この使い方どうなの?新発想の「クーラー・イン・クーラー」に迫る
2021年、新生HYADシリーズをリリースしたオレゴニアンキャンパーは、聞き慣れない提案をしています。それは「クーラー・イン・クーラー」。ハードクーラー内にソフトクーラーを入れることで、二重の保冷室をつくろうというものです。
その新発想から誕生したのが、こちらの新作「クーラーパック」。ロールダウン式のソフトクーラーでインナーとしてはもちろん、単体でソロキャンプ用クーラーとしても良さそうですね。
というわけで、今回はクーラーパックを使って「クーラー・イン・クーラー」の実力を調査! 果たして二重にすることで、保冷力の違いは本当にあるのか? 単体使いではどうなのか? 実際に検証してみました。
「クーラー・イン・クーラー」を実践してみた
今回使用するのは、2サイズ展開(8QT・18QT)のクーラーパックの大きい方「クーラーパック 18」。容量は約17Lです。これをハードクーラー「HYAD クーラーボックス 47R」に入れて使用。
HYAD クーラーボックス 47Rのちょうど半分に収まるサイズに設計されています。クーラーボックスはどうしてもドリンクを取り出すたびに開閉されますが、その影響を受けにくい保冷室が生まれるというわけですね。
より冷やしておきたいものを収納
ドリンク類は、多少ぬるくなっても健康上の問題は発生しません。しかし夏キャンプにおいて、肉や魚は鮮度を死守する必要が……。頻繁に取り出す必要がない、よりしっかりと冷やしておきたい食材は、クーラー・イン・クーラーに守ってもらいましょう。
カップの氷を使って効果をテスト!一晩放置してみた
クーラー・イン・クーラーの効果がどの程度のものなのか、カップの氷を使って試してみます。1つは保冷室内に直置き、もう1つはクーラーパック内に。このまま一晩放っておいて、氷の残量をチェックします。
20時間後……
約20時間後の状態がこちら。直置きの方は完全に氷が溶けてしまっています。クーラーパック内にあった方は、氷が残っているようです。
別のコップに移してみました。その差は歴然ですね。ちなみに直置きの方が溶けきった瞬間を狙って取り出せば、もっと顕著な差が現れたと思います。
またクーラーボックスの有効な使い方として、「予め冷やしておく」「一杯に食材を入れる」「保冷剤でアシスト」という基本がありますが、今回はそれらをまったくしていません。なのでこの残量自体が、HYADの実力を示すものではないことをお断りしておきます。
オレゴニアンキャンパー ヒャド クーラーボックス HYAD 47R
オレゴニアンキャンパー クーラーパック 18
ソロキャンプで使いたい「クーラーパック8」
さて次は、クーラーパックをソロキャンプに導入してみましょう。さきほどテストしたのは「クーラーパック 18」で、こちらはひと回り小さな「クーラーパック 8」。荷物をコンパクトにしたいソロキャンパーにおすすめです。
容量は8QT(約7.6L)で、350ml缶6本に加えて保冷剤が入ると公表されています。写真のように1人分の食材とドリンク、そして保冷剤なら余裕も余裕です。
350mlのビールが12缶余裕で!
当製品をじっくり観察していたところ、どうも公表スペックよりも多くのドリンクが入るような気が……。350ml缶が6本入るとのことですが、倍でもイケるような気がしました。
予想通りサッポロとアサヒ、計12本の缶ビールが収まりました。加えて保冷剤も押し込むことができました。
ロールダウン式の開口部が閉まらないような不具合もなく、何ら問題は感じられません。強いて言えばハンドルの耐荷重に不安が残るぐらいでしょうか。
もちろん公式スペックをオーバーした使い方なので推奨はできませんが、薄く折りたたんで移動し、現地近くでドリンクをめいっぱい購入したい場合など、オプションとして活用することができそうです。
もちろん小さいサイズも「クーラー・イン・クーラー」対応
こちらのサイズもクーラー・イン・クーラーに対応。「HYAD クーラーボックス 27R」の保冷室、そのちょうど半分を占めるサイズです。
HYAD クーラーボックス 27Rは容量約25.5Lと、ゆったりソロ~デュオに適したサイズ。記事前半の47Rを持て余しそうなキャンパーは、こちらの組み合わせを検討してください。
オレゴニアンキャンパー HYAD クーラーボックス 27R
オレゴニアンキャンパー クーラー パック8
密かにアップデートされていた「HYADクーラーボックス」2021年モデル
今回アウターとして使用した「HYADクーラーボックス」。2019年に登場し瞬く間に注目を集め、一時完売となった人気商品です。じつはこちら、2021年モデルとしてアップデートVerが新登場しているのであわせてご紹介します。
簡単にアップデートされたポイントをまとめるとご覧の通り。
カラーは「リーフ」と「カワセミ」「カプチーノ」の3色、従来通り27QT、47QTの2サイズ展開です。
ビジュアル的には2019年発売モデルよりシックになり、洗練された印象ですね。スクエアな形状で車載しやすい点も評価されているようです。
保冷力を支えるポイント
保冷力のキモともいえる、ガッツリと分厚いボディを見ていきましょう。特に底部分は従来モデルよりも厚くなっているそうで、中にはウレタンが高密度に詰め込まれています。
「ロトモールド」という金型を回転させて成形する製法が用いられているため、樹脂には継ぎ目がなく頑丈です。
フタには冷蔵庫のようなパッキンが。こちらの素材は従来モデルから変更され、シリコンゴムとなりました。よりしっかりと内部を密封し、冷気を逃しません。またフタ自体が従来モデルよりも厚くなり、保冷力が向上した模様です。
フタの裏には、大胆なロゴデザインがエンボス加工されていました。力強いフォントで堂々としており、保冷力への自信がうかがえますね。
27QTモデルは、ハンドルの取外し可能に!
各サイズ、個性的な仕様も追加されています。小さいサイズの27QT(容量25.5L)は、ハードクーラーとしては珍しくハンドルの取り外しができるように。クーラーを洗うときにハンドルを取り外しておけば作業もしやすく、テープ部分が濡れないのもメリットに繋がります。
47QTモデルは、蓋にドリンクレスト付き
大きいモデルには、蓋部分に便利なドリンクレストが追加されています。両サイド2箇所デザインされているので、クーラーボックスをサイドテーブル代わりに使用する場合に重宝する仕様です。
従来通り、カッティングボードとしても使える仕切り板と食材の整理整頓に便利なバスケットは、どちらのサイズも標準装備のまま。ハードクーラーの購入を検討していた方は、アップデート版も合わせてチェックを。
オレゴニアンキャンパー HYAD クーラーボックス 27R
オレゴニアンキャンパー ヒャド クーラーボックス HYAD 47R
一味違ったクーラー環境が欲しいなら
というわけで今回は、オレゴニアンキャンパーのHYADシリーズ、そしてクーラー・イン・クーラーを構築できるクーラーパックシリーズをご紹介しました。さすがオレゴニアン製品だけあって、歴史あるモデルのような風格が漂います。
それでいてアウトドアクーラー界のニューフェイスなので、他のキャンパーとかぶりにくいのが魅力の1つ。新鮮なビジュアルと新発想のクーラー・イン・クーラー、一味違ったクーラー環境がほしいキャンパーは、完売前にチェックを!