「黒毛和牛」「褐毛和牛」「無角和牛」「日本短角種」の4品種だけが和牛と認められており、日本でとれたそれ以外はすべて「国産牛」となります。
知ってるつもり?!肉の部位
それではまず、肉の部位からみてみましょう。名前は知っていても、それがどこに位置するかまで分かりますか?
ステーキといえば「サーロイン」
胴体中心よりやや後ろの背中側の肉です。ステーキ用の肉としてあまりにも有名で、非常にうまみが多い肉質です。
霜降りと呼ばれる脂肪が随所に散らばり、とても柔らかく食べやすいです。
ヘルシーで柔らかい「ヒレ」
サーロインに隣接し、やや後ろ側で内側にあります。とても小さな部位なので1頭の牛からわずかしかとれず、希少価値が高いです。
脂肪が少ないのにとても柔らかいのが特徴で、BBQでは焼きすぎないのがおいしく食べるコツ。
キメの細かい「リブロース」
サーロインよりひとつ頭側の部位です。きめ細かい肉質でうまみもあります。とても柔らかく、霜降りも多いのが特徴です。
バランスのいい「肩ロース」
その名の通り、肩に位置するロースです。スジはあるものの肉質は柔らかく、赤身とのバランスがよく濃厚でコクがあります。
1頭から7~8kgほどとれる大きな部位なので、サーロインやリブロースより安価なのも嬉しいところ。
赤身中心の「モモ」
後ろ足の付け根の部分です。内側をウチモモ、外側をソトモモと呼びます。ソトモモのほうがやや固めになります。
赤身中心なのでどちらかというとBBQよりカレーなどに適していると思われがちですが、良質のモモは焼いても肉本来の味が楽しめておいしいもの。
お尻側の「ランプ、イチボ」
お尻側にある部位です。ランプとイチボで合わせて「ランイチ」と呼ばれることもあります。ランプは赤身で脂分は少なめ。柔らかく上品な肉質です。
イチボはとれる量が限られていて、このところ人気の「希少部位」の代表格でもあります。細かいサシ入りで厚切りでも柔らかいのが特徴です。
「格付け等級」を理解すればイバリ効く!
続いて「等級」です。肉好きたちのトークで飛び交うランク付けのことです。
BBQで高い等級の肉がドーンと出てきたら、大げさなくらい驚いてあげると用意した人はきっと喜んでくれる……ハズ!?
アルファベットで表す「歩留まり等級」
牛から皮、骨、内臓などを取り去った部分を「枝肉(えだにく)」といいます。1頭の牛から取れる枝肉の割合が高いほど、等級が高くなります。
つまり同じ体重の牛でも、たくさんの肉がとれるほうが格上ということです。この「歩留まり等級」はABCランクで表され、一番いい評価がAとなります。
数字で表す「肉質等級」
「霜降りの度合い」「赤身肉の色と光沢」「きめ細かさ」「脂肪の光沢や質」などの項目によって総合的に判断されるのが「肉質等級」。1から5の数字で指定され、5が最上級です。
歩留まり等級と肉質等級を組み合わせてA-4、B-3のように表します。つまり「A-5」等級の牛肉が最高ランクということになります。
「熟成」にもいろいろある!
お次は「熟成」です。時間をかけて肉をあえて寝かせることで、うまみを引き出す方法です。種類は大きく分けて3つあり、腐らせないよう環境管理が重要です。
旨み成分たっぷり「ドライエイジングビーフ」
保管庫内の温度を1度前後に定め、湿度を70~80%で安定させ、ファンで風を送りながら乾燥熟成させると「ドライエイジングビーフ」となります。
旨みのもととなるアミノ酸の量が他の熟成方法に比べ格段に多くなるのが特徴です。
真空で熟成「ウェットエイジングビーフ」
前述のドライエイジングが風を送って乾燥熟成させるのに対し、ウェットエイジングビーフは肉を真空パックして熟成させる方法です。鮮度が保たれ、保存しやすいという利点があります。
日本の伝統を受け継ぐ「枝枯らし」
日本古来のエイジング方法。風を送らず、真空パックにもせず、ただそのまま熟成させるやり方です。味噌のような香りがするものもあります。
肉の柔らかさを非常に重視しがちな日本ではドライエイジングビーフが人気です。
牛肉「名産地」スーパースター列伝!
最後に国内の牛肉の名産地をご紹介します。耳にしたことのある地名も多いのでは?!
牛肉といえば「松阪牛」
まさに肉の王。肉質はお箸で切れるほど柔らかく、口溶けはきわめて滑らか。サシがきめ細かく入っていて、赤み部分は旨味が凝縮された濃厚な風味があります。
ちなみに正式な読み方は「まつざかぎゅう」でなく「まつさかうし」。「さ」が濁りません。