イワタニ新製品「mini-maru」
2022年4月1日にカセットこんろ・ボンベの大手メーカー・岩谷産業株式会社からカセットガスホットプレート「mini-maru(ミニマル)」(実勢価格:10,000円前後)が発売されました。
キャンプやアウトドアにも便利なカセットガスのホットプレートで、「焼き上手さんα」のミニサイズ版のようなアイテム。広さがない分、「焼き上手さんα」よりもプレートに“深さ”があるので、ラーメンや鍋料理などの煮込み料理にも対応してくれます。
1〜2人用サイズなので、これまで「焼き上手さんα」はちょっと大きすぎるかも……と感じていた人には最適。より幅広いシーンでの活躍が期待できそうですね。
イワタニ mini-maru
サイズ | 本体:302×282×193mm(幅×奥行×高さ) プレート:232×232×46mm 最大寸法(幅×奥行×高さ) プレート内寸:212×212×23mm(幅×奥行×深さ) |
---|---|
重量 | 約2.8kg(ボンベは含まず) |
火力 | 1.28kW (1,100 kcal/h) |
連続燃焼時間 | [イワタニカセットガス使用時] 約175分 |
ガス消費量 | 約92.9g/h |
材質 | [本体] 鋼板(粉体塗装)、[プレート] アルミダイカスト(フッ素樹脂加工)、[バーナー] 耐熱アルミダイカスト、[器具栓つまみ] ABS樹脂 |
けど、アレにも似てる気がする……
「mini-maru」を見た筆者は、疑問がひとつ浮かび上がりました。「鉄板焼プレートと似ているんじゃないか……?」。
そうなんです、同社のカセットこんろ用プレート「鉄板焼プレート」と使い勝手が似ているんです。
「鉄板焼プレート」も「mini-maru」と同じくそこそこの深さがあるので画像のような汁モノもいけますし、カセットコンロに乗せるだけの簡単準備でとても便利。
イワタニ 鉄板焼プレート
サイズ | 幅325×奥行290×高さ48mm |
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重量 | 約1,010g |
材質 | アルミニウム合金 (内側:フッ素樹脂加工、外側:焼付塗装) |
見てわかる「mini-maru」と「鉄板焼プレート」の比較
調理面(スペース)の大きさが違う
「鉄板焼プレート」(左)と「mini-maru」(右)をキャンプシーンを想定して「HUGEL ウッドグレインテーブル WGT-1100 ナチュラル」110cm×70cmの上に並べて置いてみました。
みてのとおり調理面積にはかなり差があります。
「鉄板焼プレート」の調理面積は約28cm×28cmになっています。面積でいうなら784㎠。料理をするにも結構余裕がありそうです。
「mini-maru」は約21cm×21cmで面積は441㎠。「鉄板焼プレート」は約1.8倍の調理面積をもっていることになります。思った以上に差は大きいですね。
鉄板の深さがかなり違う
だいたい同じくらいに思っていた深さですが、かなり深さが違いました。この深さの違いが調理の幅に大きく影響しているといえるでしょう。
「mini-maru」の鉄板の深さは約3cm。この深さが炒める、焼くのほかに煮る、蒸すといった調理のバリエーションを生み出すのでしょう。
一方、「鉄板焼プレート」の鉄板の深さは約1.5cm。炒め物の際のフチとしては十分機能しますが、煮るや蒸すといった調理を行うほどの深さはないようです。
実は火力もかなり違う
「鉄板焼プレート」のコンロとして使用した「カセットフー “達人スリムⅢ”」(以下、「達人スリムIII」)(左)とバーナー部分を露出させた「mini-maru」(右)。
バーナー部分の大きさには差はありませんが、実は火力がかなり違います。
「mini-maru」の火力は最大1.28kW(1,100kcal/h)なので、カセットこんろとしては、あまり火力の強いものとはいえません。
「鉄板焼プレート」の熱源として使った「カセットフー “達人スリムⅢ”」は最大発熱量 が3.3kW(2,800kcal/h)と「mini-maru」に比べて2倍以上の熱量を発生させることができます。
フタのある・なしはかなり重要
「mini-maru」(右)には標準でフタが付いてきます。これによって約3cmの鉄板深さにフタの高さがプラスされ、約5.6cmの高さを確保。茹でる、蒸すといった調理に便利な構造になっています。
一方、「鉄板焼プレート」にはフタは用意されておらず、茹でる、蒸すといった調理には向かないといえるでしょう。
同じように感じる人もいるかもしれませんが、みえる部分だけで「mini-maru」と「鉄板焼プレート」にはいくつもの差があります。
「mini-maru」と「鉄板焼プレート」はこんな人におすすめ
「mini-maru」はこんな方におすすめしたい!
