キャンプの石油ストーブに、新興勢力現る!
そのストーブというのがこちら、韓国のブランドPASECO(パセコ)の対流形石油ストーブ「WKH-3100G」。同じ韓国のメーカーで数年前から出回っている人気のストーブ「アルパカストーブ」とどこか似た雰囲気。
ちなみにPASECOのこのストーブ、なんとアルパカストーブよりも1万円ほど安いという驚きの価格設定!
そこまで価格差があると、「何か機能的にも大きな違いがあるのでは?」と気になってしまった筆者。2つのストーブをじっくりと比較してみることにしました。
「PASECO」ってどんなブランド?
ちなみに日本ではまだ馴染みの薄い「PASECO」。今後、新定番として愛され続けるであろう海外では名の知れた実力派のブランドなんです。
両者の基本スペックをチェック
今回比較するのは、最新モデルの「newアルパカストーブコンパクト」(以下略アルパカストーブ)とPASECOの「WKH-3100G」という2つの石油ストーブ。まずは基本スペックから見てみましょう。
製品名 | newアルパカストーブコンパクト | PASECO WKH-3100G |
税込価格(円) | 27,390円 | 18,999円 |
出力(kW/h) | 3.0kW/h | 3.0kW/h |
サイズ(cm) | 直径35.0×高さ40.5cm | 直径32.5×高さ46.6cm |
重量(kg) | 6.6kg | 5.3kg |
燃焼時間(時間) | 10時間 | 18時間 |
タンク容量(L) | 3.7L | 5.3L |
収納ケース | 付属あり | (別売り:価格3,850円) |
やはり際立っているのはその価格差。アルパカストーブは3万円近く、他のストーブと比べても決して高い設定ではないんですが、PASECOはなんと1万円台!
ちなみに暖かさの基準となる暖房出力は、どちらも3kW/hと同等。どちらもサイズがコンパクトな割に、比較的出力が高いというのも魅力です。
それでは、色々な要素を詳しく比べていきましょう。
newアルパカストーブコンパクト
PASECO WKH-3100G
石油ストーブ選びで気になるポイントを比べてみた!
実際にキャンプで使う時に、意識しておきたい目線で比べてみました。
サイズは? アルパカストーブの方がコンパクト
まずは積載・運搬に関わる、サイズから。直径はほぼ同じ寸法ですが、アルパカストーブの方が高さが6cmほど低いので携行性◎。若干の差ではありますが、車高が高くない車に積載する時にはアルパカの方が積みやすそうですね。
重量は? PASECOの方が1kg以上軽い
重量に関しては、どちらもそれほど重くなく、片手でヒョイっと持つことができますが、PASECOの方が1kg以上軽いのでさらにラクに運べます。
ただ、灯油タンクの容量に違いがありPASECOの方が燃料が多く入る作り。燃料が満タンの状態だとほぼ同じ重さになります。キャンプでは持ち運びが前提なので、重量については意識しておきたいですね!
給油方法は? どちらも大きな違いはなし
続いて使用方法について。どちらの給油口も、ホームセンターなどで販売されている給油ポンプがギリギリ入るサイズ。
ちょっと太いタイプのホースだと入らないので、ジョウゴが必要になります。使い勝手に大きな違いは感じませんでした。
点火方法は? どちらも大きな違いはなし
点火方法も同じで、ワンタッチ式ではなく芯に直接火を点けるタイプです。
点火方法に、大きな違いは感じませんでした。
燃焼時間は? PASECOの方が持久力あり!
この点は、キャンプで使う上では重視しておきたい要素の1つ。アルパカストーブはタンク容量が3.7Lと少ないため、燃焼時間も約10時間と短め。1泊キャンプでも予備燃料無しだとちょっと物足りない時間です。
PASECOはタンク容量が5.3Lと多いため、それに比例して燃焼時間も約18時間としっかり長め。1泊キャンプ中、ほぼ点けっぱなしておける長さです。
付属品に違いアリ! だがしかし、PASECOはトータルでみてもお買い得!?
