフォートチェア」で、脚に「ロッキングフット」を装着しているのでリラックス効果も抜群です。
ペンドルトンのラグは、インテリアのアクセントに効果的な柄ものですが、ブラックを基調にしているので部屋の雰囲気をグッと引き締めてくれますね
インテリアのプロに聞いた。失敗しない、アウトドアな家の作り方とは?
最後に、インテリアのプロであるmaru.さんに「すぐに真似できる、アウトドアなインテリアの作り方」を聞いてみました。
やっぱり配色のバランスは大事ですね。色を多用しないっていうか。私の場合は壁の白と、古材・床材の茶がベースで、アースカラーのグリーンや引き締め効果のある黒をアクセントとして取り入れています。
その人の好みにもよると思うんですが、このような感じで4つのカラーをメインにしていくといいと思います
アウトドアな暮らしの肝は、配色にあり!
華やかなギアも、アクティブな印象がして素敵ですが、インテリアに取り入れやすいのはやっぱり“渋め”なデザインに軍配が上がりそうです。
昨今、自然を感じさせるアースカラーがキャンプ業界ではトレンドでもありますし、もしかすると皆さんが所有するギアも、家に並べてみたら「意外としっくりくるぞ!」と、インテリアに馴染んでくれるアイテムもあるはずです。
ぜひ皆さんも、maru.さんが教えてくれた”4つの配色”を意識して、「アウトドアな暮らし」を実践してみては?
EDIT&TEXT:GGGC