シングルウォールテントとは
シングルウォールテントとは、防水透湿素材を使った一重構造のテントのことです。フライシートという外張りを使用しない一枚張りの構造になっています。二重構造を持ったダブルウォールテントと対比されますが、シングルウォールテントには、
といった特徴があります。
特徴1:設営や撤収が簡単にできる
シングルウォールテントは、設営や撤収が簡単です。シングルウォールはその名のとおり、1枚壁の構造。シンプルな作りになっているからこそ、設営や撤収がラクに済みます。自然の中で少しでも長くのんびり過ごしたい方にとって、設営・片付けにそれほど時間がかからないことはうれしいポイントです。また、厳冬期の登山など素早い設営が求められる場合にも役立ちます。
特徴2:軽量でコンパクトに収納できる
テントの作りが単純であるがゆえに、軽量&コンパクトにまとまってくれるのも、シングルウォールテントの大きな魅力です。ギアの中でも、重たい部類に入ってくるのが居住空間を作り出すテント。そのテントを軽量に、コンパクトにまとめられれば、いつもより一段と身軽なキャンプや登山を実現できます。
特徴3:結露が発生しやすい
シングルウォールテントはその構造上、どうしても結露しやすくなります。テント内の内側の暖かく湿った空気が外気温に触れ、冷やされると、テントの内側に水滴が発生します。結露が発生しないように定期的な換気をしたり、荷物が濡れないようにカバーしたりといった対策が必要になるでしょう。
特徴4:基本的には前室がない
シングルウォールテントは1枚構造のため、テントの前室が存在しないモデルが多いです。一方で、シングルウォールテントでありながら前室付きのモデルもあるので、ぜひ前室のあり、なしにも注目してみてください。
ダブルウォールテントとは
一方、ダブルウォールテントとはテント本体とフライシートの2重構造のテントです。一般的には通気性のいいテント本体と防水のフライシートで構成されています。ダブルウォールテントは、
といった特徴があります。
特徴1:居住性が高い
ダブルウォールテントは、シングルウォールテントと比較してより快適に過ごしやすい構造です。特に前室が広いテントを選べば、タープを持って行かずとも屋根の役割を果たしてくれたり、ちょっとした荷物を置けてテントを広く使えたりと非常に便利です。居住性を求めるのであれば、基本的にはダブルウォールテントを選択するのがおすすめです。
特徴2:結露を防ぎやすい
ダブルウォールテントは、シングルウォールテントよりも結露の心配が少ないです。というのは構造上、テント本体とフライシートに分かれているためです。結露してしまう環境下でもフライシートがある分、居住空間となるテントの内側には結露が生じにくくなります。
特徴3:設営や撤退に手間がかかる
シングルウォールテントと比較すると、設営や撤退に時間と手間がかかる点には注意です。ダブルウォールテントには、前述のとおりテント本体とフライシートが付属しています。そのためシングルウォールテントと比較して、折りたたんで収納する手間がかかってしまうのです。
特徴4:シングルウォールより重い
ダブルウォールテントは1枚構造のシングルウォールテントと比較すると、一般的には重くなる傾向にあります。当然収納サイズも大きいです。しかし、近年では素材の進化などにともない、ダブルウォールテントであっても軽いテントが増えているので、商品ごとに重量を確認してみることをおすすめします。
シングルウォールテントのおすすめ10選
シングルウォールテントのおすすめ商品を、前室なしモデル、前室付きモデルに分けてご紹介します。
前室なしタイプ
モンベル マイティドーム1
山岳ブランドであるモンベルからは軽量、コンパクトさを達成したマイティドームシリーズが展開されています。特徴的なのはテントの素材。ブリーズドライテック プラスという防水透湿性素材を使用しており、雨は防ぐが蒸気はうまく通気してくれるような仕様に。完全に結露を防ぐことは難しいですが、ベンチレーターも付属しています。換気することでシングルウォールでありながら、快適に過ごせるテントです。
別売りのオプショナルキャノピーを取り付け、80cmの前室ありテントにアレンジ可能。カスタマイズ性のある軽量テントですので、キャンプや登山の荷物を軽くしたい方はチェックマストです。
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オクトス ULシングルウォールテント 1人用
総重量1kgを切ってくる軽量テント、オクトスのULシングルウォールテントです。軽さの秘密は、テント表面の15デニールのリップストップナイロン。極薄ナイロン素材を使用することで、驚きの軽さを実現しました。
不安な強度面ですが、破れがちなフロアの四隅には「ゴムシート」、「ナイロンPUコーティング」、「210デニールナイロン」の3重補強という徹底ぶり。フロアと縫製箇所にはシームシーリング処理が施されているので、耐水性も強化されています。オクトスのテントでキャンプギアUL化、始めてみませんか?
