双眼鏡の選び方
双眼鏡の選び方を、以下のポイントごとに説明しま
す。
1. 倍率をチェック
双眼鏡の倍率が高いほど、遠くのものが大きく見えます。一般的な商品の倍率は8倍〜10倍ほどが多いでしょう。
倍率が高いと手ブレが起きやすくなるため、手持ちの双眼鏡であれば基本的には10倍くらいまでがおすすめです。
「対象物までの距離÷倍率」で見え方がイメージできます。たとえば、100m先にある対象物を倍率が10倍の双眼鏡で見た場合は、10mまで近づいた見え方になります。
2. 口径・ひとみ径をチェック
口径は対物レンズの内径のことです。また、双眼鏡を白く明るい壁に向けて、接眼レンズから30cmほど目を離すと、接眼レンズの中に丸い光の円ができます。この円の直径がひとみ径です。
口径やひとみ径は明るさに影響しており、数値が大きいほど暗い場所でも対象物を明るく見られます。
3. 実視界・見かけ視界をチェック
実視界とは、双眼鏡を覗いたときに見える範囲です。見かけ視界は、双眼鏡を覗いたときに視野がどのくらいの角度に広がっているかを意味します。
基本的には倍率が上がると実視界が狭くなり、見かけ視界が広くなります。特に双眼鏡を初めて使う場合や慣れていないときは、対象物を瞬時にとらえて見ることが難しいため、実視界が広角になっているタイプ、もしくは倍率が低いモデルを選ぶといいでしょう。
4. 付属機能をチェック
双眼鏡にはさまざまな機能があります。代表的な機能には以下のようなものがあります。
メガネ対応(ロングアイレリーフ)
アイレリーフとは、接眼レンズの最終面からひとみができる位置までの長さです。特にメガネを着用している方であれば、アイレリーフが長いモデルがおすすめ。
ロングアイレリーフであれば、メガネをかけたまま双眼鏡を使うことができます。
防振(手ブレ補正)
防振機能、いわゆる手ブレ補正は、双眼鏡を覗いたときの手ブレを自動で補正してくれます。動きのある対象物を見るときは手ブレ補正機能が付いているモデルを選びましょう。
特に高倍率の双眼鏡は細かな手ブレが発生しやすいため、重視したい機能です。
防水
防水機能付きの双眼鏡も展開されています。防水機能が付いていれば、本体の劣化や故障を防ぐことが可能です。レンズに撥水加工が施されたモデルであれば、雨でも対象物が見やすいでしょう。
なお、一部のモデルは防滴機能となっており、防水機能よりも性能が劣ります。水場などの環境で使う場合は、防滴よりも防水対応のモデルを選んでみてください。
マルチコート
双眼鏡はさまざまな光学系が使用されており、レンズやプリズムの空間で反射することによって光量が失われ、視野が暗くなり、対象物のコントラストも低くなります。
この反射を少なくするために施されるのがレンズコートです。マルチコートは、空気に触れる面の少なくとも1面以上にコーティングをして光の透過損失を軽減します。
さらに、フルマルチコートならば、すべてのレンズやプリズム面にマルチコートを施し、光の透過損失を最大限に抑えるため、見え方が明るくなります。
カメラ
遠くの対象物を見るだけではなく録画したいときは、カメラ機能付きのモデルがおすすめ。双眼鏡で覗いた状態で撮影ができます。
ただし、コンサートや音楽ライブ、舞台、スポーツ観戦などのイベントでは録画や撮影のルールが決められていることが多いです。ルールを無視して利用することは避けてください。
5. 使い方に合ったスペックを選択
ここまでご紹介したチェックポイントを踏まえて、以下のシーン別におすすめのスペックを見ていきます!
