焚き火には薪割りが付き物。でも、斧や鉈は使いたくない……。
キャンプの大きな醍醐味の1つ、焚き火。そんな焚き火を楽しむのにマストなのが、”薪割り”です。
けれど、斧や鉈、ナイフなどの刃物を使った薪割りは、初心者にはなかなかハードルが高く、子どもに体験させたいときなども安全面に不安が残ります。
子どもや力のない人でも簡単に薪割りできる「キンドリングクラッカー」などの道具もありますが、UL派にはなかなか厳しいサイズ。そもそも斧や鉈自体も、UL派にとっては嵩張るツールの1つです。
実は、そんな薪割りツールに悩めるキャンパーにおすすめしたいアイテムがあるんです! それが“くさび”です。
斧や鉈ナシで薪割り完了?!「くさび」ってどんな道具?
薪割りのハードルをグッと下げてくれる便利ツール「くさび」。今回は、このくさびについて、詳しくご紹介していきます!
くさびの使い方
くさびとは、ちょうどドアストッパーのような形状の、先の尖った金属製のツール。使い方は至極カンタン。薪に先端を当てたら、ハンマーで打ち込むのみ。
ハンマー・くさびの自重+叩く力でめり込んでいくので、固い薪もパッカーンと気持ちよく割れるんです。
ただし、太い丸太を割る場合、1本のくさびだけを真ん中に打ち込むと、薪が割れずにくさびが突き刺さったまま取れなくなってしまいます。
太い丸太の場合は、画像のようにくさびを2本セットで使い、交互に打ち込んでいくよう注意しましょう!
くさびを使うメリット
斧や鉈、ナイフなどの刃物に比べると、触れたら手を切るような鋭利さがなく、斧のように大きく後ろへ振りかぶる動作も必要ないので、安全かつより軽い力で薪割りが可能に。
また、ペグハンマーと薪割り用ハンマーを兼用すれば、小さなくさびだけ携行すればよく、UL派にもピッタリ。
さらに、固い広葉樹や節のある木、繊維質な木など、斧や鉈で歯が立たない薪もくさびを使えば割ることができます。
くさびの選び方
薪割り用のくさびは、大きく分けて「ストレート」と「ねじり」の2種があります。
ストレートは、シンプルな角錐型や円錐型で、細長い縦割り薪を作るのに向いています。ねじりが施されたタイプは割り裂く力に優れ、よりパワフルに繊維を引き裂きます。
また、どちらのタイプでも刃先が薪に食い込みやすい形状でないと、なかなか薪が割れないので、先端の形状も要チェック。
薪割り用のくさびは金属製のものが多く、鋼鉄製やステンレス製などがメインです。特に、ハンマーの材質との組み合わせには注意が必要です。どちらも鋼鉄製の場合、打ち込む際に火花が発生するので、顔や手を保護するゴーグルや手袋が必要になってきます。
おすすめのくさび5選
くさびについての理解が深まってきたところで、ここからはいよいよおすすめのくさび5選、ご紹介していきます!
①ドベルグ「クサビ」
素材の硬度を高める硬化熱処理を施した鋼材を使用し、耐久性にこだわったアイテム。先端にかけてスリムになるホローグラインド形状により食い込みやすさも追求。固い広葉樹もしっかり割れます。
鉄工職人の工具から着想を得た握りやすいグリップ形状や、角の丁寧なバリ取り処理など、ディティールにもこだわりが光ります。
DVERG公式オンラインストアはこちら
②尾張の大うつけ「先鋒(スタンダードモデル)」
創業50年の老舗金型メーカーが立ち上げたガレージブランド「尾張の大うつけ」による注目アイテム。ステンレス「SUS303」を使用し、サビに強いくさびを実現しました。
グリップ部分は、革職人が一点ずつ手縫いで仕上げたベジタブルタンニンレザーでカバー。手に馴染んで握りやすく、経年変化でさらに艶やか&なめらかに育っていきます。
尾張の大うつけ公式オンラインストアはこちら
③グレンスフォシュ・ブルーク「薪割り楔(Splitting Wedge)」
1902年から斧を生産するスウェーデンの老舗鍛鉄メーカー「グレンスフォシュ・ブルーク」のアイテム。鍛錬された鋼鉄製のくさびで、ネジリ加工により割る力を強化。
両面に施された溝は、薪に食い込んで取れなくなるリスクを軽減。打面の縁には研磨処理が施され、あたりも滑らか。本革ケース付きで携行しやすいのも魅力です。
グレンスフォシュ・ブルーク 薪割り楔
④TRIPATH × myX 別注「TW-KUSABI クサビ」
横浜のアウトドアショップmyX(マイクス)が「TRIPATH PRODUCTS(トリパスプロダクツ」に別注をかけた話題のアイテム。
強度の高い20mmもの鉄板をレーザーで切り出し、トリパスブロダクツならではの技術が結集したくさびです。後方に大きく空いた穴は紐など通せるだけでなく、薪に食い込んでしまったときにペグなどを使って取り出す際にも便利です。
⑤ファイヤーサイド「ネジリクサビ」
テーパーがかかったボディとねじりの角度により、割り裂く力が優れたくさび。パワフルに繊維を引き裂くので、斧では割れない手強い薪にも大活躍。
楔頭がワイドなデザインで、ハンマーのあたりが良いのもポイントです。本記事中最も重い2kgの重量があるので、やや力のある人向きのくさびです。
ファイヤーサイ ねじりクサビ
くさびと相性がいいハンマー
最後に、くさびで薪割りする際に相性のいいハンマーをご紹介! 打面の材質や衝撃吸収性能など、自分にフィットするハンマーを探してみましょう。
ファイヤーサイド「ストライカー」
片口タイプの先切り金槌。両口タイプに比べて、テイクバックからダウンスイングへの切り替えがスムーズ。体力に合わせて、ヘッド重量が600・800・1000gの3種類から選べます。
ファイヤーサイド ストライカー 600
ファイヤーサイド ストライカー 800
ファイヤーサイド ストライカー 1000
大五郎「石頭ハンマー」
手に馴染む洋樫材を使用した両口ハンマー。ヘッド部分の重さ別に何種かラインナップされているので、使う人の力に合わせて選べます。
大五郎 石頭ハンマー 1.1kg
大五郎 石頭ハンマー 1.5kg
ハルダー「ショックレスハンマー 」
ヘッド内部に細かい鉄球が入った構造で、打撃時の反動を吸収するショックレスハンマー。打撃力はしっかりくさびへ伝わり、手首の負担が軽減。打撃面の素材が樹脂なので、鋼鉄製のくさびでも火の粉が飛びません。
ハルダー ショックレスハンマー ヒッコリー製ハンドル 径50
ハルダー ショックレスハンマー スティール製ハンドル 頭径50mm
M&M「ショックレスハンマー 1.5P」
こちらもヘッド部分に鉄球が入ったショックレス構造のハンマー。よりシンプルなデザインで、リーズナブルな価格が魅力です。
M&M ショックレスハンマー1.5P
くさびを使って、もっとストレスフリーな薪割りを楽しもう!
より安全かつ軽い力で薪割りができて、コンパクトに携行できるくさび。鉈や斧で割れない手強い薪も割ることができ、初心者や子どもだけでなく、ベテランキャンパーにもおすすめのツールです。
この記事を参考に、あなたもぜひ、くさびでもっとストレスフリーな薪割りを楽しんでみてくださいね!