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プロモンテ 超軽量シングルウォールアルパインテント VB-11
簡易なシェルターの結露にうんざりした……。そんな開発者が生み出したプロモンテのVBシリーズは、山岳テントで十分に使えるスペックを持ちます。魅力は東レが開発した通気性の高いメンブレンを使用し、シングルウォールでありながらも発生する結露を最小限にしている点です。
吊り下げ式を採用しており、設営が非常に簡単なのもメリット。軽さも機能性も絶対に妥協したくないあなたにおすすめしたいテントです。
プロモンテ 超軽量シングルウォールアルパインテント VB-11
ヘリテイジ クロスオーバードーム 2G
国内山岳メーカー、ヘリテイジからは第2世代のクロスオーバードーム2Gをご紹介。夏山のテント場では、必ず数張りは見かける渋めのイエローカラーのテントは、従来型と比較して耐水圧、透湿性もパワーアップしています。そして重量はなんと630g。別売りのフライシートを合わせても770gと、他に類を見ないほどの超軽量テントです。
軽さに特化しているため強度にやや不安は残るものの、ハイキングと組み合わせたキャンプシーンでは、重量を気にせず、ただただ自然を感じることだけに集中できそうです。
ヘリテイジ クロスオーバードーム 2G
ネイチャーハイク VIK ウルトラライト シングルテント
コストパフォーマンスなら間違いないシングルウォールテントが、ネイチャーハイクの自立式テントです。総重量は1060gと非常に軽量で、コンパクト。特殊なダブルY型のポールを採用しており、設営は簡単です。
そして一般的には別売りとなってしまうグランドシートが付属して、お値段は税込み2万円を切ります。いわゆる「前室」がないとはいえ、入り口部分が特殊な形状をしているため、簡易な屋根を作れて、多少の雨や日差しであれば守ってくれる安心感は魅力。軽く、コンパクトでお値段も手頃なので、これからキャンプを始めようと思っている方も手を伸ばしやすいテントです。
ネイチャーハイク VIK ウルトラライト シングルテント
ヘリノックス TAC アタック ソロ
シングルウォールの中でも特徴的な形が目を引くヘリノックスのソロ用シングルウォールテント。交差するポールでテントの天井が高く保たれているため、居住性が優れているのが特徴です。
通気口となるベンチレーター、入口は2枚のパネルありで使い勝手は良好。山岳用につくられたテントであるため、耐風性にも優れています。フロアは40デニールリップストップナイロン採用で、耐水圧は10000mmと十分なスペックです。カラーリングはおしゃれなコヨーテカラーなので、キャンプでも映えが期待できそう。見栄えと機能性を合わせ持ったテントなら、こちらの商品をチェックしてみてはいかがでしょうか?
ヘリノックス TAC アタック ソロ
前室付きタイプ
ザ・ノース・フェイス ワオナ4
4人が十分に寝られるスペースを確保しながら、前室付きのノースフェイスのテント、ワオナ4です。テント内は173cmで十分な高さがあるため、立って移動も楽チン。魅力的なポイントは、天井部にベンチレーション、サイドにはメッシュの小窓がついているところです。抜群に通気性が優れているため、結露も最小限に抑えられます。
収容力が十分にあるテントなので、複数名でのグループ、ファミリーキャンプでもチョイスしやすいテントです。
ザ・ノース・フェイス ワオナ4
ヘリノックス TAC アタック 1.5p
1.5人用のヘリノックスのテントです。テント上部にはベンチレーター、TAC アタックソロと同様に入口は2枚パネルで、1枚はメッシュになっています。そのため通気は十分で、内側の蒸れを最小限に抑えられます。
せり出した長さ65cm、高さ98cmの前室がテント出入りの際も雨から守ってくれます。独特な形状ですが落ち着いた色味で、キャンプサイトにうまく溶け込んでくれそうです。
ヘリノックス TAC アタック 1.5p
プロモンテ 超軽量シングルウォールアルパインテント VB22Z
プロモンテの山岳用シングルウォールテント、VB22Z。2人用、前室付きでありながらも総重量1360gを実現した軽量テントです。2本のポールで吊り下げ式を採用している点は、設営にできるだけ時間をかけたくない方にとってうれしいポイント。
VBシリーズに特徴的な通気性の高い素材を使っており、結露を最小限に。シングルウォールテントであっても快適さに妥協しないところは、プロモンテの矜持を感じます。
プロモンテ 超軽量シングルウォールアルパインテント VB22Z
ファイントラック カミナモノポール1
国産山岳ブランド、ファイントラックからは1人用で800gを切るカミナモノポール1が展開されています。最大の特徴はその名のとおり、1つのポールのみで設営が可能なところ。設営には最低2箇所のペグダウンを必要としますが、めんどうな設営は必要ありません。
軽いテントですが、幅50cmのコンパクトな前室はしっかり完備。シューズや小物であれば十分に置けるスペースが確保されています。そのほか、入口は2枚パネル、使用感の良いダブルファスナー、ザックに収納しやすい形状と、快適さ、使い勝手も追求されている点には注目したいところです。
ファイントラック カミナモノポール1
シングルウォールテントの結露対策
設営、撤収が簡便であるシングルウォールテントですが、やはり気になるのがテント内の蒸れによる結露。防水性のシュラフカバー、防水仕様のシュラフを使用することで、テント内が濡れても体の冷えは防げます。また、濡れると困るものはビニール袋に入れるなど対策が必要な場合も。結露を完全に防ぐことは難しいですが、
といった対策を講じることで、発生を最小限に抑えられます。
1. 適度に換気する
適度に換気することで結露の発生を抑えられます。結露はテント内外の気温差によって生じるものなので、テント内外の空気をうまく循環させてあげることで、結露の発生を抑えられます。持ち運びやすい小型のサーキュレーターや扇風機が1台あれば、テント内の効率的な空気循環に寄与してくれるはずです。
2. こまめに拭き取る
もう一つは物理的ですが、こまめに拭き取るという対策です。テントの内側がちょっと濡れているな、と感じたら拭き取るよう心がけることで、大切なキャンプギアが濡れてしまうことを防げます。吸水、速乾性の高いタオルを数枚持っていくことで、十分に対策可能です。
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メリットとデメリットを踏まえてテントを選ぼう
シングルウォールテントは一般的には軽くて、設営、撤収がラクです。ただし、ダブルウォールテントと比べると、快適性の面ではデメリットになり得る点もあるのは事実。シングルウォールとダブルウォール、それぞれのテントの特徴を理解したうえで、ご自身に合ったテントをお選びください。