20年ぶりに“あのカメラ”を使ってみました
突然ですが、写ルンですを使ったことはありますか? 恐らく「昔は使ってたけど、最近は……」という方が大半なはず。
1986年に登場して以来、高価な存在だったカメラを身近な存在にし、撮る楽しさを教えてくれた名品を20年ぶりに使ってみました。
おっと、自己紹介が遅れてしまいましたね。以前テントサイトを上手く撮るコツについて解説させてもらったことがある、カメラマンの宿利と申します。
今回お見せするのは、気心の知れた友人とキャンプへ行ってきた際の写真です。
懐かしさを感じる色味や雰囲気などを楽しんでもらえれば幸いです。そして改めて写ルンですを使いたくなった方のために、撮影する際のちょっとしたノウハウもご紹介します。
では、まずは写真からどうぞ!
「写ルンです」で撮ったキャンプ風景
山梨県にある「山伏キャンプ場」に行ってきました。
使ったのは、お気に入りのノースフェイス「トレイルヘッド6」とMSR「パビリオン」。
燃えるように赤く染まったもみじがキレイ。
落ち葉を見ると童心に帰ってしまうのは私達だけではないはず。
遊んでお腹が減ったので、コロッケを作り……
かんぱーい!
寒い時期はやっぱりおでん。
シェルター内ではフジカハイペットが、じんわりあったか〜い。夜が更けます。
翌朝は快晴。
モーニングコーヒーは欠かせません。
のんびりと撤収開始。
お気に入りのレストランへ行って、さぁ帰ります。
いかがでしたか?
改めて見る、写ルンですの写真はどうでしょうか。スマートフォンやデジカメにはない、フィルム独特のざらついた質感に、懐かしさだけでなく新鮮味を感じた方も多いのでは?
「久しぶりに使ってみようかな〜。」と興味が湧いた方のために、撮影する際に気をつけるべきポイントをご紹介します。
「写ルンです」を使う際の注意点は3つ
暗いところでは写りにくい
これがデジカメとの最大の違いです。暗いシーンではフラッシュを使わないと全く写りません。薄暗くなる夕方から、フラッシュを使うように心がけましょう。
思っていた構図と微妙にずれて感じるかも
写ルンですは、ファインダーから見える景色と、実際に撮影するレンズの景色にはズレが生じています。そのため、仕上がり写真が思っていた構図とちょっと違う、なんて場合も。ただし、わずかな差なのでそれほど気にすることはありません。
また、ズレが原因で起こるもうひとつの注意点は、指の写り込み。ファインダーで覗き込んでいるときは見えなかったのに、現像した写真には指が……! なんてことにならないためにも、シャッターを押す前に、指がレンズにかかっていないか確認するのがベター。
近寄って撮影するとボケてしまう
焦点距離は1m〜無限遠。つまり1m以上離れないとピントが合わず、逆に1m以上離れていればピントが合うように設計されています。
そのため接写よりも、引いた画の撮影向きです。
気になるお金のハナシ
いくらで買えるの?
過去には、夜景が撮れるタイプやブレに強いものなどがありましたが、スマートフォンの普及により生産が縮小。現在販売されているのは、防水タイプと2001年からの定番モデルのみです。
定番モデルは1,300円前後、防水タイプは1,500円前後が相場。防水の方は今年の12月に販売が終了してしまうため、気になる方は早めのゲットがおすすめです。
現像代はどれくらいかかる?
現像はカメラのキタムラのような写真用品店か、ヨドバシカメラなどの家電量販店でできます。お店によって料金は異なり、現像のみであれば500円〜1,000円程度。
また、別料金でスマートフォンへの転送やCDデータ化も依頼できるので、事前に希望のサービスの有無や料金を調べるのが◎。
改めて使って欲しいンです
27枚という制限の中で、緊張感を持って一瞬一瞬を大切に切りとってみると、改めて“撮る”楽しさを感じます。興味を持った方は、ぜひ次回のキャンプで試してみてくださいね。
執筆:宿利泰蔵
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