さすが自衛隊、プロの技が満載
世間で話題の本『自衛隊防災BOOK』(マガジンハウス刊)をご存知ですか。その人気はとどまるところを知らず、いまや30万部を超えるベストセラーとなっているんです。
この大ヒット作にキャンプヒント満載
基本的に自衛隊ならではの災害対策テクニックが書かれている本なのですが、じつはこの中に、キャンプでも応用できるものがかなりあるんです!
それではさっそく実践してみましょう。
アイデア① 懐中電灯をランタン代わりに
- パラパラとめくってみてピンときたのが「懐中電灯をランタン代わりにする方法」。うーんこれは役立ちそう。
けっこうありがちなランタン忘れ
「自衛隊防災BOOK」によると、懐中電灯がランタンの代用になるのだそうです。「しまった、ランタン忘れた」なんてときも安心できそう。
懐中電灯はまっすぐな光だけど……
懐中電灯はとても明るいですが、特定の対象を照らすよう設計されているため、基本まっすぐな光です。これをサイトに吊るしても真下の地面が明るくなるばかり……。
まわり全体を明るくしてくれるランタンとはかなり性質が違っていますよね。はたして本当にうまくいくんでしょうか。
ビニール袋で乱反射
そこでこの本のアイデアの出番です。ビニール袋を使います!
こんなふうに、懐中電灯の先に輪ゴムでくくりつけます。
そして暗がりで吊るしてスイッチオン。ご覧のとおりみごとLEDランタン代わりになりました! ビニール袋はなるべくクシャクシャ、ふんわりさせるのがコツ。
袋に光が乱反射することで、サイト全体を明るくしてくれるのです。光源が袋の真ん中あたりに位置するようセッティングしましょう。
新聞紙で乱反射
同じやり方で、新聞紙でもやってみます。「ビニール袋がない……」ってこともありますもんね。
クシャっと丸めて、懐中電灯にかぶせます。
いざ、スイッチオン! うーん……ちょっと光の拡散力に欠けるような。
下側が部分的に明るくはなるんですが、やっぱり光の反射具合を考えるとビニール袋のほうがランタンらしいかもしれません。
アイデア② ツナ缶をローソク代わりに
- 懐中電灯がランタン代わりになる、というのを実証しましたが「いやー懐中電灯も忘れちゃって……」なんてうっかりさんのために、お次はこの方法を実践してみます!
ツナ缶があればいける
「自衛隊防災BOOK」によると、キャンプにツナの缶詰を持参していれば、それを使ってローソクの明かりを作れるというのです。本当でしょうか。
穴を開けて「こより」を入れる
まず缶切りで小さな穴を開けます。缶切りがない場合はペグとハンマーを使ってもOKでしょう。
次にティッシュペーパーをねじってできた「こより」をツナ缶の穴に差し込みます。
これでローソク代わりになる!
こよりにしっかり缶詰の油分が染み込むまで少し待ちます。ちょっとずつ下側から色が変わってくるのですぐ分かります。
こより全体に油分がいきわたったら……いざ着火!
みごとローソクのように火がつきました! 幻想的な明かりで雰囲気もキャンプにぴったりです。
ただ、しばらくすると火は小さめになってしまいました……。
けっしてすごく明るいというわけではないので、あくまでサブ的な使い方で活用するのがいいかもしれませんね。
アイデア③ 次回広げやすく、美しくシートをたたむ
「自衛隊防災BOOK」にはビニールシートのたたみ方が載っています。
キャンプではグランドシートやタープなど、シート系をたたむ機会がたくさんありますね。これを実践してみます!
グランドシートをたたんでみる
このやり方でたたんでみるのはテントの下に敷く、正方形のグランドシートです。
適当にたたんでいったら、こんなふうに雑な見た目で、かさばる感じになりがちですよね。これだとスタッフサックへの収納も手間取ってしまいます。
こうならないよう見た目が美しく、なおかつ次に使うとき、一発で広げられる便利なたたみ方を実践してみたいと思います。
両サイドからたたむのを数回繰り返す
まず、両サイドを中心線に向かってたたみ、全体を長方形にします。
同じように中心線に向かってたたむのを数回繰り返して、全体を細長くしていきます。
そして中心線を谷折りにします。これでかなり細長くなりましたね。
続いて双方手前から等間隔にたたむ
そうしたら今度は、その両端から中心に向かって等間隔にたたんでいきます。こんな感じでパタンパタンと。
両端からたたむことで、最後のズレを少なくしてくれるんですね。
たたみ完了。次使うときは真ん中から広げればOK
これでたたみ完了です。う、美しい……。どうですかお客さん! 正直、グランドシートをこんなにキレイにたためたのは生まれて初めてです。これはちょっと感動。
さらにこのやりかたの素晴らしいところは、次に広げる際、狙った場所の中心からはじめれば一発で広げられるというところ。普通のたたみ方だとこうはいきませんね。
買って、読んで、実践しよう!
防災への備えにはもちろん、キャンプにも役立つ『自衛隊防災BOOK』。これだけ売れているのもうなずけます。
キャンプで実践してみることは、災害時の練習にもつながります。本には全部で100ものテクニックが収められているので、ぜひ買って読んで、自分が気になった防災テクを実践してみてくださいね。
『自衛隊防災BOOK』(マガジンハウス)
警視庁警備部災害対策課からも
キャンプのヒントが得られます。こちらも今すぐ実践を!
Let’s read and try the “Disaster prevention book by Self-Defense Forces”
『自衛隊防災BOOK』を読んで、試してみよう