東西のブランドが集まる「日本最大の遊びの祭典」
2022年11月11日(土)〜12日(日)に愛知スカイエキスポにて開催され、入場料制ながら5万人以上の来場があった、国内最大級のアウトドアイベント「FIELD STYLE JUMBOREE 2022」。
毎年、日本全国から多くのアウトドアブランドが集結して、新製品のお披露目や、限定品やお得なアイテムの販売をおこなう、キャンプギア好きにはたまらないイベントです!
キャンプギアのみならず、クルマやバイク、ヴィンテージ品や、古着、観葉植物、ペット用品など、アウトドアライフにつながるあらゆるジャンルの出展者さんが集まる点もこのイベントの魅力!
今回は、CAMP HACK編集部が実際に足を運び、そこで気になった「今から流行るかも?」というキャンプギアをピックアップして紹介します。キャンプギアのトレンドを物語るアイテムたちの魅力とは……?
ガレージブランドの“アベンジャーズ”!?「M16」
毎年「フィールドスタイル」で、特に人気を博しているのが、ガレージブランド集団「M16」のブースが集まるエリア。
個人や中小企業が立ち上げる、ガレージブランドは、今のアウトドアシーンを語るうえで外せない存在です。そんなガレージブランドのなかでも、パイオニアと呼ばれる指折りのブランドたちが集結した「アベンジャーズ」のような存在が「M16」です。
まずは、今年も約5000人以上のファンが行列を作った「M16」ブースで見つけた気になるアイテムをご紹介!
三脚ギアのパイオニア
38exploreの「38カルマーニュ」
まず紹介するのは、カメラ用の三脚をテーブルの脚として使うアイデアをキャンプ界に持ち込み、業界に大きな影響を与えたゲームチェンジャー、38explore(サーティーエイトエクスプロー)のアイテム。
“ミヤさん”の愛称で知られる、同ブランドのデザイナー、 宮崎秀仁氏の豊かなアイデアをもとに開発されるユニークアイテムは、国内のみならずアジア圏全体で人気を博しています。
38exploreが、巻き起こした三脚を使ったキャンプテーブルの人気の背景は、高さが変えられ、コンパクトになり、地面がどのような状態でも水平を保てるという、カメラ三脚ならではのメリットを多くのキャンパーに気付かせたこと。
そんな、38exploreが今回のイベントでお披露目したのは、なんと三脚。同じくM16の超人気ブランド、アシモクラフツとコラボ監修し、カメラ用品の世界的ブランド、Velbon(ベルボン)にてオリジナルの三脚を作ってしまいした!
これまで、50本以上の三脚を所有してきた宮崎氏がこだわったポイントは、キャンプシーンに最適な高さとコンパクトさ。
普通のカメラ用の三脚にはない絶妙なサイズ感で、同ブランドの人気アイテム「38grate」や「Lumico38」など、三脚を脚として使うテーブルと合わせた際にベストな高さになるよう設計されています。
サイズ展開は2種類で、大きいサイズで最大100cm、小さいサイズで最大70cmの高さになっています。30cmのセンターポールは取り外し可能で、高さの調整が可能。
大きいサイズは立って作業する際にちょうどいい高さ、小さいサイズはチェア座った際にちょうどいい高さになっています。
さらに、持ち運びのしやすいコンパクトさも「38カルマーニュ」の魅力。カーボン製なので、重量も軽いです。当たり前ながら、アウトドアでのカメラ撮影にも最適!
三脚を使ったキャンプギアがトレンドになり、さまざまなブランドが三脚用の天板を展開している昨今。「三脚アウトドアテーブル」の元祖としての矜持を感じさせるアイテムでした。
大手カメラ用品メーカー、ハクバとのコラボも開始した38explore。今後も目が離せません!
あの人気チェアを男前カスタム!
