車中泊の気になること。車中泊キャンパーに全部聞いちゃいました!
アウトドアの新定番である車中泊。クルマとともに暮らすバンライファーも増加し、寝床=クルマというスタイルに違和感のない時代となりました。
では、実践するにはどんな車種がおすすめで、どういったギアが必要? カスタムは? そんな疑問は先輩車中泊キャンパーを参考に解決! 一歩を踏み出すのに必要な情報は先駆者が教えてくれます。
装備だけでなく食事のことや車中泊の魅力、失敗談まで幅広く伺い、ビギナーが抱きがちなモヤモヤと不安を払拭。
今回はコロナによる自粛ムードを受けて、DIYにハマっているというマオヘンミさんが登場します。自宅の家具を一通り作り終え、今はクルマの自己流カスタムに没頭中なんだそう。
では、早速そんな彼のバンキャンプを覗いてみましょう!
大きくて壊れない「ボンゴ バン」を車中泊仕様に
instagramアカウント:@maohenry
車中泊(キャンプ)歴:8ヶ月
キャンプ歴:約4年
愛車:マツダ「ボンゴ バン」
埼玉県在住のマオヘンミさんはUESDアウトドアショップのスタッフ。仕事とプライベートの両方で外遊びを楽しみ、ステイホーム期間にはインテリア作りが趣味でした。
どうしてボンゴ バンを選んだの?
マツダが誇るバンタイプのベストセラーであり、ワンボックスカーの代名詞的存在である「ボンゴ バン」。大容量なのに取り回ししやすく、視野の広さと相まって運転しやすいとされています。
学生時代は「ローバーミニ」に乗っていました。けれどキャンプのギアを詰め込むのが大変だったり、故障して動かなくなってしまったり……。
なので次は大きくて壊れないクルマにしようと、商用としても多く使われている「ボンゴ バン」に決めました。
材料費1万円で作った、自作の伸縮式ベッド
気持ち良く寝るために作ったのが、この伸縮式ベッドです。いろんな方のInstagramを参考に、見よう見まねで完成させました。スペースを有効的に使えるし、就寝準備と片付けの手間も減ってとてもイイ感じです!
費用は塗装含め1万円くらいで済みましたが、頭脳と体力をかなり使いましたね……。
車中泊スタイルについて
車中泊にハマったきっかけは?
2019年末に行った北海道5泊6日のレンタルキャンピングカー旅行が忘れられず、ワンボックスカーを車中泊仕様にしたいという気持ちが芽生えたのがきっかけですね。
そこから中古の「ボンゴ バン」を購入したのが、2020年の8月。車を買う前はテントやタープを張るのが大好きでしたが、車中泊をしていると、天候に左右されないことや風の音、人や動物が歩く音などに悩まされない快適さに気付き、どんどんハマっていきました。
マオヘンミさんの車中泊スタイルならではの良さ・楽しみ方は?
テントサイトのレイアウトを考えるのが好きなので、同じ感覚で車内もコーディネイト。アウトドア感100%の内装に仕上げました。
すると、どこでも大好きなキャンプ気分を味わえるように。おかげでテント泊には無いワクワク感を知り、今では週一で車中泊をしています。とはいっても、そのほとんどが家の駐車場で、ですが(笑)。
キャンプ場で車中泊することも多いです。よく行くのは、静岡県にある「ふもとっぱら」や埼玉県の「嵐山渓谷月川荘キャンプ場」など。テント泊のときも足を運ぶスポットですが、車中泊だとまた一味違った感じが味わえます。
ふもとっぱらの詳細はこちら
嵐山渓谷月川荘キャンプ場の詳細はこちら
お気に入りの車中泊スタイルはどんなの?
TC素材のカーサイドタープを張って食事し、焚き火を囲むのが好みです。タープはAmazonで購入したSoomloomの「レクタタープ」を、キャプテンスタッグの「タープ用カージョイント」と合わせて設営。
クルマに固定する仕様なので風の影響をあまり受けず、タープを立てるのが苦手という人でも簡単に設営できると思います。
Soomloom レクタタープ
キャプテンスタッグ テント・タープ部品 カージョイント
快適に過ごすためのマストアイテムは?
スマートフォン、LEDランタンの充電はもちろん、プロジェクターや電気毛布を使うのにも大活躍するのがSmartTapのポータブル電源「Power ArQ mini」ですね。
寝るときにはキャプテンスタッグ の「インフレーティングマット」と毛布、NANGAのシュラフをメインで使っていて、より寒い場合は湯たんぽや電気毛布も。車内でのストーブ使用は恐いので、火のない暖房を心がけています。
SmartTap ポータブル電源 PowerArQ mini
キャプテンスタッグ インフレーティング ダブル カーキ
収納のこだわりポイントは?
車中泊をとことんラクにしようと、バーナーや調味料などのご飯グッズはボックスにしまわず、手の届く位置でエプロンを活用した見せる収納を。
仕事でディスプレイの作成をすることがありますが、そのノウハウでカッコ良く、効率的にと考えた結果です。甲斐あって準備や片付けは最小限の時間かつ、ノンストレスになりました。
みんなに自慢したい、室内のDIYは?
海外のバンライファーや@yuriexx67さんをお手本に、スライドして外に伸びるテーブルも作成しました。キャンプのときには一瞬でキッチンテーブルになり、ドアの縁に座って外を感じながらコーヒーが飲めます。なにより、友達に見せたときの驚くリアクションがたまりません。
食事はどうしている?
シングルバーナーとスノーピークのホットサンドメーカー「トラメジーノ」を使い、コンビニの冷凍食品をカリカリにして食べるのがほとんど。特に冷凍のポテトや肉まんが絶品なんです!
スノーピーク ホットサンドクッカー トラメジーノ
車中泊での失敗、注意すべきことは?
車中泊仕様にカスタムできたボンゴ バンにテンションが上がり、海辺でのんびりしようと思ったら砂浜にタイヤを取られてスタックしました。真夏の太陽の下、汗だくになりながらタイヤ付近の砂を掘りましたが全然ダメで。
JAFを呼んで解決しましたが、仕事に遅刻するわ、3万円ほどかかるわで泣きそうになりました(笑)。でも、その分このクルマに愛着が湧き、車中泊場所は調べなきゃいけないと学べもしましたね。
これから車中泊を始めたい! という方にアドバイスを
SNSでたくさんの方がさまざまなスタイルを発表しています。それをたくさん見て繋ぎ合わせ、自分に合ったやり方を探せば良いと思います。“とりあえずやってみなよ!”ですね(笑)。
僕の場合は“バンライフかっこいい!”、“DIYで車中泊仕様にしたい!”という好奇心が強くて、寝る時間も忘れてひたすら調べ、ひたすらDIYの毎日でした。道具選びだったり、採寸ミスだったりと、毎回何かしら失敗していましたが、今は十分に楽しんでいます。
独学とは思えない完成後の高さに驚き
ペイントからインテリアまで、すべてDIYしたマオヘンミさんのボンゴ バンは、プロ顔負けの仕上がり。もう一つの部屋と表現できるほど過ごしやすい空間で、車中泊にどっぷり浸かってしまうのもわかります。
今後はメッシュの窓やカーテンなどのDIYにチャレンジ予定。もう対夏装備のプランを考えてワクワクしているのだそう。
TEXT:金井幸男 EDIT:GGGC
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