「イシアタマ」でなく「セットウ」
このゴツいハンマー、見たことありませんか? ホームセンターなどで売られている、やたら強そうな工事用のハンマー。
実はこれ、キャンプでとっても重宝する隠れアイテムなんです。
ハンマーにはいろんな種類がある。
ひとくちに工事用ハンマーといってもいろいろあります。たとえば片側がくぎ抜きになっているネイルハンマーや、材料にやさしいゴムハンマーなど、用途やシーンにあわせた膨大な種類が存在します。
そんな中から、キャンプでのハードなペグ打ちにマッチする理想的ハンマーが発見されたのです。
「石頭ハンマー」という最強ジャンル
工事用ハンマーの中でもペグ打ちで恐るべきパワーを発揮するのが「石頭ハンマー」というジャンルです。「いしあたま」ではなく「せっとう」と発音します。建築現場では縮めて「セットハンマー」「セット」などとも呼ばれていたりもします。
ではこの異ジャンルからやってきたニューカマー「石頭ハンマー」がキャンプシーンにおいてどれだけ魅力的なのか? メリットから気になる点まで、詳細をガツンとお届けします!
アウトドアメーカーのモノに比べて安い
最強の石頭ハンマーですが、パワー以外にも大きな魅力があります。実は驚異のロープライスなんです。
多くのキャンパーに支持されるアウトドアメーカーのハンマーと比べると驚きのお値段!
有名アウトドアハンマーと値段比べ
打ちやすく強く、デザインの評価も高い各社のハンマーのお値段をみてみましょう。スノーピークの「ペグハンマー PRO.C」は6,200円。コールマンの「スチールヘッドハンマーⅡ」は5,918円。
ロゴスの「パワーペグハンマー」で4,300円。村の鍛冶屋「アルティメットハンマー」なら5,200円となっています。
対して工事用の石頭ハンマーのお値段は……なんと1,000円台が中心! 柄が木のタイプなら1,000円以下だって豊富にあります。
「石頭」の名にふさわしい強度
パワフルなハンマーとして知られる「石頭ハンマー」ですが、具体的にどう強いのか? こちらでは石頭ハンマーの強さ、その秘密に迫ってみます!
ソリステも余裕の超絶強度
強度の高い鍛造ペグとして圧倒的人気のスノーピーク「ソリッドステーク(通称ソリステ)」。華奢なスチールハンマーだと打つ側が逆にへこんでしまうこともしばしばあります。
でも石頭ハンマーならガンガン叩いても全く問題なし。むしろソリステ×石頭というコンビを愛用しているキャンパーがけっこういるようです。
グリップや柄にも工夫アリ
グリップは1000円以下なら木、それ以上の価格ではラバーがほとんど。木の柄はコスパはいいものの、慣れないと滑るケースも。柄の素材がグラスファイバーなら、手への衝撃を吸収してくれる働きもあります。
ズッシリ「重み」を生かしてドスッと強く打てる
アウトドアメーカーのハンマーと重さを比較してみると、そのパワー差は歴然。
・スノーピーク「ペグハンマーPRO.C」670g
・コールマン「スチールヘッドハンマー」730g
・ロゴス「パワーペグハンマー」757g
・村の鍛冶屋「鍛造 焼き入れペグハンマー」550g
一方の石頭ハンマーは1kg以上がメインです。重めのほうが石頭ハンマーの底力を感じられるもののそこは腕力と相談ですね。成人男性なら1.1㎏くらいがベストでしょう。1.3㎏を超えるとちょっとコントロールしにくくなり、0.9㎏以下だとちょっと物足りないかもしれません。
重量が細かく設定されているので、自分好みの重さを選べるという点でも石頭ハンマーは魅力ですね。
すべりにくい打撃面
打撃面がザラザラした指紋のようになっているため、ペグをとらえ損ねてツルっと滑ることが少ないという利点も。芯を多少外してもガンガン打ち進めるので初心者でも扱いやすいといえます。
自分に合ったハンマーを選ぼう
