極限状態で思い出した夢「キャンピングカーを買う」
ストレスが限界を超えていた自宅保育・在宅ワークの日々。般若みたいな顔をしながら疲弊していく毎日をなんとかしたくて、ふと「自分の夢ってなんだったっけ?」と、マインドマップを書いてみました。
「キャンピングカーを買う」
真っ先に書かれたその文字。まさか実現するとは思わず、妄想を膨らませていました。(写真は、後日妄想が現実になり、キャンピングカーで仕事している様子)
筆者のプロフィール
森木香蛍(もりき かほ)
アウトドアが好きな両親のもとで育ち、学生の頃にはバックパッカーとして約20ヶ国を巡る。スキーインストラクター、ヨガインストラクターを経て、現在は撮影の仕事をメインに活動中。アクティブなインドア派。副業カヤックインストラクターの夫、2人の子ども、黒猫1匹と日常の延長にあるアウトドアを楽しむ。
キャンピングカーは高嶺の花?
仕事柄、7割近くはWiFiとパソコンさえあれば良いため「ここ(自宅)じゃなくても良いのでは?」と、妄想が構想へと展開して行きました。
雪山に行きたいので、4WD、FFヒーターは必須。寒冷地仕様の中古は台数が少なく、選択肢が限られています。
この時点では、まだどこか、キャンピングカーはブルジョワな人たちの乗り物で、我が家には夢の乗り物。そう思いながらも、気分転換のドライブも兼ねて、いくつかのキャンピングカー販売店に足を運びました。
ゆとりある高年齢層だけでなく、若い世代のオーナーも増えている
「キャンピングカー白書」によると、この10年でキャンピングカー販売総額はなんと3倍に! セカンドライフを楽しむ高年齢層だけではなく、若い世代も増えているようです。
キャンピングカーと言っても、フルコン、セミコン、キャブコン、バスコン、バンコン、軽キャン、トレーラーと種類があります。その中でも、日本で最もメジャーと言われているのがキャブコン(キャブコンバーション)です。
最高峰のフルコン・セミコンより価格が安く、かつファミリー層に十分な居住空間。立って車内を歩ける快適さは、車というよりも「動く家」です。
運命の出会い!ハイエースベースの「セレンゲティ」
とはいうものの、キャブコンは「でかい!」「運転が怖そう」というイメージがあり我が家の候補には入っていませんでした。
映画「ノマドランド」で、バンのキャンピングカーを見ていた影響もあり、「買うならバンコンかなぁ」とぼんやり。
ところが、そのイメージは「キャンピングカーランド京都店」さんで大きく覆されます。バンコンを一通り案内して頂き、帰ろうとしたその時、「ご家族でしたら、これなんかも良いかもしれません」と見せて頂いたのがファンルーチェ「セレンゲティ」でした。
ハイエース乗りに親しみやすいキャブコン「セレンゲティ」
キャンピングカーに詳しくない方でも、ハイエースならご存じではないでしょうか? そのハイエースをベースに、「キャンピングカーランド」の自社ブランド「ファンルーチェ」が出しているキャンピングカーが「セレンゲティ」です。ファンルーチェのフラッグシップモデルとも言われています。
キャブコンながらハイエースベースのため、ハイエースの運転経験がある人には親しみやすいキャンピングカーです。
サイズ比較
●セレンゲティ:全長4,990×幅2,100×高さ2,840mm
●ハイエース スーパーGL ロング ワイド ミドル:全長4,840×幅1,880×高さ2,105mm
●アルファード:全長4,850×幅1,850×高さ1,950mm
足を運んだからこそ出会えた1台
販売店のお客様の中古車ということもあり、ネットに出ているものより安価でした。
たまたま4WDでFFヒーターがついて、寒冷地仕様の車体。キャンピングカーで雪山に行きたい我が家には、絶妙にピッタリなスペック!
スペックを含め、白を貴重としたスッキリとした外観、ハイエースベースであること……その魅力が、キャンピングカー購入を一気に加速させます。
納車!マンション住みでキャンピングカーを持つ
マンションでキャンピングカーを所有するにあたって、引っかかってくるのが、まず駐車場問題。
幸い、今契約している月極駐車場は屋根がなく、大家さんのOKも出たので停められることになりました。ただ、車2台分の駐車場代は払いたくないなと思い、ファミリーカーは一旦手放します。
マンションではサブバッテリー充電ができない
マンションで次に気になる点は、駐車場近くに自由に使える電源がないことです。
まず、キャンピングカーには、メインバッテリーの他にサブバッテリーがあります。サブバッテリーは、FFヒーターや車内の照明、冷蔵庫など、車内の電化製品の使用を担います。
キャンピングカーの充電方法は3つ
充電方法は、①走行充電、②AC100Vコンセントに差し込む外部充電、③ソーラー充電の3つ。
駐車場のある一軒家であれば、家や庭先のコンセントにつなぎ、一晩充電しておくことができますが、マンションでは基本的にできません。
我が家の解決方法
我が家のセレンゲティにはソーラーがついていません。つまり、RVパークに宿泊した際に充電するか、走行充電頼りです。
今のところ、ポータブルバッテリーも上手く活用しているため、電力が足りなくなったことはありません。
ただ、「庭付き一軒家に早く引っ越したい」と、かねてから目論んでいた移住案に拍車がかかります。家というより、電源のある土地がほしいです(笑)。
普段乗りではココが気がかり!
立体駐車場はほぼ全滅です!(キッパリ)
ただ、例えば立体駐車場のモールでは、停められる場所を案内してくれるお店もあります。また、一般駐車場は極端に狭いところ以外は問題なく停められます。
たしかに停めにくいけど、悪いことばかりじゃない
これは副産物的なことですが、車必須ではない移動は、公共機関や徒歩、自転車を使うようになり、自然と健康的な生活になりました。
以前から目論んでいた「車の使用は必要最低限にしたい」という理想を実現するきっかけとなり、総体的に、生活範囲が限定されるというより「洗練された」気がしています。
子どもとの毎日に余裕が生まれたキャンピングカーライフ
キャンピングカーを買ってからは、メリットばかりで「なんでもっと早くに買わなかったんだ」という後悔があるくらいです。
子どもとの時間は、長いようで過ぎてみれば一瞬。中学生の長女は、もう家族とは出かけたがらない年齢にさしかかっています。
キャンピングカーを買ってからは、「◯◯に行ってみたい」と自ら提案してくれるようになりました。(母感動!)
幼児の息子との旅も、キャンピングカーだと快適です。
好きな時間に出発して、気に入ったところで泊まって、「トイレー!」と渋滞中に言われても車内のトイレで済ませられます。道中で思いついたら旅程を変えるもよし、変幻自在に自由に家族で旅を楽しめます。
テントを張ったり片付ける必要もないため、夫不在の日でも、子どもたちを連れて、ふらっと旅に出ることも楽々。
ママとして、アウトドア好きとしても大満足
家族の一員となった「セレンゲティ」。
買って最初に感動したことは、キャブコンにすれ違うと、ほとんどの方が手を振ってくれることです。登山者同士の挨拶みたいで、ちょっと嬉しくなりました。
そんな楽しみも、キャンピングカーを所有する醍醐味の1つですね!