薪ストーブで起こりうる、ちょっと残念なこと
出典:楽天市場
冬はキャンプで薪ストーブを使う方も多いですよね。薪ストーブは基本煙突が備わった専用テントで使いますが、その煙突にテントが接触して溶けて焦げてしまうことも。仕方ないとはいえ、愛用テントが傷んでしまうのはちょっと残念ですよね。
それ、今冬こそこのアイテムでジャスト回避!
そこで、お困りの方にぜひおすすめしたいのがこのアイテム。ステンレスの板の中央に一風変わった穴が開けられていますね。こちら「ストーブジャック」と言って、薪ストーブの煙突ガードなんです。
筆者はこれまで煙突ガードとしてウィンナーウェルの「メッシュプロテクター」を使っていたんですが、円筒状で、積載や運搬・収納にそこそこ負担が。そこでこれを見つけ、薪スト関連ギアのコンパクト化を図れるかも!? と購入してみたんです。
ちなみに筆者が購入したのは「スームルーム」の商品でしたが、これは現在(※2024年11月)楽天・Amazonなどでは在庫切れ。しかし、ネットを探すとほぼ同じ商品があるようです。
これからご紹介する内容とサイズなど若干違いはありますが基本的な使い方などは同じなので、薪ストーブを快適に使いたい方、ぜひ参考にしてみてください!
EnHike ストーブジャック
サイズ | 290×207×35mm |
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重量 | 350g |
材質 | ステンレス |
煙突口ガードの内穴径 | φ90mm(市販のφ80mm以下のサイズの煙突管に適合) |
ディテールはこんな感じ
ステンレス製プレートの中央に、煙突が通る穴がアミダのような形で施されています。これにより煙突の熱が、周辺に伝わりにくくなるのでしょう。
多数のネジが確認できますが、これにより裏側に重要なパーツが固定されています。
クランプで幕を固定する仕組み
ひっくり返してみました。四隅にあるのはクランプで、これらがテントの生地を食い止めます。
シリコンの赤い部分は火傷を防止するための処置でしょう……って、そんなに熱くなってテントは大丈夫なの!? と一瞬思いました。
クランプの動きはこのようなもの。単にテント生地がひっかかるだけではなく、バクッと噛みつくことで、ある程度は強固に固定される仕組みです。
煙突サイズに上限あり
これを挟んで煙突を通すことでテントと生地に距離が生まれ、熱を避けられるというわけですね。そしてここで要注意なのが、薪ストーブの煙突径とストーブジャックの内径が適合するかどうか。
筆者が購入したスームルームのストーブジャックの内径は、直径約88mm。メーカーの説明書きには「直径75mm以下の煙突パイプに適用」とありましたが、これは煙突が斜めに通ることを想定しているからでしょう。お手持ちの薪ストーブと使えるか、ちゃんと確認してから購入しましょう!
実際に使ってみた
それでは実際にテントに取り付け、使ってみた様子をご覧ください。
テントはワンティグリスの「SOLO HOMESTEAD(ソロ ホームステッド)」。筆者のモデルは耐熱性が低いポリエステル生地のもの(同モデルでポリコットンTC版もあります)なので、煙突の熱が命取りとなりかねません……。
OneTigris ソロホームステッド ポリエステル製
サイズ | 約4(L)×2.4(W)×1.6m(H) |
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収納時サイズ | 約58×20×20cm |
重量 | 約 4.3kg |
素材 | 50Dポリエステル生地(煙突口なしタイプ) |
耐水圧 | 1500mm |
取り付けは非常にスムーズ
このテントには煙突穴が開いているので、取り付けはいたって簡単。穴にはめ込んで、各クランプを閉じるだけです。
薪ストーブはウィンナーウェル「ノマド」のMサイズで、煙突径は63mm。このテントの屋根なら余裕をもって通過できますが、傾斜がきつくなるとガッツリ接触したり通せなかったり……が予想されます。
内側から見てみました。薪ストーブの位置を入念&入念に調整しただけあって、本製品と煙突に接触はありません。
これがキャンプ中にどうなったのか、これからしっかりお伝えします。
テントはしっかり保護できた?
本製品は重量が500gとちょっぴり重いので、沈み込んでいるのがわかりますね。もしチタンだったら……とも思いますが、その場合は気持ちが沈む価格となることでしょう。
ちなみに今入手できるこちらは350gなので、少し負担は軽減できそうです。
EnHike ストーブジャック
サイズ | 290×207×35mm |
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重量 | 350g |
材質 | ステンレス |
煙突口ガードの内穴径 | φ90mm(市販のφ80mm以下のサイズの煙突管に適合) |
さあ、炎がすっかり安定してきました。薪スト本体、そして煙突の温度がぐんぐん上昇している最中です。
火を絶やさず、煙突温度が上がりきった頃合いで本製品の温度を測ってみました。結果は次の通りです。
テントに近い外側:47.7℃
煙突に近い内側:89.6℃
この温度計で正確に計れるとは思いませんが、内側と外側にはっきりと差があることがわかります。
テントの生地に触れているのは、さっき温度を計ったステンレスプレートの外側と、クランプ。そこでクランプ部分をギュッとつまんでみたところ、30秒ほどで限界がくる程度の温度でした。
人間が「アチッ!」と反射的に手を離す温度が80℃と言われているので、大した温度ではありませんね。
ちなみに繊維事業を営むニッケグループの公式サイトによると、ポリエステルの融点は160~260℃、発火温度は490~560℃。このまま薪ストキャンプを続けても、テントが溶けることはなさそうです。
一晩過ごしてみた結果……
気ままに飲み食いしつつ、就寝まで薪ストーブで暖をとりました。時刻は21時を回った頃、本製品と煙突が接触しているようで、風が吹くたびにキーキーと音が鳴っています。
「接触しているのなら温度がテントに伝わってしまうのでは?」と本製品を触ってみたところ、ステンレスプレートもクランプ部分も、昼間以上に触り続けることができ、それほど高温ではありませんでした。気温が下がった影響もありそうです。
朝になって設置状態を確認しました。煙突の接続部を基準にすると、設置したときよりも若干沈み込んでいますね。それにより位置関係が変化して本製品と煙突が当たり、キーキー鳴っていたようです。
まさかテント生地が熱で伸び、沈み込んだのでは……!?
……と思いきや、ペグの1本が浮いていました。河原サイトなので「打つのが大変なわりには動いてしまうペグ」があったようです。全体的にロープも少しずつ緩んでいたので、締め直してやると本製品の沈み込みは改善されました。
ということで、熱によるテントへの影響は皆無でした!
試しにテントを変えて使ってみた
次は、軍幕で試してみたときの様子を。
使用したのはポーランド軍のポンチョ。2枚を組み合わせてテントにする軍幕で、素材は綿100%。下記記事でも「三代目テント」としてご紹介したテントです。キャンプ用のテントでもないし、自己責任中の自己責任スタイルであることを付け加えておきます。