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チタン型メスティン

【徹底検証】強度最強のチタン製「メスティン」を本家とガチ比較してみたら…

2022/09/14 更新

空前のブームを巻き起こしているトランギア・メスティンの対抗馬としてデビューしたエバニュー・マルチボックス。似通ったスタイルながらコチラの素材はチタン製。キャンプで使うとなると、果たしてどっちがいいのだろう?というわけで2つのギアを徹底比較してみました。

目次

撮影・執筆:柳沢かつ吉

知ってた?あの老舗メーカーのチタン製メスティン

画像出典:EVERNEW

半世紀以上にわたってチタン製のアウトドアギアを開発してきた老舗メーカー「EVERNEW」

チタンアルコールストーブチタンカップなど、堅牢性に優れた同社のアイテムを愛用しているキャンパーも多いのではないでしょうか?

チタン型メスティン を発見!?

そんな「EVERNEW」の商品をチェックしていたところ「おっ?」と思うアイテムを発見。

それが今回紹介する「mulTibox(マルチボックス)」

どうやらメスティン型のクッカーで、さらにチタン製とのこと。「これは見逃せない!」ということで実際に使ってみたレビューをお届けします。

【アルミvs.チタン】本家メスティンに最強ライバル出現か?

そもそもメスティンとは、「飯ごう」を意味する「mess tin」を日本語表記したもの。スウェーデンの「トランギア」のギアがよく知らせています。

その多くはアルミ製で、素材の特性を活かした熱伝導率の良さと軽量性を売りにしています。一方、EVERNEW「マルチボックス」はアルミよりも数倍の強度を誇るチタン製。

この違いがキャンプでの使い道にどう影響するのか、本家「トランギア」のメスティンと徹底比較してみました。

まずはサイズをチェック!

「マルチボックス」との比較には「トランギア」のメスティンの中でも人気が高い「TR-210を使用」
両者とも形は似ていますが、大きさは異なります。計測してみると、マルチボックスがメスティンより少し大きなサイズであることが分かりました。
ギアごとの大きさ

●マルチボックス:長辺17.5cm×短辺10cm×高さ7.5cm(最外寸:17cm×10.3cm×8.4cm

●メスティン:長辺17cm×短辺9.5cm×高さ6.2cm(最外寸:17cm×9.5cm×7cm)

僅かな差に感じるかもしれません。しかし、「TR-210」の容量が750mlなのに対して、マルチボックスは摺り切り満タンで980mlもの大容量。

230mlもの容量差はカップスープやコーヒー用のお湯を沸かす際、1人分以上の違いになるので侮れません。

 

ギアごとの重量

●マルチボックス:185g

●メスティン:112g

一方、軽量性はアルミ製の本家メスティンに軍配が上がります。

一般的にチタンは軽いイメージがありますが、実はアルミよりも比重が大きく、重くなります。

ただ、比重の割に強度が非常に高く、アルミよりも少ない素材でギアを作ることができため、結果的に軽くなるというカラクリも。

【堅牢性勝負】強度はやっぱりチタンが最強?

撮影:編集部

金属の中でも最強クラスの強度を誇るチタン。それを素材に作られたマルチボックスはアルミ製の本家メスティンよりも堅牢性に優れているのでしょうか?

撮影:編集部

答えは両アイテムを握った瞬間に分かりました。圧倒的にチタン製のマルチボックスの方が強度があります。

撮影:編集部

アルミ製の本家メスティンも決して脆いわけではなく、アウトドドアに使うには十分の強度です。しかし、思い切り指を押し込むと側面が湾曲してしまいます。

一方、マルチボックスは両手で力一杯握っても凹むことがありませんでした。チタン素材恐るべし。ちょっとやそっとじゃへこたれない男前ギアです。

【収納力勝負】何が入って何が入らない?

