高さが3段階に調節可能!
さきほど高さ調節できることに触れましたが、じつは“3段階に調節できる”んです。脚フレームの上部ポールにはピンが埋め込まれているんですが、どのピンをジョイントに固定するかによって、高さを調節できます。
2段階調節まではよく見かける仕様だと思うんですが、3段階というのは驚きです。しかもフレームの一部を外したりする必要もありません。
これがもっとも高い「Hi」の状態。高さ67cmと、ハイスタイルでは一般的な高さです。
ハイスタイルのチェアで座ってみました。前述しましたが、膝を入れて座ることができるのはじつに快適です。
これが「Low」の状態。高さは54cmです。言うまでもなくロースタイルに適しています。
ロースタイルのチェアで座ってみました。使用チェアはフィールドアの「ポータブルチェア T/C」。身長183cmの筆者の場合、ロースタイルで脚を潜り込ませると天板に膝が当たりました。
そしてもっとも低い「Za」。高さ39cmと、座卓としての使用に適している高さです。
秋~冬のキャンプで人気のお座敷スタイルにフィットすることでしょう。天板の木目が美しく、家で使っても違和感はありませんから、来客時の予備テーブルとしても活躍するのではないかと。
一連の変化を見てみると、このような動き。計算されたフレーム構造が理解しやすいのではないでしょうか。
高さ調節を可能にしている工夫
サイドフレームには3つの穴が空けられており、これらを高さによって使い分けます。いちばん外側が「Hi」用。低くするほど内側の穴を使う……と言われてもピンとこないと思いますが、実物を触ってみれば納得の構造で、難しくは感じません。
天板の端っこにも3つの穴が。こちらもいちばん外側が「Hi」用。内側にいくほど、低いときに使用する穴になっています。
気になった点
組み立てには慣れが必要?
高さを調節するための機構である、サイドフレームの3つの穴。テーブルの高さによって、どの穴を使うかが決まっているわけですが……。
穴の位置を確認するのは、率直に言って面倒でした。サイドフレームの上面に穴の位置を示すマークなどはないので、いちいちしゃがんで下から覗き込む必要があります。いっそシールなどで、印をつけてしまうといいかもしれません。
天板の端っこにある3つの穴。ブラックでスタイリッシュではあるのですが、暗がりで組み立てるときには仇となります。「Hi」での組み立て時、3つの穴のさらに外側にあるテンションコードの穴に、ツメをはめ込んでしまうミスは起こりがちでしょう。
あとはそもそも高さの調節方法が珍しいので、グループキャンプなどで「Lowで組み立てといて」と他人に頼むには、難易度の高いテーブルだと言えます。
天板を持って持ち上げるのはNG
これは説明書にも注意書きとして明記されているのですが、天板を持ってテーブルを持ち上げようとするのはNG行為。固定しているツメは、そういった動きには対応していないようです。
天板をリバーシブルで使えるようにするため、あえて固定はしない作りになっているのかもしれません。
キャンプサイトでテーブルを移動させたい状況は、少なからず発生します。必ずフレームをしっかりと持って移動させましょう。
ハードルの高すぎたコンパクト性
正直、「モンベルがやってくれた!」と驚くほどのコンパクト収納ではありませんでした。しかしこれは、モンベルというブランドが持つイメージにより、非常に高い期待をしてしまったのが理由です。
モンベル製だからといってハードルを上げず、「収納時のサイズはまあ普通」ぐらいの認識を。収納サイズはコールマンの「ナチュラルウッドロールテーブル(120cm)」とほぼ同じです。
どんなキャンプスタイルにも合う、これぞ万能テーブル
生意気にも気になる点を挙げましたが、これはモンベルという一流の実用ブランドゆえ、シビアに観察した結果です。膝を潜らせることのできる画期的な構造、天板がリバーシブルという洒落た仕様、そして3段階の高さ調節……!
さっそく便利そうな別売りオプション品も登場しています。脚フレームに取り付けて、収納場所を設けることのできるボード。引っ掛けるネットタイプなどとは、レベルの違うスマートさを感じます。
価格も機能のわりには手頃ですし、はじめてテーブルを買いたいキャンパー、買い替えを予定しているキャンパーは、おすすめできる一品です。個人的には子ども連れのファミリーキャンプで、膝を入れられる構造を活用してほしいですね。
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