ピン張りにはいくつかポイントがある

ベースはワンポールテントの「ウータS TC」ですが、完成形からなんとなくイメージできるように、やはり、綺麗に張るにはコツの要る部分がいくつかあります。
1度うまく張れても次で失敗……なども経験した筆者が、そんな設営の手順とそのポイントをご紹介します。
1|ペグ20数本+ハンマーは自前で

セット内容は、フライシート・インナーテント・センターポール1本・フロントポール2本・サイドポール2本・3mと2mのロープが計12本・ポール&ロープ用の収納ケース。
コストカットの意図かペグやハンマーは付属せず、自前で準備します。ペグは最低20本は必要で、ソロ用としてはかなり多め。
正面ドアを跳ね上げる場合は、ポールも別途必要です。
2|地面に広げ…前はどっち?!

「ウータS TC」は前後が明確に決まっているテント。なので、地面にセットする段階で正しい向きに置くべきですが、これがいきなり難しく……。
というのも、どちらが正面かマニュアルにも一切記載がないんです。

正面側を見抜くポイントは、まず天頂部の「ベンチレーター」を見つけること。
後側の開口部は、ドアパネル以外には「ベンチレーター」のみなので、これが「真後ろ」の目印になります。

ロゴも1箇所しかなく、これは正面を向いて「右後ろ」に位置します。これを知っているだけでだいぶスムーズになるので、ぜひ覚えておきましょう!
3|スタンディングテープが肝…

向きが決まったら、最初に固定するのがグレーのスタンディングテープ。これが綺麗な長方形を保つよう、4隅をペグダウンします。
ただし、フライシートにくっついて位置関係が分かりにくく、そのくせこれを綺麗に張っていないと、最終形が崩れてしまうというクセモノ。
画像のように、テント本体をいったんテープの内側に入れながらペグダウンすると、全体像を掴みやすいです。

お次は黒いスタンディングテープのうち、サイドポールと連結する2か所を、本体両サイドへ引っ張り出してペグダウン。
サイドポールのガイラインを兼ねた3本のテープが繋がる複雑な構造、かつ、グレーのスタンディングテープが綺麗に張れていないと、うまく引っ張れないので要注意。
この先の行程にも影響するので、ここは仮打ちをおススメします。
4|センターポール立ち上げは簡単

計6箇所ペグダウンしたところで、センターポールを正面からテント内に入れて立ち上げます。
コツも不要だし簡単で、「ウータS TC」がワンポールテントなのを思い出せる貴重な瞬間です。
5|外側4本のポールが最難関

*画像は赤がセンターポール、黄色がサイドポール
続いて、フロントポール2本、サイドポール2本をグロメットに挿して立ち上げ、全体の形を作っていくステップですが……。

*画像はサイドポールの部分のアップ
特にフロントポールは自立せず、ペグとガイロープで固定しながらの作業がひと苦労。どうしても傾いたり、左右のバランスが崩れたり……。
もはやポールがハマらないこともあり、そうなると、2や3のステップを見直してやり直しです。

ちなみに、フロントポールの立ち位置は、内部のビルディングテープの交差個所が左右ともキレイな直角になっていれば正解!
うまく張れないときはフロントドアを開け、ここを確認すると分かりやすいですよ。
6|ガイロープ取り付けで完成


ここまでできたら、あとは後ろのボトム2箇所とガイロープポイントを張り、ペグダウンすれば完成!
スムーズにいけば20分ぐらいで設営完了。ですが、初心者ならずとも、コツを掴むまでは結構難しい部類のテントかと思います。
綺麗に張れたときの条件として、「地面が比較的フラット」「ペグが刺さりやすい」ことも大きいと感じたので、慣れるまではこの辺も考慮すると良さそうです。
薪ストーブにトライ!
*幕内での火器の使用は一酸化炭素中毒や火事などのリスクを伴い、多くのテントメーカーでは推奨していません。十分な換気や一酸化炭素チェッカーなどの対策をして自己責任の上で、お願いします。
インナーテントと併用は不可

薪ストーブをインストールする際にまず注意したいのが、インナーテントを併用できない点。
バックパネルの「トリプルファスナー」から薪ストーブの煙突を出すのが最もスムーズなレイアウトかと思いますが、そうなると設置位置が重なってしまうからです。
なので、薪ストーブ使用の際は、厚めのダウンシュラフや電気毛布、断熱性の高いマットなど、就寝時の防寒対策をしっかりと。
ソロなら薪ストーブ有りでも広い