コンサート・ライブ・舞台鑑賞
コンサートやライブ、舞台鑑賞には、高倍率で手ブレ補正が備わっているモデルがおすすめ。高倍率の双眼鏡であれば、アーティストや演者の表情も見やすいでしょう。大きな会場の2階席以上なら、10倍ほどの倍率がほしいところ。
また、ライブ会場は薄暗いことが多いため、フルマルチコートのモデルもいいでしょう。
スポーツ観戦
スポーツ観戦は試合展開を追えるように視野が広いタイプがおすすめ。野球やサッカーのような野外でのスポーツ観戦に使うなら、防水機能や防塵機能が備わっている双眼鏡を選ぶと安心です。
室内のスポーツであれば、野外よりも暗いことがあるため、明るく見えるモデルを選んでください。
バードウォッチング・アウトドア
バードウォッチングでは、素早い動きの鳥を観察するため、視野が広いモデルにしましょう。倍率は7〜8倍程度が目安。動きが少ない生物の観察であれば、倍率10倍以上や、三脚で固定できる双眼鏡もおすすめです。
キャンプや登山などのアウトドアシーンで利用するときは、本体が頑丈で防水・防塵タイプなら安心感があります。
天体観測
天体観測は暗い場所で双眼鏡を使います。そのため、口径やひとみ径の数値が大きく、明るいモデルを選ぶことがポイント。対象物が遠い天体観測の場合、高倍率な双眼鏡を選んでも見え方への影響は少ないため、倍率は7倍程度でも十分でしょう。
長時間の天体観察ならば、手ブレ補正や三脚に取り付けられるモデルを検討しましょう。
双眼鏡のおすすめ20選
ここからは、おすすめの双眼鏡を一挙に20種類ご紹介します!
定番メーカーの人気モデル
ニコン ACULON T02 8×21
光の透過性を高めるマルチコート、軽量ボディ、豊富なカラーバリエーションなど、初めて双眼鏡を購入する方にはちょうどいい機能性や価格帯のモデル。ストラップやケース付きも嬉しいポイントです。
ニコン スポーツスターEX 8x25D
本体に窒素ガスを充填した本格的な防水仕様モデル。キャンプや登山などのアウトドアで使う場合に適しています。本体は折りたためるため、持ち運びにも便利。明るさや広い視野も特徴です。
ビクセン 双眼鏡 アトレックII HR8×32WP
割とコンパクトなサイズ感であるものの、口径が32mmで明るさがあります。薄暗いシーンでもはっきりと見たいときに最適。遠くも広角に見えるため、幅広いシーンで活躍します。
ケンコー・トキナー ウルトラビューH 8×21DH FMC
手のひらサイズでコンパクトな双眼鏡。本体は丈夫な素材を使っているため、野外でも活躍します。マルチコートや視度調節リングの突起など機能面も充実。三脚に取り付けることも可能です。
ケンコー・トキナー クラッシーエアー 8×21DH
防水仕様の双眼鏡。折りたたむとコンパクトになり、持ち運びも楽々。お出かけしたときにサッと取り出したい方におすすめです。
オリンパス 双眼鏡 8×21 DPC I
立体感やピント合わせの精度が高いポロプリズム式双眼鏡。風景や天体観測に向いているモデルです。野外で使用する際に目に優しいUVプロテクションを採用するなど、コンパクトながら高性能を備えています。
オリンパス 双眼鏡 8×25 WP II
口径25mmで視野の明るさが特徴です。マルチコーティングやフェイズコート処理など高水準の性能も魅力。軽量、完全防水など機能面も充実したモデルです。
リコー ペンタックス 双眼鏡 UP 8×21
フルマルチコーティングで明るい視野を実現。小さなボディに機能を詰め込んでいます。お子さんでも使いやすいサイズ感であり、家族で揃えてもいいでしょう。
キヤノン 双眼鏡 BINOCULARS 10×30 IS II
14.5mmのロングアイレリーフを実現しており、メガネをかけている方でも視界全体が見渡せます。スーパースペクトラコーティングにより、コントラストの高い像が見えるでしょう。手ブレ補正も備わっています。
コーワ YFII30-8
レンズやプリズムにマルチコートがなされており、視界が明るくてはっきり。撥油性能も優れており、レンズのお手入れも簡単です。手ブレ補正などの機能性も充実。ケースやストラップも付属します。
安い値段で買える高コスパモデル
UncleHu 双眼鏡 コンサート 12倍 12×25 Bak4
優れた光学透過機能からはっきりとした視界が魅力のモデル。目の疲労も軽減してくれるため、長時間の観察に向いています。コンパクトなデザインと丈夫な素材のボディからどこでも使いやすい点も魅力です。
MOCOYA 双眼鏡 コンサート 10倍 10×22 Bak4
非球面レンズを採用しており、ピントの合った風景などを楽しめます。マルチコーティングによる視界のクリアさ、解像度の高いプリズムなどコストパフォーマンスに優れた双眼鏡です。
