今年で15周年。
広大な敷地で開かれるお祭り
群馬県はみなかみ町に位置する「水上高原リゾート200」。
普段は、ゴルフ場として利用されるこの場所で、二日限りで開催されたのが「NEW ACOUSTIC CAMP 2024(ニューアコ)」です。
今年で15周年を迎える本イベント。コンセプトは「わらう、うたう、たべる、ねっころがる」。
都市型イベントとも、音楽フェスとも一味違う、自由にアウトドアライフと音楽を楽しむ特別な時間が流れています。
当日、エリアマップを開いてまず驚くのが、その広さ。
ゴルフ場がまるまるイベント会場になっているだけあって、敷地は広大。
その中でも、今回、レポートするのは「NIMBUS AREA(ニンバス)」の当日の様子。
一般のお客さんに混じり、イベントを楽しんだ2日間の感想をお届けします。
キャンパーが集い憩う「ニンバス」エリア
朝の8時。
前日までのぐずついた空模様とは打って変わり、清々しい青空がお出迎え。
標高約1000mに位置する会場には、涼しげな風が吹き、残暑の日差しが降りそそぎます。
爽快な空気に後押しされ、お客さんたちの足取りも軽く、これから始まる愉快な2日間に心躍らせながら、入場します。
ニンバスエリア周辺は、車が乗り入れできるオートキャンプサイト。ゴルフ場のグリーンの上にテントを設営できるのもニューアコの醍醐味です。
エリア内には、キャンプを盛り上げるブースが数多く出店。
石垣島に拠点を置く「REHELLOW(リハロウ)」では、名物の「にんばすそば」やコーヒーを提供。
そのリハロウブース内で、今年はランタンシェードで人気の「COLONISTA」がPOP UPストアを展開し、コラボ品を限定発売していました。
キャンプといえばお酒。ウィスキーの名門「Dewar’s(デュワーズ)」では、オリジナルハイボールが味わえます。
私たちCAMP HACKチームもブースを出店。けん玉やティキトスを始めとした、アナログだけどつい夢中になるコンテンツをご用意しました。
夜には、焚き火台に火が灯り、団欒の時間に。
手作り感のあるアコースティックな光に誘われ、食べて飲んで、わらって、ゆるりと過ごす空間が出来上がります。
個性的なワークショップの数々
ニューアコには「NIMBUS(ニンバス)」エリアのほかにも「WEST」「HERE」「YONDER」という複数のエリアに分かれ、それぞれが少しずつ違った雰囲気があります。
そしてニンバスエリアだけ個別のタイムテーブルが用意され、コンテンツ盛り沢山。歌って、笑って、食べれて、寝っ転がって、さらに学べる。ニューアコを象徴するひとつの村のような存在なんです。
さて1日目の土曜日、「ニンバス」エリアでまず始まったのが「火起こしタイムトライアル」。
焚き火マイスター「猪野正哉(いの・まさや)」さんが講師を務めるこのコンテンツでは、その名の通り、参加者たちが火起こしまでのタイムを競い合います。
使う道具は、ファイヤースターターと麻ひも。
実際に試してみると、これがなかなか難しい。ライターを使う着火とは、勝手が随分と違います。
「全然つかない〜!」と諦めムードが漂うなか、コツを掴みはじめたのは子どもたち。
数分かかっていたタイムが、最後は、コンマ数秒の競い合いになるまで上達。
滴る汗を拭いながら、必死に挑戦するその横顔に、周囲からは自然と「がんばれっ」と声が漏れてくる。
ピースフルで一体感のあるワークショップでした。
子供たちの姿を眺めながら、大人たちが意気揚々と参加していたのが、ウィススキーブランド「Dewar’s(デュワーズ)」によるハイボール講習。
プロのバーテンダーが、美味しいハイボールの作り方を指南します。
ウィスキー、炭酸、氷。たった3つの材料でそんなに味が変わるのかね……と疑心暗鬼な気持ちで参加してみるとびっくり。
安酒飲みのバカ舌の筆者にも明確に分かる、まろやかさとキレの良さ。
設営でカラカラに乾いた喉に、スッと染み込む爽快感。おもわず「もう一杯」。
「帰りにデュワーズ、買っていこうかな」とまんまと心が揺さぶられたのでした。
お昼から夕方までは、人気アーティスト「森田くみこ」や「LOW IQ 01」のステージタイム。
参加者を巻き込みながら、即興で音楽を作るワークショップとアコースティックの生音ライブに引き寄せられて、会場に続々と人が集まってきます。
スカッと晴れた空の下、心地よい音楽とご飯。芝生の上にゴロンと寝転がれば、幸せな気分に満たされます。
日が傾き、会場を行き交う人たちがジャケットを羽織りはじめたころ、始まったのが「焚き火マイスターによるアツい豆知識」。
キャンパーには身近な焚き火。でも意外と知っているようで、知らないことも多いのでは。
焚き火を自らの仕事とする猪野さんが、自らの経験をもとに集めた豆知識を伝授してくれました。
ちなみに、筆者的なナンバーワン豆知識は、「焚き火でマシュマロを焼いたあとに醤油をつけたら、みたらし団子の味になる」。
そんなバカな!と思ったならぜひ一度お試しを。さすがは焚き火マイスター。造詣が深まるひとときでした。
昨夜のお酒と、疲労感が少し残る2日目の朝。
ニンバスエリアは、「コーヒー自家焙煎体験」からスタートします。3部制に分けられた体験会は、すぐに満席に。
豆の選び方から焙煎、ドリップ方法まで細かなノウハウを学ぶことができます。
ワークショップが終わる頃には、隣接したキャンプサイトまで豆の良い香りが。自然と早起きできるキャプインフェスだからこその体験です。
1日目とは打って変わって、お昼以降の空模様は下り坂に。
そんななか、どんよりした天気と気持ちを吹き飛ばすように、ニンバスエリア最後のコンテンツとして始まったのが「ニンバスけん玉大会」。
豪華なキャンプギアをかけて、参加者がけん玉でバトルします。
MCのお題に従って、「大皿」→「小皿」→「とめけん」と難しくなっていく技。最後まで成功し続けた人が景品をゲットできる、昭和的だけど実力主義のコンテンツです。
数十年ぶりにけん玉に触る大人から、学校で習ったばかりの子供たちまで、関係なく壇上に上がり、勝負します。
「あー」という悔しさの声と、「おぉー」という歓声。大会が進むにつれて、会場は大盛り上がり。
締めのコンテンツにふさわしい熱狂ぶりでした。
みごと、景品をゲットした方はおめでとう。失敗ちゃった方はぜひまた来年。
「こんど、けん玉買って!」
帰り際、お母さんお父さんにねだる子供たちの後ろ姿が、なんだか微笑ましく、印象的な今年のニューアコでした。
来年も会いましょう!
今年もあっという間に時間が過ぎた「NEW ACOUSTIC CAMP 2024」。
今回、ご紹介できたのは本イベントのほんのわずかな魅力。広大な敷地の中には、もっと濃厚で濃密な体験が溢れています。
ライターとしては恥ずかしがらも、文章では到底伝えきれない。実際に来てみないと分からない楽しさがあります。
今年、来た方は来年も。来れなかった方はぜひ来年。
またニューアコでお会いしましょう!