初期サンプルが盗まれるほど話題に?
まずはナノ・パフシリーズが誕生した経緯と、基本スペックを教えてください。
太宰さん
現在は生産が終了したナノ・パフ・プルオーバーが原点になりますが、重量と機能性のバランスにこだわるアルピニストのためにデザインされました。
プリマロフト・ゴールド・インサレーション・エコ素材により、濡れても大きく保温力を損なわないという特徴があります。
実はデビュー当時に披露されたミュンヘンの展示会で、サンプルが盗まれてしまう事件があったんですよ。それだけ画期的なアイテムとして注目されていたということだと思います。
パタゴニアで最も汎用性に優れたジャケット
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定番化したナノ・パフ・ジャケットは、どんなアイテムなのでしょうか。
太宰さん
一言でいえば、やはり防風性と耐水性を備えた万能型ジャケットということですね。パタゴニアは他にも軽量で悪天候に対応するウエアが揃っていますが、汎用性ではナノ・パフ・ジャケットは最も優れている製品のひとつです。
太宰さん
まず、中間着としてもアウターとしても着用できる絶妙なシルエットが魅力ですね。ブロック型のキルトパターンは中綿の片寄りを防いでくれるし、ポケットや裾のデザインも幅広いアクティビティに対応するデザインに仕上げられています。
太宰さん
しかも内側のジッパー式チェストポケットに本体を収納できるパッカブル仕様で、重さも僅か337gなのでかさばりません。気軽に持ち運べるのも、人気の理由だと思います。
状況に合わせたレイヤリングで弱点を克服!
では実際に着用することで体感できる魅力はどうでしょうか。
太宰さん
真冬のランニングやハイクアップで着用して体温が上がってきても、蒸れにくくベタつかないんですよね。だからずっと快適なんです。
それと、枝や岩への擦れにも強い。テクニカル・インサレーション製品のなかでは耐久性の高いシェル素材を使用しているので、見た目以上にタフで頼もしさを感じます。
さすがフィールド対応のウエアですね。逆にナノ・パフの弱点はどんなものでしょう。
太宰さん
寒冷な環境で身体がずっと静止している状態、運動していないシーンですね。例えば積雪期の登山での長めのレストや、長時間の景色の撮影、天体観測などです。
中綿のボリューム的には、中間着としても使える保温力を意識して作られているアイテムなので、私の場合、冬季の山岳では保温力の高いベースレイヤーとレイヤリングしたり、バックアップ用としてインサレーションやアウターウエアを携行しています。
正しくメンテすれば長く愛用できる!
なるほど。工夫次第で雪のあるシーンでも活躍するということですね。では、長く愛用するためのシーズンオフの保存方法やメンテ方法は?
太宰さん
長期保管するときは、なるべく湿気の少ない乾燥した場所がベストです。洗うときは中性洗剤を使って、洗濯機の弱水流コースを選択してください。その後は風通しがよい場所で吊り干しがオススメです。
詳しいメンテ方法は、パタゴニアの公式サイトにある“製品のお手入れ方法”をチェックしてみてください。
キャンプでレイヤードするなら、この4アイテム!
どうやら、状況に合わせたレイヤリング術も、ナノ・パフ・ジャケットと上手く付き合う秘訣のひとつのようです。そこで太宰さんにナノ・パフ・ジャケットをキャンプに取り入れた場合、どんなアイテムとレイヤリングすればいいのかを教えてもらいました。