寝心地の良さを追求した新発想のハンモック
そのハンモックというのが、こちらの「焚火ハンモック」。木にくくりつけて使うツリーハンモックタイプで、独自のV字フレームを使うことにより快適な寝心地を追求した、とのこと。
また、フライシートや就寝部分にはTC素材が使われているため、火の粉に強い構造になっているようです。
果たして、一般的なツリーハンモックと比べてどのような違いがあるのか、実際に設営しながら検証していきたいと思います。
テンマクデザイン 焚火ハンモック
いざ、実践レビュー!
内容物一式はすべて専用ケースに入っていて、TC素材ということもあり総重量はなんと6kg越え。ケースの状態だと、まるでテントのようなボリューム感があります。
ケースには、ハンモック本体、フライシート、V字ポール、フレームポールが入っています。テンマクデザインの人気幕「サーカスTC」と同じようなアウトドアに馴染むサンドカラーで、同ブランドらしい雰囲気となっていますね。
木に取り付けるストラップは付属せず……
設営時に木にくくりつけるためのストラップは付属していないので、別途用意する必要があります。
わざわざストラップを別に買うのは手間ですし、初心者の場合、どのようなストラップを用意すればいいのかわからないこともあるので、ストラップは付属していて欲しかったなぁ、というのが率直な感想。
今回は筆者が所有しているハンモックのストラップを使いましたが、ストラップ単体でAmazonなどで購入することもできます。
ハンモックベルト ハンモックストラップ 2本セット バッグ付き
樹木へのケアも忘れずに!
木の表皮にダメージを与えてしまわないように、先に保護カバーを巻き付けてからツリーストラップを取り付けます。今回は、スラックラインなどを扱っているギボンのツリーウェアを使用しました。
GIBBON ツリーウェア【日本正規品】
設営してみて感じたこと
手順その1:V字ポールを入れる
準備ができたところで、設営にとりかかります。まず、木に取り付ける前に2種類のポールを装着する必要があります。最初に装着するのは寝心地の肝となるらしい、2本のV字ポール。
V字型に曲がっているのでかすんなりとは入らず若干手こずってしまいましたが、幕を手繰りながらグイグイと押し込んで、なんとか通していきます。
端のところにポールを固定するための面ファスナーがあり、ここをしっかりと締めてポール抜けを防ぎます。
締めが弱かったのか、気づいたらポールが飛び出てしまっていたことがあったので、ズレないようにしっかりと締めましょう。
手順その2:アルミポールを本体に通す
続いてメッシュを広げるための2本のアルミポールを通していきます。こちらのポールはとくに力を入れるまでもなく、すんなりと取り付け完了。
手順その3:木から伸びるストラップに取り付け
すべてのポールを通し終わったら、木にくくりつけておいたツリーストラップと繋いでハンモックを吊っていきます。普通のハンモックであればポールを通す必要は無く、ストラップで木にくくりつけるだけなので、その工程が丸々余分にあるため、手軽さという点では普通のハンモックに分がありますね。
また、筆者が普段使っているのは約200gの軽量ハンモックなので、約6kgの重さというのが何をするにも重く感じられました。
手順その4:地面からの高さを調整する
ストラップの長さを調節しながら、座って足がつく位置にハンモックを設置します。
木が細すぎると傷めてしまったり、場合によっては折れてしまうこともあるので、直径50cm以上あるしっかりした木に取り付けるようにしましょう。
ハンモック自体の耐荷重は約100kgなので、通常の使用であれば落ちてしまうようなことはまずありません。以上でひとまずハンモックの設営は完了です!
細部をチェック!
