専門家が教えてくれた、豆タンク体型のモーラナイフ「エルドリス」はこう使う!

2019/05/10 更新

アウトドア用のナイフ、欲しいけど扱うのがちょっと怖いと思っていませんか? そんな方に向けたちょうどいいナイフを紹介します。その名もエルドリス! 特徴的なフォルムながら、驚くほど汎用性を兼ね備えたその実力を、専門家に教えてもらいました!


記事中画像撮影:筆者

ナイフデビューに最適な「エルドリス」


スウェーデンで長く愛されているモーラナイフ。料理やクラフトはもちろん、薪割りもできるなど汎用性が高いナイフを多数リリースしていることで知られています。


今回は、その中でもとりわけ特徴的なフォルムの「エルドリス」というモデルをピックアップしてみます。


エルドリスの汎用性とその使い勝手の良さを、モーラナイフを取り扱う「UPI OUTDOOR 鎌倉店」でアドバイザーを勤める寒川一さんに伺ってきました!


寒川さんは卓越した「エルドリス」の使い手!


40年超のアウトドア歴を持つ寒川さん。UPIのアドバイザーの傍ら、完全予約制の「焚き火カフェ」も主宰。年間で数百回もの焚き火をされています。

ナイフの存在を身近にしてくれるエルドリスは可愛いのに本格派。現代における脇差しや懐刀とも言えますね。

エルドリスの特徴とは?

刃がかなり短い


エルドリスはモーラナイフのなかでも小振りで、刃が短いのが特徴です。刃の長さは5.9cm。一般的な成人男性の人差し指第二関節より先とだいたい同じくらいです。


上の写真のようないわゆる普通のナイフは武骨で所有欲をそそられますが、扱うのがちょっと怖い面もありますよね。

その点エルドリスは全長14.3cmと扱いやすいサイズ感でコロンとしたフォルム。恐怖心も軽減されそうです。

首から下げるのを推奨

エルドリスは、ネックナイフキットとセットで使うのがおすすめです。

と寒川さん。

これさえあれば首からぶら下げて所持することもできますし、ファイヤースターターが付属しているので、火熾しも可能なんです。

ファイヤースターター(メタルマッチともいう)に刃の背の部分を押しつけて擦ることで、火花を熾して着火することができます。刃の背にカドがありますよね。ココを使います。