SuperSunny 双眼鏡 コンサート 10倍 10×22 Bak4
ピント調節つまみにより、どんな距離の対象物もはっきりと見えます。22mmのレンズ径から明るさも抜群。軽量で持ち運びがしやすいため、ライブやアウトドアにもおすすめのモデルです。
おしゃれ&かわいいデザインが魅力のモデル
ニコン 遊 4×10D CF
厚さがわずか1.9cmという非常にコンパクトで軽量なモデル。スタイリッシュなデザインとカラーバリエーションも魅力です。マルチコートなどの性能の高さもあります。手ブレが少なく、実視野が広いためライブなどで重宝するでしょう。
ビクセン 双眼鏡 アリーナ H8×21WP
コンパクトで原色の色合いが可愛らしい双眼鏡。防水仕様、マルチコートなど性能の良さもあります。本体と同色のストラップとケースはアクセサリー感覚で持ち運べます。
ビクセン 双眼鏡 コールマン M8×21
ビクセンとアウトドアメーカーのコールマンのコラボモデル。手のひらに収まる双眼鏡であり、ポケットなどに入れて簡単に持ち運べます。手で持つ部分はラバー素材が採用されており滑りにくいです。明るさや実視界なども申し分ないでしょう。
ケンコー・トキナー SANRIO CHARAVTERS Clacci-Air
サンリオキャラクターがプリントされた双眼鏡。ハローキティやマイメロディなどのお好きなキャラクターやカラーから選べます。超軽量で8倍のモデルであり、女性や小さなお子さんにもおすすめです。
高性能を備えた「最強」モデル
ニコン WX 10×50 IF
超高視界双眼鏡であり、視界の枠を感じないでしょう。マルチコート、ロングアイレリーフ、防水構造などご紹介しきれないほどの機能や性能が魅力です。
スワロフスキー NL Pure 12×42
スワロフスキーの最上級モデルの双眼鏡。明るくて視野が広い点が魅力で、手になじみやすい本体のボディラインもメリットです。専用バッグやストラップも使いやすく、どこにでも持ち運べます。
録画機能ありのカメラ付きモデル
キヨラカ RD-S01
光学10倍ズームのモデル。拡大された対象物もはっきりとわかります。写真だけではなく動画撮影もできて、パソコンとの連動も可能。さまざまな場面で重宝するモデルでしょう。
双眼鏡はどこで買う?
双眼鏡は家電量販店やホームセンターなどで購入できます。「イベントのときだけ使いたいから買うまででもないかな……」という場合は、レンタルサービスを利用してもいいでしょう。
100均でも購入可能!
双眼鏡は100均でも購入が可能! 「凝った機能は必要ない」「とりあえずひとつ買っておきたい」という場合は、以下のようなダイソーなどの100均で買える双眼鏡を選ぶのもおすすめです。
一緒に買うと便利なアイテム
双眼鏡と一緒にストラップやケース、三脚などを揃えると使い勝手がアップ! おすすめのアイテムをご紹介します。
ストラップ
ストラップを付けることで持ち運びがしやすくなります。長さのあるストラップであれば、首にかけて目当ての対象物があったときにすぐに使えます。
ストラップは本体に付属していることも多いです。別途購入する場合は、購入前にストラップを付ける場所があるかの確認が必要です。
ビクセン リボンストラップ
ストッパーで長さを調節できるため、首にかけたり手に持ったりしやすいストラップ。カラーバリエーションもあり、性別や年齢に関係なく使いやすいでしょう。
ケース
ケースがあることで双眼鏡本体を保護できます。誤って落としてしまっても、カバーやケースに入れておけば、ある程度衝撃を抑えることができます。
ケースも本体に付属していることが多いですが、別に購入する際は本体が収まるサイズであるかを確認してください。
ビクセン 不織布ケース
簡単に収納できる巾着タイプのケース。不織布であるため、カバンやリュックに入れておいてもかさばりません。いくつか持っていても負担にならない価格も魅力です。
三脚アダプター
動きが少ない対象物や長時間の観察をする際は、三脚があると重宝します。ただし、三脚に取り付けられないモデルあります。
その場合は、三脚アダプターを用意しましょう。三脚を取り付けるネジ穴がないモデルも固定可能! ただし、購入前に本体に合うかどうかの確認を忘れずに。
Velbon 双眼鏡ホルダー
汎用型のホルダーであり、幅広い双眼鏡に対応しています。重量が400gまでの双眼鏡をホールド可能。ワンタッチでの取り付けもできて、使いやすいです。
イベントやアウトドアを大迫力で楽しめる!
コンサート、音楽ライブ、スポーツ観戦、アウトドアなどさまざまなシーンで活躍する双眼鏡。双眼鏡は利用シーンによって適するタイプが異なります。
利用シーンを踏まえ、明るさや広角、手ブレ補正などの機能をチェックして、自分に最適な双眼鏡を見つけましょう。ぜひイベントやアウトドアを大迫力で楽しんでみませんか?