キャンプグローブといえば、グリップスワニー
アウトドアグローブと言えば右に出るものなしという人気ブランドが「グリップスワニー」ですが、ラインナップも多数あるだけに選ぶにも迷いどころ。細かい違いやサイズ感など、実際のところはどうなんでしょうか?
ここはヘビーユーザーに聞くに限る!
ヘビーユーザーといえば、長野県駒ケ根市在住のフォトグラファー・写風人さん。数十年という長いアウトドア歴において、グリップスワニーのグローブも愛用品のひとつなのだそう。
ワークグローブはそんなもんだろうと納得しながら使っていましたが、あるときアウトドアショップでグリップスワニーを見つけたんです。試しにはめてみたところ、驚くほどフィット感が良かったのがG-1でした。
普段チェンソーや斧など道具を使う写風人さんにとって、グローブは身体の一部のようにフィットして直感的に動作できるのが理想的。G-1はその条件を満たす期待通りの装着感だったそうで、以来25年間ずっと愛用し続けているのだとか!
今では数あるその他ラインナップにもかなり詳しい写風人さん。今回はグリップスワニーのグローブの特徴やアウトドアでの使いやすさ、各モデルの特徴を徹底解説していただきます!
グリップスワニーのグローブ「4つの特徴」
1:厚く強度がありつつ、動きやすい
手の形に合わせた立体裁断と親指が自由に動かせるデザインで、素手に近い感触で握りやすくなっているんです。
2:高撥水性があり雨にも強い!
また、一般的な革のグローブは濡れた後はゴワゴワに硬くなりがちですが、グリップスワニーは柔らかさも持続。ただ、料理の油や熱・水や雨などの染み込みを繰り返せば多少硬くなることもあります。
3:メイドインジャパンで日本人の手にもピッタリ
動きやすさを追求した立体裁断とソフトな仕上げで、日本人の手にピッタリの設計になっています。
4:縫い糸も丈夫!切れたら無料で修理も可能
そして万が一糸が切れても無料で修理してくれる保証システム(※)があるのも、グリップスワニーならでは。修理証は大切に保管しておきましょう!
丈夫で濡れに強く手なじみも良い、さらに修理体制も確保されているとくればこれだけ人気なのも理由も納得ですね!
そしてここでもうひとつ、こんな豆知識も教えてもらいました。
【グリップスワニー豆知識】なんで黄色なの?
グリップスワニーのグローブといえばイエローが特徴的ですが……なぜ黄色なんでしょう?
当時は灯りが少なく暗闇に落としても見つけやすくするためにイエローに染めたようで、今では“スワニーイエロー”と呼ばれ世界中にあるワークグローブの原型とも言えます。
たしかに、その他ブランドでもワークグローブといえば黄色のイメージが定着していますね。
続いては各ラインナップをチェック。すべてLサイズを愛用中という写風人さんに、着用感も教えてもらいました!
ラインナップ豊富なグローブ、違いと選び方は?
スペック一覧表
製品名 | G-1 | G-2 | G-3 | G-4 | G-6 | G-10 | G-11 | G-12 | G-70 | G-80 |
サイズ | S・M・L・LL | S・M・L・LL | S・M・L・LL | M・L | M・L | M・L | M・L | M・L | キッズ・S・M・L・XL | フリー(26cm) |
特徴 | あらゆる場面で使えるベーシックモデル | ライディング向き | ロープワーク向き | パンチングメッシュで蒸れにくい | インナーにボアつきで暖かい | スウェード補強と革アテで丈夫 | 第一関節までカット・カメラワークや登山向き | 第二関節までカット・ドライビング向き | 軽作業向きのライトモデル | 焚火専用 |
価格 | 7,700円 | 9,900円 | 8,800円 | 9,350円 | 13,200円 | 9,350円 | 7,700円 | 7,700円 | 3,850円 | 4,400円 |
グリップスワニーの代表的モデル「G-1」
特徴は、指の腹側をトンネル状の立体裁断にし、極力大きなパーツで形成することで縫製部分を減らした“ガンカット”という製法。こうすることでグリップスワニー独自の自然な使用感になっています。
グリップスワニー G-1
バイクなどアウトドアツーリングに適した「G-2」
