【使用する前に】気になったことを質問!
質問:屋内外使用OKだけどテント内で使用は?
屋内外で使えるとなると、(大前提としてドアを開けておくなど換気に配慮した上で)「テント内でも使っていいのでは?」という期待が生まれますよね。
筆者も気になっていた点だったので、メーカーである岩谷産業に確認してみました。
回答:テント内での使用はNG
テント内での使用はNGです。思わぬ事故の原因になったり、ストーブが故障・焼障する恐れがあるため説明書に従って正しくお使いください。
例えばテントのドアを開けて換気を促した状態だったとしても、引火や一酸化炭素中毒の恐れがあるためテント内での使用はしないでください。
とのことでした。残念ですが、間違った使い方をした場合の事故は全て自己責任になります。安全に配慮して正しい使い方で使用しましょう。
これを踏まえて実際に使用してみました。
いざ「マル暖」をフィールドで使ってみた!
こちらが、パッケージ状態のマル暖。収納ケースは付いておらず、今のところ(2023年11月現在)単品でのケース販売もありません。
本体をそのまま運搬するのに抵抗がある方は、購入時の箱を大切に使いましょう。
ちなみに一部販売店では数量限定で収納ケース付きのマル暖も販売されている模様です。これから購入する方は、ケース付きのものを狙うのもいいかもしれません。
筆者は、試しに愛用している石油ストーブ「アルパカストーブ」のケースにマル暖を入れてみましたが、少し高さに余裕はあるものの底面はピッタリだったので十分使用できるサイズ感でした。「アルパカストーブ」に対応したケースで代用はできそうですね。
ガス缶の取り付け方法
ガス缶の取り付けはとても簡単! マグネット式なのでカチッと音がなるまで押し込むだけ。
片手でやると本体が動いてしまうこともあるので、左手で本体を支えておくと安心です。カバー(蓋)もマグネット式になっているので簡単に開閉でき、チェーンで繋がっているので紛失の心配もありません。
点火の仕方
点火方法はつまみをONの方向にひねるだけ。早くひねりすぎるとガスに火が飛ばないので少しゆっくりとひねるのがポイント。
点火しない場合はOFFに戻して数秒間待ってから再度点火を試みましょう。
点火後、数秒で温かくなってくるので想像よりも早い印象でした。灯油を使用するストーブは少し時間がかかるので、すぐに暖を取りたいときには重宝しそうです! つまみを動かして状況に応じて火力調整もできます。
試しにお湯を沸かしてみた
お湯を沸かせられるということで「気温は約13度、ストーブの近くで計測すると約19度」の環境で実験してみました! ストーブ近くの気温は距離で大きく変わってくるのであくまで参考程度にどうぞ。
約600mlの水をケトルに入れて実験! 火力はMAXの状態で検証スタートです。
気になる検証結果は……
10分経過頃から沸騰し始めて約11分で完全に沸騰していることを確認できました! バーナーなどで沸かすよりは時間がかかりましたが、個人的には「そこまで時間がかからずに沸かせたかな」という印象です。
ただし低温時や強風時などの使用環境により、お湯が沸かない、または沸くまでに時間がかかる場合もあるので注意が必要です。
調理もできるのか検証
約10度〜15度の寒空の中、調理もできるのか検証してみました。この日はカレー風味のもつ煮。結果的にしっかりと温めて十分調理することができましたが、料理内容によってはパワーが足りないこともありそうでした。
気温が1桁台になるとより難しそうなので、そんなときは保温用として使うとちょうどいいかもしれません。
暖かさはどう?対流式でストーブ全体から暖かい空気が…
少し肌寒いときに便利なマル暖、ストーブの傍にチェアを置いて暖をとるのにぴったり。対流式なので、下部から冷たい空気を取り込み暖めて全方位から放出してくれます。上昇気流が発生しているので、特にストーブ上部が暖かくなります。
アウトドアで寒さは凌ぎづらいかも?
