シームテープの貼り替えで、ギアの寿命が倍になる!?
雨の夜、テントの天井からポタリと水滴が! ええっ、もう寿命? と、慌てる前に、フライシートのシームテープをよく見てみて。テープが浮いたり、茶褐色になってはいませんか?
実は、テントやタープの幕体よりも、テープの劣化の方が早いんです。テント、タープ自体はまだまだ十分使用に耐えうるので、劣化したテープを貼り替えれば、また元のように使えますよ。
貼り替えを修理業者に頼むのもアリですが、せっかくなら自分の手で愛着あるギアを蘇らせてみてはいかが? シームテープの貼り替え方のプロセスと、コツを順にご紹介していきましょう。
手順① 剥がし方と下準備
テープは思い切りよく全部剥がそう
テント、タープのシームテープを剥がします。まだくっついているところも同じように劣化していますから、いずれ水がしみてきます。全て取り去りましょう。
幕体に残った細かいカスは、ガムテープを使って剥がしたあと、濡れ雑巾で拭き、よく乾かします。
次に、必要なシームテープの長さを割り出します。
シームテープの長さを計算する
テープが何m必要かを計算します。テント、タープを広げて、縫い目がどこにあるか、簡単な図に書いてメモします。取扱説明書で全体の寸法を確認し、メモを元に、テープの長さが全部でどれだけ要るかを算出します。
考えるのが面倒くさい人は、剥がしたテープの長さを測ればOK。
シームテープを用意する
テープを買い揃えます。こちらは1巻き10m。途中でテープを継ぎ足すとそこから剥がれやすいので、長いところはなるべく1本で貼るようにします。
ここでケチるとあとあと継ぎ目から雨漏りして泣きを見ますので、どう貼るか配分を考え、十分余裕を持って購入しておくといいですよ!
小川キャンパル アウトドアシーリングテープ3130
では、順を追いながら貼っていきましょう。
手順② アイロンの設定
アイロンかけの準備
アイロン台に幕体を広げます。テープとハサミを用意し、アイロンを温めます。
アイロン台の代わりに、折りたたんだ毛布、バスタオル(2〜3枚重ね)でも可。
アイロンの温度には細心の注意を!
テープの説明書をみて、アイロンの設定温度を確認します。「化繊・低温、120℃」となっています。
アイロンのダイヤルを設定温度に合わせます。
アイロンが温まったら、ゆっくり確認しながら、丁寧に貼っていきましょう。
手順③ いざ! 貼り替え実技編
貼り方の注意点とテクニック
縫い目の中心に沿ってテープを置きます。裏表を間違えないように! 巻いてある内側を幕体の方に当てます。
テープを引っ張りながら貼るとシワができ、そこから雨漏りするので、軽く置くだけに。
貼り始めはアイロンの先を使い、端からしっかりと押さえていきます。
シームテープによって、上から当て布をするようにとの指示がある場合は、それに従ってください。
こすらずに持ち上げながらプレス
体重をかけてプレスし、一回一回アイロンを持ち上げながら、少しずつ移動させて貼っていきます。
大まかにくっついたところで、縫い目の両脇を、アイロンのエッジを使って空気を抜くようにプレスします。
角は切らずに折り曲げて
曲がり角はテープを切らずに、折りたたむように重ねて貼ります。
完了の目安は?
半透明だったテープが透明になったら、しっかりくっついた印です。
白っぽいところが残っていたら、再びアイロンでしっかりプレスします。つき方が足りない時は、アイロンの温度をほんの少しだけ上げてみてください。
全体をもう一度見直して、貼り残しがないか確認したら出来上がり。長距離のアイロンかけ、お疲れ様でした!
修理業者に頼むなら
ちょっと面倒だな……と思ったらもちろん修理専門のプロに頼むのもアリです。「アウトドアテント&タープの修理屋きたじょう工房」さんなど、その道のプロなら間違いない仕上がりにしてくれるはずですよ。(次回修理受付は2018/5月頃)
さて次は、防水液の塗り直しについて考えていきましょう。
ものはついで、防水液を塗りなおす
テントのグランドシート、タープの防水加工も徐々に劣化します。
風通しの良い戸外で、防水液の塗り直しを考えてみてはいかが? 防水液は製品によって塗れる面積が異なりますので、説明を参考に、必要量を購入してください。
※注意:防水液は引火しやすく、人体に有害な有機溶剤を含んでいるので、使い方を誤ると危険です。
私たち一般のキャンパーが防水液を使用する場合、製品の注意書きをよく読み、必要であれば防護マスクや皮膚を守る手袋、作業着などを着用し、屋外で、十分な換気と火気に注意して作業にあたってください。
すぐに役立つメンテナンス情報はこちら
シームテープの他にも、キャンプ道具のメンテナンス系記事はこちらにも。早期劣化にならない為のコツがよくわかります。
こまめな手入れで、愛着深いギアを末長く使おう
キャンプのたびに、テントやタープの声なき声を聴く時間を取れるといいですね。物言わぬギアですが、コーヒーブレークの暇に丁寧に見回せば、あ、ここちょっと傷んでるかも……。と気付くはず。
楽しみながら先手先手で手入れをしておけば、突然の天候の変化でも、安心して雨のキャンプを満喫できますよ。