イワタニ mini-maru
サイズ | 本体:302×282×193mm(幅×奥行×高さ) プレート:232×232×46mm 最大寸法(幅×奥行×高さ) プレート内寸:212×212×23mm(幅×奥行×深さ) |
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重量 | 約2.8kg(ボンベは含まず) |
火力 | 1.28kW (1,100 kcal/h) |
連続燃焼時間 | [イワタニカセットガス使用時] 約175分 |
ガス消費量 | 約92.9g/h |
材質 | [本体] 鋼板(粉体塗装)、[プレート] アルミダイカスト(フッ素樹脂加工)、[バーナー] 耐熱アルミダイカスト、[器具栓つまみ] ABS樹脂 |
「鉄板焼プレート」はこんな方におすすめしたい!
イワタニ 鉄板焼プレート
サイズ | 幅325×奥行290×高さ48mm |
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重量 | 約1,010g |
材質 | アルミニウム合金 (内側:フッ素樹脂加工、外側:焼付塗装) |
以降では、実際に調理して、その違いを検証しました。
「mini-maru」ならこんなこともできる!
ご飯を炊くことも可能
筆者は何度か「mini-maru」で料理をしているうちに「絶対ご飯も炊ける」と確信したので、実際に試してみました。
筆者の場合、無洗米1合に対して、水を250ml加え、30分以上吸水させた後、そのままご飯を炊き上げます。フタをして火をつけたら、強火で沸騰するまで加熱。沸騰したら弱火に変えて10分もしくは水蒸気が上がらなくなるまで加熱して、火を止めます。このあと、15〜20分程度、蒸らせば炊きたてご飯の完成です。
結果は上の写真のとおりで、美味しく炊けたご飯の証ともいわれる「カニの穴」が現れた状態で、しっかりと炊き上がりました。当然、味も問題ありません。
袋インスタントラーメンを作ってみた
ご飯が炊けるのなら、袋インスタントラーメンも作れるはずだ……!と考え、実際に作ってみました。
キャンプやアウトドアでも便利ですが、テレビを見ながらリビングのテーブルで、袋インスタントラーメンを作るのにも活躍してくれそうです。
こちらも問題なく完成するのですが、袋インスタントラーメンを作るには、ややプレートが浅すぎるのか、スープの量が少なめになってしまう傾向。ちょっと多めに水を入れるなどの対策をしたほうがおいしく食べられるでしょう。
パエリアにも挑戦してみた
ご飯の炊飯ができて、袋インスタントラーメンもだいたい作れる……ということであれば、パエリアがちょうどいいはず。
筆者の偏見ですが、パエリアがアウトドアで作れると謎にカッコいいし、映えそうではありませんか!
「炒め」と「煮る」の両方に対応できる「mini-maru」は、調理過程が複雑なパエリアにも十分対応してくれます。思ったとおり簡単に調理することができました。
完成したパエリア。見た目もかなり映えるので、今後もチャレンジしたいと思っていますが、お米に火が通るタイミングをつかむのが最初は難しいですね。
しかし、うまくいかなかったときはフタをして、弱火でさらに加熱、蒸らして火を通すことができます。こんな裏技が使えるのもフタ付きの「mini-maru」のいいところです。
「鉄板焼プレート」は炒めものに最適
「mini-maru」のいいところを紹介したので、「鉄板焼プレート」の得意分野もご紹介しておきます。
焼きそばや冷凍チャーハンが美味しくできる!
当たり前ですが「鉄板焼プレート」は、ひき肉やもやし、細かな具材を炒めても、焼肉の網のように具材が編み目から落ちることもなく、気持ちよく焼きそばが作れます。
また使用しているコンロ「達人スリムIII」は火力が強いためか、麺がべちょべちょにならず、おいしく仕上がりました。家族からも好評です。
冷凍チャーハンも「鉄板焼プレート」で作ってみました。冷凍チャーハンは買ってきて炒めるだけなので、とっても簡単。
「鉄板焼プレート」の場合、プレートのフチが浅いのでこぼさないように気を付ける必要があります。この点では「mini-maru」のほうが優れているといえるでしょう。ただし、調理面の広さと「達人スリムIII」を使っているため、火力という点では「鉄板焼プレート」の方が優位です。
また、シンプルに肉を焼く際にも、火力の差が出てきます。単純に肉を焼くなら、筆者は「鉄板焼プレート」+「達人スリムIII」をおすすめします。
「mini-maru」と「鉄板焼プレート」・それぞれに一長一短
実際に使ってみて、わかったことをまとめるの以下の印象です。
「mini-maru」は
一方「鉄板焼プレート」は
「mini-maru」はひとり、ふたりといった少人数で、さまざまな料理を楽しむのに向いているのに対して、「鉄板焼プレート」は焼肉、焼きそば、お好み焼、パンケーキといった焼き物メニューを大人数での楽しむのに向いているといえるでしょう。
それぞれの特徴を活かして「mini-maru」と「鉄板焼プレート」、またはそのほかの「カセットこんろ用プレート」と組み合わせて使うとより便利です。
撮影協力