寒空の中ではすぐ近くに座れば暖かさと感じるものの、少し離れるとストーブの恩恵をあまり受けられません……(泣)。対流式ゆえに、屋外の吹きさらしの場所では熱が逃げてしまうので仕方なさそうです。
このストーブの本領発揮してくれるシーンは、屋外よりは屋内向きかもしれません。
燃焼時間は、MAX約100分
イワタニで提示されている連続燃焼時間は、気温20~25℃のときにカセットボンベ1本使用で最長で約100分。夕方から就寝まで常に暖を取りたいキャンプでは、3〜4本程度とそれなりの本数が必要になってきます。
参考例ですが、カセットガス4本が約1,000円前後で、灯油を使用するアルパカストーブなどは灯油約3〜4Lで一晩使用可能なので灯油120円/Lとしても500円以下。
マル暖に限らずの話なのですが、石油ストーブと比較するとカセットガスを使うマル暖の方は運用コストが少々かさみそうです。
家でも使ってみた!
自宅である木造戸建の仕事部屋(約6畳)で使ってみましたが、屋外のキャンプで使ったときと違い、対流式の効果で段々と部屋全体が暖かくなってきました!
テーブルの上に温度計を置いて計測したところ、室温19度から約30分で24度になり、5度上昇したという結果になりました。どうしても室内上部に暖かい空気が溜まるので、サーキュレーターなどを併用するとより効果的に温められるかもしれません。
暖房のない場所で活躍
ガレージや倉庫がある方もいるかと思いますが、筆者の自宅にもエアコンがない部屋があり、そこにキャンプ道具を置いて倉庫のように使用しています。冬になると寒い中、整理をしたりギアのメンテナンスをすることもあり、普段は暖房を必要としない場所でマル暖が大活躍!
灯油を入れる準備や使用後に残った灯油を気にする必要がないので、簡単にガスをセットして点火できるのは大きな魅力。さらには電源コードもないので好きな位置に置けるのもメリットの1つと言えるでしょう。
ただし、賃貸アパートやマンションでは室内で灯油やカセットガスを使ったストーブが禁止になっている住居もあります。お住まいの規定やルールなどをご確認ください。
結果「マル暖」は、こんな人におすすめしたい
マル暖はこんな人におすすめ
- ・コンパクトな対流式ストーブを探していた方
- ・カセットガスが使える対流式ストーブを探していた方
- ・灯油の取り扱いに困っていた方
- ・準備の手間を省いて簡単に暖を取りたい方
- ・自宅やアウトドアなどシームレスに使える暖房器具が欲しかった方
- ・春先の寒さが残る時期や秋口に使用したい方
屋内外OKと言えど、テント内で使用できない点や石油ストーブにはパワーで劣る部分もありますが、マル暖にしかないメリットもたくさんあります。使用状況がハマれば大活躍は間違いなしです!
※ちなみに気温5℃以下だと使用NG
カセットガスを使用する暖房機器の宿命ではありますが、気温が5℃以下だとブタンガスが十分に気化せず点火できなかったり、火力が弱くなるため使用できません。撮影当時は、まだ暖かさの残る秋でしたが、これが冬となると使えないシーンも増えてくるかと思います。
それも踏まえて自身のライフスタイルやキャンプシーンとマッチするか検討してくださいね。
冬キャンプで使用する場合は、薪ストーブや石油ストーブがおすすめ
冬キャンプで暖を取るのが目的の場合は、やはり薪ストーブや石油ストーブを選ぶのが間違いなさそうです。マル暖は屋内用+αに購入を考えている方向けと言ってもいいかもしれません。
目的に合わせて、暖房器具を上手に活用してキャンプを快適に楽しんでみてはいかがでしょう。
イワタニ マル暖
サイズ | 幅343×奥行368×高さ382mm |
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重さ | 約4.5kg |
発熱量 | 2.09kW(約1,800kcal/h) |
連続燃焼時間 | 約1時間37分 |
点火方式 | 圧電点火方式 |
ガス消費量 | 152g/h |
材質 | [本体] 冷間圧延鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、[取手] スチール、ステンレス[バーナー] 耐熱アルミダイカスト[点火つまみ] ABS樹脂 |
使用ガス | イワタニカセットガス(OR)、イワタニカセットガスパワーゴールド(PG)、FORE WINDSノルマル(NR)、FORE WINDSイソ(IS) |