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駒ヶ根アウトドアライフ#02:森暮らしの火起こし(2ページ目)

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スギッパの他に利用している火口は、チェンソーの切り屑に灯油を染み込ませたもの(中央)と登山の際に拾い集めたダケカンバの樹皮(左)です。
どちらも一瞬で火が付きます。
細く避けやすい樹皮や繊維質の枯れ草なども良く揉みほぐして使います。
ヤニをたっぷり含んだ松ぶしや脂松(やにまつ・こえまつ)も昔はよく使いました。
薪ストーブユーザーがよく使うファットウッドという着火材もその一種です。

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乾いたスギッパが採取出来ない時は、麻ひもをほぐしファイヤースチールの火花で着火させる事もあります。
紙類では、新聞紙は灰が舞い上がりやすいのであまり使いません。
牛乳の紙パックなどはやや悪臭が漂うので、燃やすよりリサイクルとして出します。
着火そのものを楽しむなら、チャークロス・火打ち石、フェザースティックなどの選択肢もありますが、普段の火起こしで好んで使うことはありません。

K-BASEでの焚き火は、調理のためであったり外作業の一部であったりと用途は様々です。
ここでは、外作業に取り掛かる前の焚き火を紹介します。

長く焚き火を楽しむために。熾き火の方法をお話します

「焚き火は火起こしから少しずつ薪を加え、炎を育てるように燃やす。」とよく言われますが、私が作業前に行う焚き火は、育てることなく一旦火を付けたら自然に燃え続ける焚き火です。

枕木となる大きな原木2本を並行におきます。
これは風除けの効果と熾きを蓄える働き、また鍋やケトルを置くかまど代わりにもなります。

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その中に薪を敷き詰め、火口になるスギッパをのせ小枝を散りばめます。

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スギッパに着火した後は一切焚き火に触れず、薪も追加しません。
炎は上で燃えあがるものですが、熱はジワジワと下の薪にも伝わっていきます。
これは薪ストーブでもよく行う焚き方です。
焚き始めは付きっきりになりがちですが、この方法ならその間の時間は有効に使えるのです。

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数時間経過した状態です。
たとえ炎が消えていたとしても、太い原木には熾きがしっかり残っています。
ここによく乾いた小枝を加えれば、すぐに炎は復活します。
色々な利点がありますので、直火可能なキャンプ場ではぜひ一度試してみてください。

次は焚火台を使ってこの方法を試してみます。

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用意する道具は、鉈か斧、そしてグローブ。
薪はキャンプ場などで手に入りやすい針葉樹の薪束を使ってみましょう。
まず樹皮をきれいに剥がし、細かく揉みほぐして火口とします。
太い薪や節のある薪は残し、割りやすい薪を鉈か斧で細かく割っていきます。これが焚き付けになります。

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