反射板・風よけとして活躍する「焚き火リフレクター」
メラメラと燃えさかる焚き火。キャンプの醍醐味は何と言っても炎の前でのくつろぎタイムですね。でも、気温が低かったり風があると着火に手間取ったり、なかなか炎が安定せず、焚き火料理に苦労することも。
そんなときにオススメなのが、強力な助っ人「焚き火リフレクター」です。焚き火の効果を最大限に活かしてくれる便利アイテムです。
焚き火リフレクターの効果・使うメリットは何?
「焚き火リフレクター」は、焚き火の熱や明かりを反射し、風を避けて炎の勢いを保ち、より効率的に暖を取ったり、安定した火力で調理することができます。
別名「ウインドスクリーン」「陣幕」とも呼ばれている
焚き火リフレクターは、風防の役割を果たすので「ウインドスクリーン」と呼ばれたり、戦国時代の将軍が“かがり火”の燃えさかる陣地を囲った幕にも似ているため「陣幕」と名がついているものもあります。
焚き火リフレクターの種類と選び方
焚き火リフレクターは「金属製・布製」の2種がある
焚き火リフレクターには、写真のような「金属」のものと「布」で作られているタイプの大きく2つがあります。購入を検討している場合は、この素材選びが肝です。
筆者はどちらのタイプも所有しており、それぞれの特徴から天候や交通手段によって双方を使い分けしています。
金属タイプは「焚き火の熱・明かりの反射板」用途で使いたい人向き
金属タイプの最大のメリットは、その名の通り“リフレクター=反射”の効果が大きい点。布製のものと比べ、熱や炎の明かりをしっかり反射すると同時に、火の粉があたり穴の開く心配もないためガシガシ使える魅力があります。
設営に関しては、連なった金属板を広げ、地面と本体に付属している固定用リングをペグ で固定するだけと簡単!
布タイプは「目隠し・風よけ」用途で使いたい人向き
肉厚な帆布やT/C素材で作られている布タイプ。最大のメリットは、サイズ・カラー展開の多さ。キャンプサイトの一辺を覆うものから、焚き火台周りを囲む小ぶりサイズまで様々あり選べる自由度の高さが魅力。
ポールとガイロープによる設営に多少手間がかかるものの、その分リフレクター本体の上部・下部をしっかり固定するため耐風性にも優れています。
用途にあわせた素材選びができたら、次は大きさを確認しましょう。
大きさは「焚き火台の高さ+30cm以上」のものを選ぼう
例えば定番焚き火台ユニフレーム「ファイアグリル」の場合、大体幅120cm前後、高さ60cm程度あれば焚き火リフレクターの役割を果たしてくれます。(ファイアグリルの本体高は33cm。)
焚き火リフレクターの高さは、薪をくべることを考え手持ちの焚き火台の本体高に対し、「+30cm」ほどの高さがあると安心でしょう。これは一般的に販売されている薪の長さ(約30cm程度)を考慮した大きさです。
目隠しとして使用したい場合は、より高さのあるものを使うと◎。筆者は写真の設置時に高さ70cm以上になるものをソロキャンプで使用しています。テントの出入り口の目隠しにも役立ってくれていますよ。
Perfectgoing 焚火陣幕 焚き火リフレクター
【金属タイプ】おすすめ焚き火リフレクター3選
ここからは素材別におすすめの焚き火リフレクターをご紹介します。
【高さ40cm】ヨーラー 「ウインドスクリーン」
ヨーラー ウインドスクリーン 40cm
【高さ45cm】キャプテンスタッグ 「2way ウインドスクリーン L」
約93×高さ45cmとやや小柄なウインドスクリーン。厚さは6mm、両端に土に差して固定するピンが付属します。
「2way」の所以は、風よけとしてだけでなく、BBQグリルなどの下に敷いて灰受けとしても使える一石二鳥な仕様から。ステンレス製でサビにも強く、耐久性も高い作りです。
キャプテンスタッグ 2wayウィンドスクリーンL
【高さ60cm】VIAGGIO 「ウインドスクリーン」
内側は亜鉛メッキ、背中側はブラックに塗装されたスタイリッシュなウインドスクリーンです。サイズは幅約122×高さ60cm。
ユニークなのは固定方法。L字金具とペグが同梱されており、金具を底面に取り付け、穴にペグを差せばOK。組み立てにひと手間かかりますが、しっかり地面に固定できます。
VIAGGIO ウインドスクリーン
【布タイプ】おすすめ焚き火リフレクター4選
【高さ70cm】バンドック「焚き火リフレクター」
バックパック・徒歩キャンパーにおすすめ! 総重量700gと圧倒的な軽さのバンドック「焚き火リフレクター」。
コットン100%にアルミ合金のポールを採用することで携行性の高い逸品です。収納サイズも約43×7.5×7.5cmとコンパクト。
バンドック 焚き火リフレクター
【高さ101cm】ロゴス「TAKIBI de JINMAKU-BA」
一番の特徴は布地の素材。500度の耐熱温度を誇るグラスファイバー製生地の裏表に、シリコンをコーティングを施し、強度をアップ!