ナチュモンの「SWAT」
続いては、人気キャンプチェア「カーミットチェア」のカスタムパーツや、純国産のアウトドアマスタード「TUBU」が、国内外でヒットしている“ナチュモン”こと、NATURAL MOUNTAIN MONKEYS(ナチュラルマウンテンモンキーズ、以下NMM)のアイテム。
人気タレント、ヒロミ氏がアンバサダーを務めている、東京発のアウトドアライフスタイルブランドです。
今回のイベントで多くのブース来場者のお目当てだったのがこちらの「SWAT(座っと)」。去年Amazonや楽天で、一番売れたキャンプギアとして記憶も新しい、DOD社の人気キャンプチェア「スゴイッス」のカスタムシートです。
「スゴイッス」が爆発的に売れた理由が、そのフレームの汎用性の高さ。4本の脚が3段階で高さを変えられ、脚を畳むことで座椅子にもなるので、ハイ、ロー問わずさまざまなキャンパーさんのスタイルにフィットします。
この「SWAT」が生まれた背景は、「タクティカルなデザインで、さらに丈夫な素材でシートを作って欲しい」とブランドのユーザーさんからの声から。
そんな要望をもとに、座り心地が良く生地が伸びない「カーミットチェア」用のカスタムシートを国内で作り続けてきた同ブランドのノウハウを活かし、開発されたこの「SWAT」。
理想の座り心地を求め、8回もの試作を重ねて行き着いたこだわりのパターンをベースに、タフなハードナイロンを全面に使い、タクティカルなデザインに仕上がっています。
全面と背面には、ワッペンを取り付け可能なベルクロを配置。付属の「SWAT」ロゴのPVCワッペンや、市販ワッペンでドレスアップを楽しめます。
シート裏のエッジ部分には、タクティカル感あふれるループが配されており、MOLLE規格の軍用ポーチやドリンクホルダーなどを取り付け可能です。
シート下には便利なポケットも配置。マチ付きなので物を入れても座り心地が悪くなりません。スマートフォンの充電器などのガジェットはもちろん、ホッカイロを入れれば冬も暖かく座れます。
人気のキャンプギアをカスタムするアイテムは、今のキャンプシーンの大きなトレンド。会場全体を見渡すと、こういったアイテムが前年よりもさらに多く見られました。NMMが口火を切った「スゴイッス」カスタムは新たな旋風を巻き起こす予感……!
▼ナチュラルマウンテンモンキーズの詳細はこちら
DOD スゴイッス
サイズ | 約W60×D70×H69/84.5/89/93.5cm |
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収納サイズ | 約W46×D42×H7cm |
重量 | 約2.3kg(付属品含む) |
静止耐加重 | 100kg |
人気ブランドの個性派アイテムも見逃せなかった!
フィールドスタイルの目玉は「M16」だけではありません。アイテムを発売するたびにたちまち完売してしまうような人気ブランドが数多く出店しています。
人気クッカーのポップなケース
ネイタルデザイン「ストームクッカーケース」
キャンプサイトのアクセントとなるポップなアイテムや、他にはないユニークなアパレルウエアがアウトドア界のファッショニスタたちに支持されている、NATAL DESIGN(ネイタルデザイン)。
ブランドのアイコンとなっている、トリコロールカラーの「レトロストライプ柄」と、迷彩ながら可愛いオリジナルの「カモ柄」アイテムは、会場でも依然として人気でした。
そんな中でも、CAMP HACK編集部が惹かれたのは、こちらの「ストームクッカーケース」です。
本家「メスティン」でお馴染みのトランギア社の永久定番コンボクッカー、「ストームクッカー」の収納ケース。サイズ展開はS、M、Lの3サイズ展開で、サイズが合えば「ストームクッカー」に限らず、他の丸型のクッカーも収納できます。
開口部はドローコードで大きく開くので、クッカーの出し入れもしやすい作り。ポップなカラーのリップストップナイロン素材がアクセントになっています。
巾着状になっているので、入れるものの高さに合わせて、ドローコードで調節可能。何を入れるかはその人次第ですが、このケースを使いたいがために、「ストームクッカー」が欲しくなってしまうほどの魅力を感じます。
キャンプをしていると、保護や携帯性アップのために、無性にケースが欲しくなるのがキャンパーの性。定番キャンプギアのイケてるケースは、今後も求める声が多そうです。
トランギア ストームクッカーL
重量 | 900g |
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収納サイズ | φ22×10.5cm |
シェラカップでヤムチャ!?
キャンプオーパーツ「蒸しぇら」
訪れたのは、西日本を中心に多くのファンを獲得している、愛媛発のアウトドアセレクトショップ「CAMP OOPARTS(キャンプオーパーツ)」のブース。
ショップとしてだけでなく、キャンプギアブランドとして、他にはないアイデアを形にしたのオリジナルアイテムを展開しています。
そんななかで、とりわけ人気だったのがこちらの「蒸しぇら」。
「蒸しぇら」は、300ml規格のシェラカップやロッキーカップをせいろに変えてしまうユニークなアイテム。キャンプで手軽に点心料理などの蒸し料理を楽しめます。
もともと、自然木製の中華せいろタイプで展開されていた「蒸しぇら」ですが、今回新作としてより手軽かつタフに使えて、メンテナンスのしやすいステンレスタイプが登場。
使い方は、バーナーの上にシェラカップをセットし水を注ぎ、食材を入れた「蒸しぇら」をセットするだけ。台座となるこのドーナツ状のプレートのおかげで、カップの径よりも大きなセイロをセットできるようになっています。
せいろの直径は15cmあるので、シュウマイから肉まんまでさまざまな点心を蒸し調理可能。
「蒸しぇら」の他にも、シェラカップを串カツにちょうどいいフライヤーに変える「串しぇら」など、ユニークなアイテムを数多く展開していた、キャンプオーパーツ。
まだまだシェラカップの可能性を広げてくれそうです。
アイアンフィールドギア
こちらも同じく四国発のアウトドアブランド、香川に拠点を構えるTHE IRON FIELD GEAR(ジ・アイアンフィルドギア)。
その名のとおり、高い金属加工技術で作られたキャンプギアを得意としており、これまでさまざまな焚き火台や薪ストーブを展開してきました。
そして今回、フィールドスタイルに投入したアイテムがこちらの「イージーファイヤー」。一見するとよくある焚き火台のように見えますが、下にはガス缶が取り付けられています。
さらによく見ると、なかには豆炭のようなものが……。実はこれ、豆炭ではなく溶岩石!