幅広のベルクロストラップが内側にあるので外しやすいのも特徴で、丈も長めなので焚き火料理にも使えますよ。指部分はG-1よりもやや細めで、中指と薬指が少し長いように感じます。
グリップスワニー G-2
少し短めのショートモデル「G-3」
はめ心地はほぼG-1と同じですが、人差し指全体に補強が入っている分その指だけ少し曲げにくく感じるかもしれません。ベルクロストラップで装着もしやすいですよ。
グリップスワニー G-3
春夏にオススメのパンチングメッシュモデル「G-4」
G-1よりも手の平全体に補強されているので斧も握りやすく、ベルクロ付きで装着も楽。フィット感と動きやすさは全シリーズの中でこれが一番だと感じています。
グリップスワニー G-4
インナーにボアを使用したウインターモデル「G-6」
生地全体が厚めになっているので握りやすさはG-1ほどではないですが、熱さを感じにくいので焚き火にも使えます。
グリップスワニー G-6
摩擦とグリップ力に優れた「G-10」
そのため摩擦に強く、斧を握るときもグリップ力は抜群。G-6までは外縫いですがこのG-10は中縫いのため、同じLサイズでも若干指が短く感じます。
グリップスワニー G-10
手指を使った細かい作業向きの「G-11」
私は作業と同時に写真を撮るときなど、人差し指の感覚を大切にしたいときに使っています。
グリップスワニー G-11
ドライビングやパドリング向きの「G-12」
指を素手に近い状態で使いたい人はこちらがオススメですね。
グリップスワニー G-12
ビギナー向けのライトモデル「G-70」
グローブの中では一番嵩張らないので、ポケットに入れてても入っていることを忘れるくらい。握りやすさと動きやすさはパンチングメッシュのG-4に次ぐほど良いです。
グリップスワニー G-70
焚き火のための“TAKIBI GLOVE”「G-80」
多少ゴワゴワ感がありますが、だからこそ薪を大量に掴んだり運んだりも可能。私も冬の薪ストーブライフはG-80と共に過ごしています。
グリップスワニー G-80
この中で「ベスト1」を選ぶとしたら・・・?
全グローブを所有し、用途によって使い分けている写風人さん。すべてが愛用モデルといってもいいほどですが、「1つだけ買うとしたら?」と聞かれたら……?
春から夏にかけての薪割りは、手に汗もかくのでついこのグローブを使っちゃいますね。サイズは私の手にドンピシャで、外縫いの感触も好きです。
オーソドックスなG-1を入り口に、色々使ってみてベストモデルに出会った写風人さん。すべてを揃えることはなかなか難しいですが、上記を参考に自分に合ったモデルを試してみると良さそうですね。
さて、続いてはサイズ感をチェックしてみましょう!
サイズ感をイメージしてみよう
次はサイズ感をチェック。参考としてすべてLサイズをチョイスしているという写風人さんの場合は……
グリップスワニー公式サイト グローブ一覧はこちら
お手入れ方法
革製品は手入れをしないと乾燥して劣化してしまいます。最後はメンテナンスについても、教えてもらいましょう!
手順としては、まず使い終わったグローブの土や砂などの汚れをブラシやウェスでこすり落とします。乾燥してカサカサだと感じたら、ミンクオイルを薄く伸ばしながら塗ると良いですよ。
雨で濡れた後は濡れたぞうきんを硬く絞り、表面の汚れた部分をきれいに拭き取ります。内部は新聞紙か軍手をそれぞれの指に突っ込み、風通しの良い場所で陰干しをします。
グローブも私たちの手と同じ、乾燥して荒れてきたらきちんと手入れしましょうね。
一生モノのグローブを手に入れよう
裸足ではいられないように手も素手ではきつい作業があり、グローブをはめることで強度が増し、危険からも身を守ることができます。サブアイテムのようでじつはとても重要なグローブ、ぜひ“一生モノ”こだわってしっかり選んでおきたいですね。
この記事の監修・写風人さんプロフィール
1955年生まれ。GRIP SWANYオフィシャルカメラマン。FIRESIDE薪ストーブエッセイ著作家。2019年より南信州に移住し、薪ストーブを中心とした火のある生活を愉しんでいる。Instagramのアカウントは@syahoo_jin
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