今回、薪ストーブはテンマクデザイン「ウッドストーブM」を使用。長さ57×横幅52.6cmと、標準的なサイズの薪ストーブです。
「トリプルファスナー」の位置に合わせると、設置場所はかなり限定されますが、この規模のストーブなら窮屈さは皆無。デッドスペースも少なく、ソロならレイアウトも余裕です。
センターポールも干渉せず、ストーブ前にチェアを置けば、座ったままで薪を入れられます。メーカー非推奨ながら、薪ストーブレイアウトにも非常に使い勝手のよい設計と言えます。
中から開閉OKなベンチレーターが便利

そもそも、天井が高く裾広がりのワンポールテントは、薪ストーブでも温度が上がりにくいもの。「ウータS TC」も例に漏れず、外気温+10~12℃ぐらいの上昇が限界でした。
ただ、「ベンチレーター」を一時的に閉じ、上からファンで熱気を下ろせば、さらに+15℃ぐらいは上昇。
一方で、換気のために頻繁に開ける必要もあり、このファスナーがテント内側から簡単に開閉できるのはとても便利でした。
なお、結露による水滴ダレはほぼなく、さすがTCテントと実感!
ほかにもこんなトコロがイイ!
ほかにも「ウータS TC」で、「お、使い勝手がいいな」と感じたところをまとめてみます。
取り付け簡単インナーテントは寝心地最高

インナーテントの設置は、上部をセンターポールにフックとベルクロで固定、床はフックとペグダウンの各2箇所で固定します。分かりやすくて簡単だし、開口部も広くて快適。
しかもコット2つぐらいは置けそうな広さ! メッシュにもできるので、ソロテントの寝室としては贅沢すぎるほど。
スカート部だけはポリ素材

TC素材のテントですが、地面に接するスカート部分だけは完全なポリ素材となっています。これが地味に大助かりで、濡れても拭き取ればよいうえ乾燥も早いんです。
おかげで、「ウータS TC」は完全乾燥撤収が非常にしやすいテントだと言えます。
この辺は正直気になる…
設営にコツが要る以外に、ちょっと気になったところは下記の通り。
前屈姿勢の出入りで腰が…(涙

外周3/4ほどがぐるっと開口部の「ウータS TC」は、1番高さのある正面が出入り口。
が! 120cmの高さしかなく、毎度、前屈姿勢で出入りするのは腰痛持ちにはキツイものが。
景色を楽しむ意味でも、チェアなどはロースタイルが望ましいのですが、立ち上がるしんどさも相まって、とにかく「座ったら出られない」テントだなと感じました。
ランタンを吊るす場所が限定的

ベースがワンポールテントで、それ以外のポールは幕の外にあるため、ランタンを吊るす場所は必然的にセンターポール一択となります。
ですが、テントの横幅もあり、センターポールに1つ吊るしただけでは、明らかに光量不足。

一応、フロントパネル両サイドには小さなループが。
光量不足を補うために、また先進的なテントデザインを活かすライティングをするにも、ぜひここを活用したいところです。

筆者の場合、ベアボーンズの3連ライト「エジソン ストリングライト」にもう1つ追加して、計4つの「エジソン」を駆使したライティングに。結構オススメな感じです。
それでも前側に照明が集中するため、卓上にもポールを立ててランタンを吊るしています。
背部のメッシュはきっちり巻こう

メッシュはバックパネルとは独立していて、「トリプルファスナー」とも連動していません。なので、薪ストーブ使用時はこんな風にメッシュだけを巻き上げる必要があります。
しっかり巻いて縛れば大丈夫ですが、この処理が甘いと、ストーブにメッシュが触れて火災のリスクがあります。ここは十分に気を付けて管理しましょう。
コツさえ掴めば 、唯一無二の相棒に!

3ヶ月使ってみた結果、秋冬向けのTC素材なのも然り、ペグ&ハンマーの用意やコツの要る設営も含め、やはり、初心者向けとは言い難いテントだと実感。
とはいえ、しっかり設営のコツさえ掴めば決して扱いの難しいテントではありません。
それよりも、オシャレで落ち着くムードや、隠れ家的な魅力を多くの人に楽しんでほしい感があります。特に、冬のソロキャンプの相棒として、「ウータS TC」はかなり頼もしいですよ。
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