マッチやライターなど濡れてしまうと使い物にならないアイテムと違って、濡れた環境下でも着火可能。基本スキルと慣れが必要ですが、とても頼もしい存在です。

エルドリスの扱い方


いくら刃が短いとはいえ立派なナイフ。基本的な使い方のルールを知っておく必要があります。

①ナイフの抜き方

それでは、寒川さんにエルドリスの基本の扱い方を教わることに。

まずはシース(ケース)から抜く方法から。右手でグリップ、左手でシースを握って、左手の親指で右手の親指を突っ張るようにします。

そして、左手の親指で右手を押すようにします。右手で強くナイフを引き抜かないこと、大きく腕を動かさないことがポイントです。

抜いたときに刃が体の外を向いているので、自分を傷つけることがありませんね。

ネックナイフキットで首から下げている場合は、右手で垂直に引き抜きます。このときも大きく腕を動かさず、細かな動きで真下に引き抜くだけです。

②ナイフの持ち方

用途によって持ち方はさまざまですが、スタンダードに順手で握る持ち方だと汎用性が高いです。

③他の人への渡し方

親指の腹を支点にグリップを差し出すようにエルドリスを回転させます。これなら自身も相手も傷つけることなくナイフの受け渡しが可能です。

薪割りから着火まで、この1本でいけちゃう


エルドリスなら薪割りから着火まで、1本ですべてまかなえます。この有能ナイフを使ってできる一連の流れを実践してもらいました。

薪割りをする

着火のためには薪を小割りにしていく必要があります。割りたい薪をエルドリスの刃でおさえて別の薪でエルドリスの背を叩きます。

刃が食い込んでエルドリスの背を叩けなくなったらこんどは刃の先端を叩き、割り進めます。これはナイフを使った薪割り手法で、バトニングと呼ばれる作業ですね。

フェザースティックを作る

小割りの薪をさらに削っていき、ファイヤースターターで着火しやすいよう“フェザースティック”と呼ばれる焚き付けの代用品を作成します。

先端まで小割りを削っていきナイフを止めます。これを溜めながら薪を少しずつ回して、繰り返し角を細く薄く削っていきます。

少し力がいる作業ですが、エルドリスの刃は小振りなのでとても扱いやすのです。

「力が入りにくい……」という場合はシースを逆側に入れて固定すればより力を入れやすくなります。かなり力を入れてもシースから外れることもありません。


ファイヤースターターで着火

エルドリスの刃の先端を使って、シラカバの皮を細く削り出していきます。

という寒川さん。シラカバの皮は脂を多く含んでおり、着火剤として非常に有効だそう。

シラカバが入手できないときは牛乳パックをビリビリに破いたり、麻ひもをほぐしたりしても同じように直接着火が可能です。


ネックナイフキットに付属したファイヤースターターで着火する寒川さん。

シースの上に重ねて持つことで擦りやすくなるんです。


先ほど削り出したシラカバの皮に向かって、エルドリスの刃の背をファイヤースターターに勢いよく擦りつけます。

こうやってシラカバの皮に着火できたら、フェザースティックの“羽”の部分を炎にかぶせます。

フェザースティックを回して、燃えていない部分にも炎を当てることで、木そのものに着火できます。

エルドリスのみで薪割りから着火までできたりるのは実に汎用性が高い!  コンパクトなので非常時の備えとして持っておいても何かと役立ちそうですね。

他にもこんな用途が!

ナイフとしては小振りなエルドリスですが、火熾し以外にもいろいろな用途があります。

用途① ひも状のものを切る


キャンプシーンでいえば、ロープを切る場面もありますよね。そんなときも首から下げたエルドリスがあれば手軽に行えます。


購入したアイテムのタグを切るときなんかにも便利。たとえば意外とやっかいな薪を束ねてあるテープも、エルドリスでカットすればスムーズ。

用途② 果物ナイフとして使う


調理時に果物を切るナイフとしても使えます。子どもに渡してお手伝いさせるのもいい経験になるんじゃないでしょうか。

用途③ お箸を削る


ちなみに筆者は最近キャンプで箸づくりにハマっていまして、エルドリスでもくもくと削っております。


エルドリスがとても削りやすいこともあってか、ついつい調子に乗って細く削りすぎてしまい、まだ完璧な箸のペアが作れていません……。

お手頃価格でカラーも豊富!


エルドリスの実力、いかがでしたでしょうか。かなり万能ですよね。それでいて入手しやすいお手頃価格なのもポイント高い。

色展開も豊富にあるので好みの1本を選びましょう!
ITEM
モーラナイフ  エルドリス スタンダード
■刃素材:ステンレススチール
■全長:約143mm
■刃厚:約2.0mm
■重量:約80g(ナイフのみの重量)
■生産国:スウェーデン

ITEM
モーラナイフ エルドリス ネックナイフキット
■付属品:プラスチックシース、ファイヤースターター、パラコード、セカンダリーロッキング

使ってみれば分かるその実力


コンパクトで、パワフルで、使い勝手抜群のモーラナイフ「エルドリス」。ぜひ一度、このナイフを首から下げてキャンプを過ごしてみてください。

「めっちゃ使える!」と実感できるシーンがたくさんあると思いますよ!

「モーラナイフ」とくれば……

こちらの「オピネル」も気になります。

Let’s make Eldris a buddy!

エルドリスを相棒にしよう!


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渡辺 有祐

株式会社フィグインク代表取締役。キャンプから登山、ダウンリバーまで、野外活動を趣味としながら、書籍の編集ライティングを生業とする。また、アウトドア料理専門レシピサイト「ソトレシピ」の編集長も務める。

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