アルパカストーブには写真のような立派な専用ケースが付属しています。それに対し、PASECOはケース無し。価格差の大きな違いはここにあるのでは? と感じたのも束の間……
なんとPASECOは、別売りで収納ケースが税込3,850円という破格で販売されています! (但し2021年11月25日現在品切れ中)
PASECOは、本体とケースをあわせても20,790円という結果に。アルパカストーブと比べ、およそ1万円もお安く手に入ってしまいます。コスパ面で考えると、やはりPASECOが優勢ですね!
天板の使い勝手が気になる!調理はできる?
筆者が個人的に気になった!外炎筒から天板までの距離が結構違うぞ……
ちなみに色々と見ているうちにふと気になったことがありまして、それは外炎筒から天板までの距離。
そもそもの高さが違うからというのもありますが、PASECOはアルパカストーブに比べて、天板が外炎筒から離れています。その点に関してどうなんでしょうか。
早くお湯が沸騰するのは?比べてみた
一度気になってしまったら、そこはもう確認してみるしかない! というわけで、天板に水を置いて沸騰するまでの時間に差があるか、という実験を行ってみることにしました。
シェラカップに200gの水を入れて、それぞれストーブの上にセット。タイマーで時間を測ります。
載せてからわずか2分ほどで、アルパカストーブのカップの中には水が温まることで発生する気泡ができ始めました。
同じタイミングでのPASECOの方は、まだとくに見た目の変化はありません。
開始から8分が経過。アルパカストーブの方は、もう沸騰していると言ってもいいぐらい、気泡がたくさんできていました。
一方で、PASECOはやっと気泡ができ始めた程度。
開始から15分ほど経って、やっとPASECOの方も沸騰に近い状態になりました。ほぼ沸騰した状態になるのに、PASECOはアルパカの倍近い時間がかかりました。
ということは天板の温度にも大きな違いがある、ということを意味していますね。PASECOストーブは沸騰させるのは時間がかかるため、できあがった料理を保温しておくのに適していると言えるでしょう!
とは言え、実は……こんな注意点が!
こんな実験をしておきながら、ここで大前提の話に戻ります。PASECOはストーブの天板を使って調理してもOKですが、アルパカストーブは調理NGと説明書に記載されています。
説明書通りの使用方法以外での不慮の事故や故障は完全自己責任となるため、心得ておきましょう!
安全面に配慮し調理も楽しめる石油ストーブを探しているなら、PASECOがおすすめです。
比較した結果、それぞれのストーブはこんな人におすすめ
PASECOは、キャンプでの使用をメインに考えている方におすすめ!
軽くて運搬しやすく燃焼時間も長いことから、純粋にキャンプ用のストーブとして暖を取る目的であれば、コスパの良いPASECOがおすすめ。
また料理を保温したり、キャンプで重宝する使い方もできるメリットがあります。
ただし、PASECOは「JHIA認証」という日本の石油燃焼機器の品質や安全性を保証する第三者機関の認証をまだ取得できていないため、室内では使うことができません。購入前の判断材料として知っておくといいでしょう。
PASECO WKH-3100G
アルパカストーブは、自宅兼用で考えている方におすすめ!
キャンプと自宅兼用で使おうと考えている方にはアルパカストーブがおすすめ。またPASECOと比べると価格は張るものの収納ケース付きと価格という点も個性のひとつ。
ただし調理使用はお伝えした通りNGなため、使い道を踏まえ選びましょう。
newアルパカストーブコンパクト
安くて軽くて長持ちするのが特徴のPASECOの石油ストーブ
暖房出力が同等で、見た目もどこか似たような雰囲気のPASECOとアルパカストーブですが、しっかり比べてみると色々と異なる特徴が明確に。
PASECOの「WKH-3100G」は価格が安くて導入しやすいことはもちろん、運搬しやすさや燃焼時間の長さと言った点から見ても、キャンプで使うための石油ストーブとして適したものであることがわかりました。
石油ストーブをお探しの方は、こちらも参考に!