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イッカクモザイク

【アウトドアで働く人インタビュー】“名もなき山”を彫り出す、イッカクモザイクのモノづくり姿勢

コロナ期のアウトドア業界に彗星が如く現れた、木彫りの山。彫り出すのは「ikkaku

mosaic.(イッカクモザイク)」というブランドネームで活動する井出裕太さんです。

イッカクモザイクの“名もなき山”はいかにして生まれたのか、誕生秘話モノづくりの姿勢について伺ってきました。

目次

部屋の“一角”で、仕事がしたい

部屋の“一角”で、仕事がしたい

若い頃からバックカントリーや登山が趣味でした。その好きが高じて大手アウトドアショップに勤務し始めたのがこの業界でのファーストステップです

そう話すのは「ikkaku mosaic.(イッカクモザイク)」の作り手として“名もなき山”を彫り出す井出裕太さんです。

部屋の“一角”で、仕事がしたい

2024年現在42歳。20歳前後から山をフィールドにした外遊びに興じてきたといいます。その後、趣味を仕事にすることでアウトドアをいろいろな角度から俯瞰するようになっていきました。

ikkaku mosaic.(イッカクモザイク)
ikkaku mosaic.(イッカクモザイク)

イッカクモザイクの代表作となる“名もなき山”。光によってさまざまな表情を見せる陰影が美しい一品

作り手としての第一歩

作り手としての第一歩

アウトドアショップで働く中でいままでにない繋がりができ、ひとえにアウトドアといってもいろんな側面があるなって。

当時、住んでいた松本はリンゴの生産が盛んなのですが、リンゴ農家さんから剪定した木材の再利用の相談を受けたんです。ずっとアウトドア=アクティビティだったので、こういうアウトドアとの関わり方は新鮮でしたね

リンゴ農家から相談を受けた井出さんが、剪定木材を使って最初に作ろうとしたもの。それは意外にも眼鏡でした。

眼鏡フレームを整形するための木型。こちらも井出さんの手作り

眼鏡フレームを成形するための木型。こちらも井出さんの手作り

何を作ろうかと考えたときに自分にぴったりサイズのメガネが欲しいなって(笑)。めちゃくちゃ自己中なセレクトですが、どうせなら自分が欲しいものを作ろうと思ったんです。

当然ですがメガネ作りはかなり難しくて、打ちのめされましたね〜。でもこのときに揃えた道具類が今の活動にも役立っているので、自分のモノづくりの礎となっています

初めて山を彫り出す

初めて山を彫り出す

その後、勤務するアウトドアショップでワークショップをやらないかと提案され、初めて木で山を作ったといいます。

糸鋸盤を使って山を切り出し、ペンダントトップにするワークショップをしました。いま作っている山よりももっと平面的な物でしたが、これが結構好評で。

いま思えばその頃から漠然と作り手としての仕事を意識していましたね。いつか形になったらいいな程度でしたけど

右が工房、手前が自作の焚き火台、左のテントは資材を切り出すためのもの

右が工房、手前が自作の焚き火台、左のテントは資材を切り出すためのもの

イッカクモザイク

イッカクモザイクとして活動開始

イッカクモザイクとして活動開始

その後、アウトドアブランドのフランチャイズショップを営んだり、古着店を営んだりと小売販売を中心とした仕事に従事。「イッカクモザイク」として活動を開始したのは、3年前(2021年)のコロナ禍の頃でした。

良くも悪くもコロナですべての仕事が止まったのは契機でしたね。昔からやりたかった部屋の一角、つまりは机の上で収まる手仕事。今こそコレだ!って具合に後押ししてもらえました

工房に掲げられたイッカクモザイクのブランドロゴ

工房に掲げられたイッカクモザイクのブランドロゴ

部屋の一角で行うモノづくり。作り手の自分はその中でモザイクタイルのような存在ということから「ikkaku mosaic.(イッカクモザイク)」という名前に落ち着きました。ピンチをチャンスに。まさにこの言葉が象徴するかのようなイッカクモザイクの誕生秘話。

その後、作品をSNSにアップし始めるとすぐに、幡ヶ谷の名店「Nicetime Mountain Gallery(ナイスタイムマウンテンギャラリー)」に見出され販売イベントが決定。トントン拍子に人気ブランドへと成長していきます。

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