メッシュパネル
ここからは、設営した状態で細部の機能をチェックしていきます。まずは本体上部のメッシュパネルから。
メッシュは両側を開くことができて、どちら側からでもハンモック内にアクセス可能。開いたパネルがヒラヒラしないようにまとめるための、テントによくあるトグルが付いています。
パネル脇には小物類を収納するためのポケットが配置されています。寝袋のカバーや、ポケットから取り出した携帯電話や財布などをサッと入れておけるので、このポケットは思った以上に役に立ちます。
出入口の他に、前後両サイドのメッシュも開放することができ、そのスペースにも手荷物を置いておくことができます。
普通のハンモックだとこういったポケットや収納スペースはあまり無いので、これらの点についてはとても気が利いているなと感じました。
メッシュシェルターの天井部分にはデイジーチェーンが標準装備されており、カラビナなどでランタンのような小物の吊り下げが可能。
アルミポールのお陰でシェルターには張りがあり、思いのほか色々なものを取り付けられました。写真は人気LEDランタンの「ゴールゼロ」ですが、もっと重いものでも吊るせそうでした。
マットを入れるための底部ポケットを完備
ハンモックでは寝心地の向上と防寒のために、身体の下にマットを敷いて寝るのが一般的。この「焚火ハンモック」はなんと底の部分が二重構造になっていて、そこに差し込むことでマットスムーズにセットできます。
ちなみに、折りたたみ式のクローズドセルマットだとポケット内部で折りたたまれてしまいうまく差し込めませんでした。エアマットやインフレーターマットの使用を推奨します。
実際に横になってみた
細かい機能の確認が済んだところで、いよいよ横になって肝心の寝心地のチェックをしていきます。
身長180cmの筆者が横になると、頭と足先がかろうじてメッシュに触れないぐらいの寸法でした。身長180cm以上の方だと、身体を真っ直ぐにして寝るのは無理そうです。
アルミポールでメッシュが持ち上げられているため、内部の空間にはかなりゆとりがあり広々。メッシュのなかで上体を起こせるぐらいの余裕がありました。
ドアパネルが大きく開くため、出入りするときや座って過ごす際もメッシュが干渉せず快適。
ちなみにハンモックの下側はTC素材ですが、上側半分はメッシュで火の粉に弱いので、この状態では焚き火をするうえでのメリットはあまり感じられません。
肝心な寝心地についてはと言うと……
さて、寝心地に話を戻しまして、通常のツリーハンモックだと上記写真のように重いお尻の部分が下がり、中心に向かって上下左右ギュッと圧縮されるような感じになるのが普通です。
それが不快というわけではありませんが、身動きをしたり、寝返りをするというのは若干制限があります。
また、体を傾けるなどしてバランスを崩すと、たまに落ちてしまうこともあります。実際に筆者の体験として、別のハンモックで子供が遊んでいる際に何度か落ちる、ということがありました。
一方、本作「焚火ハンモック」の場合、V字ポールが幕体をしっかりと支えてくれているため、広げた布の上に横になっているような感じで締め付けが少なく、お尻の落ち方も控えめでした。
リラックスして広々と寝ることができ、その点は普通のハンモックと比べて大きな違いを実感。「安眠を追求した」というだけのことはあり、かなりの寝心地の良さでした。
また、幕のうえで左右にゴロゴロ動いてもバランスが崩れず、マットの上で寝ているかのような自由度の高さ。肝心の寝心地に関しては、コンセプト通りとても心地良く、快適に過ごすことができました。
フライシートを付けてみた
寝心地のチェックが終わった後は、フライシートを取り付けてみます。フライシートも全てTC素材ということもあり、ここでも改めて生地の重さが気になってしまいました。
メッシュの上にフライシートを被せて12ヶ所をバックルで留めるだけなので、手順は簡単。迷うことなく取り付けられます。
メッシュと同じようにフライシートにもドアパネルがあり、そこから中へアクセス可能。
暗く、まるでミノムシの気分
フライシートを付けた状態だと遮光性が高く内部は暗くなるため、より一層安眠することができそう。夏場は冬に比べ日の出時刻が早いですが、これなら日の出後もぐっすり眠っていられそうですね。一方寒い時期は防寒としての効果も期待できます。
また、この状態であれば火の粉によるダメージも軽減されるので、安心して焚き火を楽しむことができます。
ちなみにこのフライシートは雨は防げないそうなので、天候が崩れそうな時は、別途タープのご用意を。
ロープでフライシートを吊り上げることも可能ですが……
ちなみフライシート上部には、生地の重さでフライが弛んで室内空間が狭くならぬよう、お手持ちのロープを通して吊るせるようになってますが、アルミポールにしっかり支えられて弛まないので、ロープを通す必要性は感じませんでした。
【まとめ】手軽さを犠牲にして快適さを得たハンモック
公式HPなどで謳われている通り、寝心地という点ではたしかにこれまでのハンモックには無い快適さで、ぐっすりと安眠できそうな印象。また室内空間が広く、まるでテントで過ごしているかのような使い勝手の良さも感じられました。
ただ一方で、収納サイズが大きく重いため、ツリーハンモック本来の手軽さや持ち運びのラクさという要素は皆無。バックパックキャンプなどのスタイルを楽しむことはできず、オートキャンプでの使用が前提になりそうです。
「快適なハンモックキャンプを追求するんだ!」という方や、「冬キャンプでも絶対にハンモックで寝たいんだ!」という方にはおすすめできる良品ですので、気になった方はぜひ購入を検討してみてください!
テンマクデザイン 焚火ハンモック
「焚火ハンモック」の公式ホームページはこちら
✔️こちらの記事もチェック