クッカーを使うときに気になるのが、収納力。ボックスの中に調理器具が収納できるかどうかは、荷物を減らしたいアウトドアでは重要なポイント。

本体内側底面の対角線は、両者とも16cm以上で、余裕でキャンプ用の2段つなぎ箸箸が入ります。

カップ類も入れたいところですが、標準サイズのシェラカップはどちらも入りませんでした。惜しい。

「ならばガス缶はどうだ」と入れてみたところ、マルチボックスのみCBジュニア缶を収納可能で、本家メスティンは蓋が閉まりませんでした。OD缶やCB缶のレギュラー缶は両者ともNGという結果に。

調理器具一式の収納にも挑戦。マルチボックスには、CBジュニア缶に加えて、プリムスP-153とCBアダプターをギリギリ一緒に収めることができました。

頑張れば、料理に必要なギアを一つにまとめることができるのは、容量が大きいマルチボックスの利点かもしれません。

【熱伝導率勝負】アルミの方がムラが少ない?

撮影:編集部

堅牢性では格の違いを見せたマルチボックス。今度は、熱伝導率の違いを検証してみました。

アルミとチタンでは熱伝導率に差がありますが、果たしてマルチボックスと本家メスティンでも違いがあるのでしょうか?

撮影:編集部

熱の伝わり方を観察してみるために、お米1合分の水(200ml)を用意。それぞれのギアに注いで、沸騰させてみました。

熱が伝わる本家メスティン

撮影:編集部

まずは本家メスティン。カセットコンロを中火にして、スタート。沸騰するまでの目安時間を測るためにストップウォッチもセットしました。

撮影:編集部

一分を過ぎる頃には、鍋全体からプツプツと泡が出てきました。さすが本家。沸騰までのスピードをさることながら、熱が全体に広がっているのが分かります。

撮影:編集部

2分を迎える頃にはグツグツに沸騰。安定感のある湯沸かしでした。

ムラが気になるマルチボックス

撮影:編集部

火加減はそのままで、マルチボックスでも湯沸かし開始。果たして、違いが生じるのでしょうか?

撮影:編集部

マルチボックスも一分を超えると、本家メスティン同様に沸騰の兆しが。

撮影:編集部

しかし良くみてみると、沸騰の具合が違います。

本家メスティンでは、鍋底と側面から気泡が浮いていたのに対して、マルチボックスは火があたっている中央部分に集中しています。

チタンが、熱伝導率がアルミよりも低いことを考慮すれば、マルチボックスは鍋全体に熱が伝わりにくく、温度にムラが出来ているかもしれません。

【炊飯テスト】マルチボックスは自動炊飯法でうまく炊ける?

堅牢性は高い一方で、加熱時にムラが生じることがわかったマルチボックス。最後に、実際に炊飯してみた結果をお伝えしようと思います。

今回の炊飯で試したのは、メスティン+エスビットストーブ+固形燃料でのいわゆる「メスティン自動炊飯方法」。手軽で簡単な方法としてキャンパーにもよく知られています。
本家メスティンの場合、1合炊飯で水の量の目安はハンドルを止めているリベット頭の中央といわれていますが、マルチボックスにはリベットがありません。

軽量カップから水を入れ、フタを閉じて30分以上吸水させます。

ストーブに載せて周囲を風防で囲んだら、固形燃料に点火して炊飯開始。固形燃料が燃え尽きたら炊き上がりです。
炊きムラを緩和させるためマルチボックスを慎重にひっくり返して5分程度蒸らします。

結果は……炎が集中する部分に焦げ付きあり

無事、炊き上がり蓋を開けてみると、表面はふっくらとした出来で大満足。本家メスティンと遜色のない食感でした。

しかし、鍋底中央には黒焦げが。やはり、チタン製特有の熱伝導率の低さが影響しているのかもしれません。

しかしこの程度なら、米の吸水時間を長くし、ガスストーブの極弱火で炊けば改善できるはず。

チタンの醍醐味を楽しむマルチボックス!

今回は、「EVERNEW」から発売されているチタン製メスティン「マルチボックス」を徹底レビューしました。

本家メスティンにはない強度や無骨な風合いはやはりチタン製ならでは。加熱時にムラこそあったものの、これは堅牢性とトレードオフだと思って、良さを楽しむのが醍醐味でしょう。

 

エバニュー マルチボックス

●サイズ : 7.5×10×17.5cm
●素材 : チタン(国内製造)(取っ手部シリコンチューブ付き)
●質量 : 185g

 

 

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