サビはキャンプ道具の大敵だ!
愛用ギアがいつのまにか赤茶色に錆びていると、気分もゲンナリしますよね……。
「ソリッドステーク」などの鉄製ペグ、ロッジを代表とするスキレット、そして薪割り用のナタやナイフなどがサビの餌食になりやすいようです。
水分や酸素と鉄が反応してサビに
サビにはいくつか種類がありますが、ギアなどを脅かすのは基本「赤サビ」と呼ばれるもの。
土中の水分や、空気中の酸素と鉄が化学反応をおこして「酸化鉄」になります。それがサビの正体です。
錆びるといろいろ困ったことが
錆びるといろいろなマイナス面が浮き彫りに。指や服、テントの生地にちょっと触れるだけでサビが移り、かなり目立つ汚れになってしまいます。
素材自体がもろくなるばかりか、ギアの動作がスムーズでなくなったり、切れ味が鈍ったりします。見た目も当然イヤですよね。
というわけで錆びていいことは何もナシ。やはりサビは落とすべきなのです!
こするのは身近なコレでいける!
サビ取りにはまずこするものが必要です。金属ブラシや紙ヤスリなども有効ですが、わざわざ買う必要はありません。
一般家庭に普通に置いてあって、サビ落としに使えるものをピックアップしてみました。
スチールウール
どの家庭にもあるであろうスチールウール。これさえあればだいたいのサビは落とせるのです。力を入れやすいので、ひたすら削るようなしつこい赤サビに向いています。
スポンジの硬いほう(スコッチブライト)
食器洗いによく使われる貼り合わせスポンジの、硬いサイドをイメージしてください。これをそのまま使ってもいいですが、硬いほうだけでスコッチブライトという商品名で売られています。
研磨粒子を含んでおりサビ落としに有効です。番号で硬さが選べるので、サビ具合やギア素材に応じてチョイスするといいでしょう。
3M スコッチブライト ナイロンたわし No.96
歯ブラシ
ピンポイントでサビを落とすのに効果的。硬めのほうが落ちやすいですが、反面キズもつきやすいです。一度サビ落としに使ったらもう歯磨きには使えないのが難点?
アルミホイル
アルミホイルを無造作にクシャクシャっと丸めるだけで、たちまちサビ落としに有効なたわしが完成します。
歯ブラシでサビ落としにチャレンジ!
笑’sの「B-6君」のロストルやスノピのソリステなど、気づいたらかなり錆びてました……。
このサビを落としたい!
歯ブラシと歯磨き粉でサビを落としてみる
というわけで、歯ブラシを使ったサビ落としにチャレンジしてみます。対戦相手はこちらの赤茶色に染まったロストル。ムムム、これは手強そう……。
錆びたロストル全体を濡らします。ハミガキ前に軽くゆすぐのと同じ感覚ですね。
取り出したのは、普通のハミガキセット。
こんな感じで歯磨き粉をちょいとつけて……。
あとはおもむろにこすります。一心不乱に、とにかくこするべし!こするべし!
歯磨き粉は惜しまず、ちょいちょい追加します。
かなり粘り強くこすり続けます。溝の部分など細かいところまでこすれるのが歯ブラシのいいところ。
ブラシは柔らかいとサビに負けてしまうので「かため」がいいでしょう。
真っ黒な汚れとともに、だいぶサビが浮き出てきた感じがします。それにしても汚い……。ロストル君、手入れサボってごめんよ。
それでは水で洗い流してみましょう。はたしてキレイになっているのか……。
ジャン! こんな感じになりました! 赤サビはきれいに落ちています。サビ落とし前の写真と比べるとまるで別物。
ただ、ちょっと激しくこすりすぎたようで、ところどころ地金が露出してしまいました……。このあたりは力加減の調節が必要そうですね。
これで終わりじゃありません。最後にキッチンペーパーなどで水気をしっかり拭き取ることが肝心。水分が残っているとまた錆びてしまいますので、しっかり乾燥させましょう。
ただ、ここまでサビが進行しているとけっこう大変。スチールウール等で大まかに落として、細部を歯ブラシでというふうに使い分けるのがベストかなと思いました。
身近なものでサビは落とせる!
歯ブラシ以外でもサビ落としに効果大といわれているものがあります。ここでまとめてチェックしてみましょう。
100均のクエン酸で落とす
名前は聞いたことある人が多いと思いますが、柑橘類に多く含まれる酸っぱい成分で、粉状のものがスーパーや100均にも売っています。キッチンのぬめりや水あかなどを取るのに重宝しますが、サビ取りにも使えます。
クエン酸の粉をお湯に溶かして、容器に入れて錆びたギアを一晩浸けこめばかなり効果的。溶液とサビが化学反応をおこしてくれるのです。
ミヨシ石鹸 暮らしのクエン酸
レモンで落とす
クエン酸が効くということは、レモン自体でもいけちゃうということ。とはいえたくさん絞るのは骨が折れるので、ピンポイントでサビを落とすのに向いています。
まず、研磨剤の役割を果たす塩をサビ部分にふり、そこにしぼったレモン汁をかけます。数時間置いたのち、レモンの皮を使って磨いてみましょう。
お酢で落とす
数時間から丸1日、錆びたギアをお酢に浸け込んでおきます。お酢をたっぷり染み込ませた布をかぶせておくのでもOKです。その後、サビをこすり落としましょう。
キッチン用クレンザーで落とす
キッチンなどを掃除するときに使うクレンザーもサビ落としに効果的です。クレンザーとは研磨剤入りの洗剤のこと。しっかりと赤サビを削り落としてくれるハズ。
ユニリーバ クリームクレンザー ジフ
サビ取り専用品なら頼もしい
「サビ落とし専用に開発されたものをつかって、しっかり落としたい!」という完璧主義のかたはこちらがいいでしょう。もちろん効果は間違いありませんよ。
サビ取り剤
中身はアメリカ海軍でも使用しているという優れモノ。塗ったあと数分放置し、ふき取ればサビを除去できます。ジェル状でたれにくくなっているのも使いやすいです。
サビ取りスプレー
金属のサビを化学の力で分解、除去します。ムースタイプのため液の垂れ落ちを防止してくれますよ。
サビ取り消しゴム
消しゴム感覚でこするだけのお手軽サビとり。焦げとりにも使えるので、常備しておけば何かと重宝するでしょう。
貝印 サビ消しゴム
そもそも錆びないようにするのが一番
ここまでサビ落としのノウハウや道具を紹介してきましたが、そもそも初めからサビないに越したことはありません。それでは金属ギアを使った直後のケアを確認しておきましょう。
泥汚れをしっかり洗って落とす
ペグなどに土の汚れがついたままにしておくのはNG。土の中の水分と化学反応して、すぐに錆びてしまいます。なので泥汚れはきれいに洗って落とすように心がけましょう。
しっかり乾燥させてから収納する
汚れをしっかり洗って落としたら、水分をしっかりふきとったあとに並べて完全に乾燥させればOKです。完全に湿気をなくしてから収納することが肝心です。
これで赤サビとはもうオサラバ!
キャンプで使うギアは愛着を持ってしっかり手入れをすれば、そのぶん長く使えます。道具を大切に扱うこともキャンプの一部だと考えれば、サビはぜひキレイに落としておきたいもの。
使い込んでいるけど錆びてないギアはキャンプ上級者の証。なのでぜひ、ここで紹介したサビ落としテクを参考にしてみてくださいね。