石頭ハンマーは工事用具のため、さまざまなメーカーからリリースされています。実際手に持ってみると、それぞれ重さやグリップの太さ、重心のバランスなどの違いがわかります。自分にとっていちばんしっくりくるハンマーこそ最強なのです。
土牛「パイプ柄石頭槌 1.1㎏」
重さ、グリップのショック吸収の良さ、打ちやすさなどトータルバランスが抜群。最初は重いと感じて戸惑う可能性もある重量ながら、慣れれば楽々ペグを打ち込めます。土牛は兵庫の建築道具メーカーで、石頭ハンマー界のトップランナーです。
土牛 パイプ柄 石頭鎚ショート 1.1kg
高儀「石頭ハンマー パイプ柄 0.9㎏」
女性にでもストレスなく扱える、ほどよい重量の石頭ハンマー。柄がパイプで軽いため、ふり下ろす際の重心バランスも絶妙。軽めのわりに石頭ハンマーとしてのパワーはちゃんと実感できます。もっと重い設定の1.1㎏や1.3㎏もあります。
大五郎「石頭ハンマー 1.3㎏」
こちらはやや重めなので腕力に自信がある人向き。そのぶん超パワフルです。柄が木なのでリーズナブルな点も魅力的ですね。シンプルに入れられた「GENUIN HICKORY」のとおり柄の材質ははヒッコリーを採用。オイルカスタムにもぴったりです。ウッド好きの方にはお値段以上のグリップではないでしょうか?
OH(オーエッチ工業) 「ライトン セットウハンマー 1.1㎏」
バランスのいい重量1.1kgでラバーグリップという仕様。振り下ろす際のフィット感がいい感じです。木と違ってラバーだとメンテ不要な点もポイント高い。ガシガシ使い倒す「ザ・道具」なハンマーとして活躍間違いないしでしょう。
アストロプロダクツ「石頭ハンマー 1200g」
こちらはパワフルな1.2kg。打面が四角いタイプで目標物をとらえやすくなっています。柄がグラスファイバーでできているため、丈夫でありながらショックをほどよく吸収してくれます。
アストロプロダクツ AP 石頭ハンマー1200g
気になる点も、なくはない
魅力いっぱいの石頭ハンマーですが、この世に完璧な道具は存在しません。この最強ハンマーにだってもちろん気になる点は存在します。
やはりネックは重さ
石頭ハンマーの重さはそのままパワーに通じる最大のメリットでありながら、別の角度からみればデメリットでもあります。ペグを楽々打ちこむパワーの源であるがゆえ、持ち運びにはやはり不便といえます。
オートキャンプなら問題ありませんが、ツーリングやトレッキングではちょっとズッシリくる重さです。
抜け防止ひもがついていない
柄の部分にフックがついているタイプなら後付けでヒモの取り付けが可能ですが、石頭ハンマーの場合基本的に初めからループがついているということはありません。ハンマーを振る際には周囲の安全に十分配慮する必要があります。
ペグ抜きがついていない
石頭ハンマーは工事用品のため、ペグ抜きはありません。なので別のペグを利用するなりして抜く必要があります。
ハンマーのペグ抜き部分は多用する人と、そうでない人に分かれるので、ここは個人差があるかもしれません。
アウトドアギア特有の魅力には欠ける
当然といえば当然ですが、工事用品なのでアウトドアギア特有のスタイリッシュさはありません。とはいえ無骨な道具感を愛することができる人や、アウトドアアイテムかぶりを回避したい方にとってはまた別の魅力があります。
ペグ打ちの勢力図を変える? 石頭ハンマーに注目!
ペグ打ちハンマー界のヘビー級、石頭ハンマー。お安く強い、キャンパーの味方です。今まで絶大な支持を集めていたアウトドアブランドのハンマーたちに驚異のライバルが異世界から登場しました。道具としてタフで非常に優秀なおすすめアイテムです。
とはいえ先に述べたようにアウトドアハンマーの長所ももちろんあります。自分のキャンプライフをイメージしつつ、合うものを選ぶのが最善でしょう!
Let’s utilize a Settou hammer for camping!
キャンプに石頭ハンマーを活用しよう!