展開サイズは幅90×奥行90×高さ101cmとやや大型。ヘビーデューティーな作りの幕と、ポールが頑丈なスチール製のため、重量は重めで約2kgあります。
ロゴス TAKIBI de JINMAKU-BA
【高さ90cm】フィールドア「焚火スクリーンT/C 220」
軽量で遮光性・遮熱製に優れたT/C素材を幕体に使用した「焚火スクリーンT/C 220」。防カビ・撥水加工済みで、布製ながら急な雨でも水を弾いてくれます。
ポール4本タイプでしっかり設置でき、風を避ける範囲も広め。ポール先端は土に突き差しやすい形状で、設営のしやすさもピカイチ。幅220cm、高さは74cmです。
フィールドア 焚火スクリーンT/C220
【高さ90cm】クイックキャンプ 「焚火陣幕-大焔 」
最大幅約310cm、高さは90cm、コットン100%の大型陣幕です。カラーは3色から選べ、がっしりしたアイアンフレームには焚火ギアを掛けることができる仕様。
重量は約9.2kgあるので、クルマ移動を前提としている方向きです。
クイックキャンプ 焚火陣幕-大焔
【検証】焚き火リフレクターの有無で、温度はどう変わる?
選び方やおすすめモデルをご紹介してきました。ここからは、焚き火リフレクターの実力を検証します。
決してキャンプの必需品というわけではありませんが、この効果を見ると備えておいて損はないと思えるかもしれません。
【金属タイプ】キャンプグリーブ「大型風防板」を使って調査
筆者の愛用する焚き火リフレクター、キャンプグリーブの「大型風防板」を使って、熱の反射効果を探ってみます。
高さ30cm〜80cmまで、10cm刻みでサイズ展開されているモデルです。筆者は高さ50cmモデルを使用。重量は約1.6kg、キャリーケースに入れて持ち運べるギリギリのラインです。
キャンプ グリーブ 大型風防板
リフレクターあり
リフレクターの有無で、どれだけ温度が違うか測ってみましょう。焚き火台の背後にリフレクターを立て、焚き火台から50cm離してクマのぬいぐるみを置きました。
赤外線温度計で測ると、クマのお腹の温度は43.9 ℃でした。かなり暖かです。
リフレクターなし
リフレクターなしではどうでしょうか?
リフレクターがないと、クマのお腹は28.4℃までしか上がりませんでした。
リフレクター有無の温度差は、15.5℃も!
リフレクターがあると焚き火台から得られる体感温度も大きく違ってきますね。冷え込む秋冬シーズンに備えておくと心強いでしょう。
ちなみに、リフレクター自体の温度はどうか?
焚き火の中心部の温度は約500℃。
試しにリフレクターの裏側を測ってみると、5.0℃です! このときの外気温は4℃でしたから、ほぼ気温と変わらない結果に。
リフレクター自体はさほど高温にならず、しっかり熱を反射していることが分かりますね。この結果には驚きました。
焚き火リフレクターの真骨頂は、熾火になってから!
検証後、熾火になるまで焚き火を楽しみました。風をさえぎり、熱が向こう側に逃げないので、びっくりするほど火が持つんです。
荷物の都合で高さ50cmのモデルを購入しましたが、手持ちのソロ用焚き火台とローチェアにジャストでゆっくりと焚き火を満喫できました。
風を避けてぬくぬく!焚き火リフレクターをぜひ使ってみて
まだまだ冷たい風の吹く季節の変わり目。焚き火リフレクターを導入したことによって、キャンプの楽しみが増しました! リフレクターに囲まれることでプライベート感も増し、薪の燃費も良好。この幸せなぬくぬく感をぜひあなたにも体感して欲しいです。
布製リフレクターに金属製リフレクターを重ね、大幅な風よけと火の粉への強さを手に入れる裏ワザもオススメです!