この「イージーファイヤー」、薪を使った従来の焚き火台とは根本的に発想が異なっており、溶岩石の隙間から漏れ出るガスに火をつけて、炎の揺らぎを楽しむアイテムだったのです。
その名のとおり、火起こしも灰の処理も不要なので、誰でも簡単に焚き火ができます。薪と違って煙も出ず、爆ぜることもないので、ベランダなどでも使える点も魅力です。
分解するとコンパクトになり、専用の収納ケースも付属します。脚の長さはCB缶用とOD缶用で2種類あり。新たな発想で焚き火台のあり方を見直した意欲作です!
今年も数多くのブランドが製品を投入し、ますますヒートアップしていた焚き火台市場。王道の焚き火台も良いですが、こういった突然変異的な焚き火台の登場はワクワクしますね!
新進ブランドも要チェック!
今年のフィールドスタイルも、既存の人気ブランドはもちろん、新進気鋭のブランドも数多く参戦していました。そのなかから、気になるブランドのアイテムを2つ紹介します!
あのオーディオテクニカが手がける!
AUTEC CAMP「コックピット」
こちらは、今年の5月にスタートした新ブランド、AUTEC CAMP(オーテックキャンプ)の焚き火台「コックピット」です。
オーテックキャンプを手がけるのはなんと、あの大手音響機器メーカー、オーディオテクニカ。なぜ、ヘッドフォンやスピーカーを作るメーカーがキャンプギアを? という疑問の答えは、どちらも趣味に生きる人のライフスタイルを豊かにするという点で共通しているから。
さらに、オーディオテクニカは、高い板金設計のノウハウと技術を持っているので、キャンプギアも作れてしまうのです。
同ブランドが手がける初の焚き火台「コックピット」は、そんなオーディオテクニカのストイックな物作りの精神が伺えるアイテム。
ステンレス素材の薄さや、重心のバランス、火力調整のしやすさのバランスを突き詰めて設計されています。980gと軽量ながら、クッカーやケトルを安定してのせられるゴトクを備えていている点も見逃せません。薪を入れやすい形状も考えられた作り。
最小限のパーツ数に分解できるので、持ち運びもコンパクト。ステンレス素材も吟味のうえ、熱による変形に強いものを採用しています。
分解状態の焚き火台をコンパクトに携帯できるケースも付属(現段階では試供品とのこと)。質感もよく、なんだかヘッドホンに付属するケースのようです。さすがは音響機器メーカー!
実は、これまで音響機器以外にも、自動寿司握り機なども作ってきたオーディオテクニカ。ジャンルに捉われないユニークな物作りで、キャンプの世界を盛り上げていただきたいです!
自在に変形する LEDランタンギア!
NUXDI「バルクシェード」
最後は、メカニカルなデザインのキャンプギアが人気を博していた、新進ガレージブランド、NUXDI(ニューエンダイ)のブースにお邪魔しました。
気になったのは、人気のLEDランタン、ゴールゼロ「マイクロフラッシュ」をつかむように装着されている謎のギア。
こちらは「バルクシェード」という同ブランドの新製品で、ゴールゼロをはじめとして、38exploreの「38灯」、ゼインアーツの「ジグ」など、さまざまな人気LEDランタンで使えるカスタムシェードです。
特徴的なたくさんの爪はそれぞれ360度回転する作りになっており、こんな具合に、ポールなどに取り付けることも可能。ポール以外にもこの爪を活用して、テントの天井にぶら下げたりさまざまな使い方ができます。
さらに、鳥の羽をイメージした複数のシェードパーツも付属するので、自由に組み替えでき、自分好みの灯りに調節可能です。その楽しさはまるでブロック遊びや、ロボットのプラモデル感覚! メカニカルな世界観やディテールが好きな方にはたまらないアイテムです。
こういった、人気のLEDランタンのカスタムパーツもまだまだ盛り上がることでしょう。
ゴールゼロ マイクロフラッシュ
明るさ | 最大150ルーメン |
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連続使用時間 | 約7~170時間 |
重量 | 68g |
本体サイズ | 約93×37.75mm |
キャンプのトレンドが交差していたフィールドスタイル
フィールドスタイルは、キャンプギアのトレンドがわかる、ギア好きにはたまらないイベントでした! 今回紹介したアイテムは、会場に置かれていた膨大なアイテムのほんの一部。次回、来年の5月に開催されるフィールドスタイルでも、また個性的なアイテムが数多くお披露目されることでしょう。