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【アウトドアで働く人インタビュー】“名もなき山”を彫り出す、イッカクモザイクのモノづくり姿勢(2ページ目)

北杜でのモノづくり

北杜でのモノづくり

井出さんの工房は、山梨県北杜市にあります。自宅と併設する形で自らDIYで小屋を作り、いまは冬に向けて断熱材を仕込むなど現在進行形で作り上げています。

2017年頃に北杜市に引っ越してきた理由は「八ヶ岳が一望できる場所に住みたかったから」。そしてこの想いは現在の創作にも大きな影響を落としているようです。

沢筋に取り憑かれて

登山やバックカントリーをする中でいつも“沢筋”というものを見てきました。この沢筋ならどう滑る、もしくはどう登るか妄想するのが楽しく、気がつくとクセ付いてました。

航空写真や頂上から見るのもの面白いのですが、麓から見上げて想像することが多く、八ヶ岳の麓に住みたかったのはそのクセゆえですね

バックカントリーを楽しむ井出さん
バックカントリーを楽しむ井出さん

バックカントリーを楽しむ井出さん

そして“沢筋を読むクセ”は現在のイッカクモザイクの活動にも大きく影響しています。

名もなき山に刻む、魅惑の沢筋

名もなき山に刻む、魅惑の沢筋

ぼくが山を彫るときは、自分がどうやってこの沢筋を攻略するのか、そんなことを想像しながら彫っています。実際にあったら面白そうだな、ワクワクするな、を形にしています。だから作っていて本当に楽しい。そしてそんな遊び心が手にしてくれた人に伝わると嬉しいですね

井出さんが彫り出す“名もなき山”
井出さんが彫り出す“名もなき山”

木目や年輪がまるで等高線のように見えたり、色合いによって季節を感じさせられたり、井出さんが彫り出す“名もなき山”は、使う木材の種類によってさまざまな表情を見せます。

しかし一概に言えるのは、聳え立つ凛とした稜線とそこから伸びる沢筋、そのいずれにも井出さんの外遊びでの理想像が刻み込まれているということです。

井出さんが彫り出す“名もなき山”

今後のイッカクモザイク

今後のイッカクモザイク

井出さんに今後の展望を聞くと意外な返答が。それは自らを木工作家とは名乗らない、井出さんのこだわりを感じるものでした。

ぼくは作品を木彫りに限定するつもりがないんです。たまたま自分が作りたいという衝動に駆られて、それを表現する方法がいまの木彫りだったというだけで、それが唯一の方法みたいなこだわりはありません。

今後、例えばTシャツだったりそれ以外の何かだったり、山のモチーフをこれで表現したい!というものがあれば積極的に作っていきたいと思っています。そこにはいろんな人と繋がってアイディアをいただくことが重要だと思っています

イッカクモザイクの今後を象徴する作品

イッカクモザイク 笏谷石 作品

出典:Instagram by @ikkakumosaic

福井のイベントではその土地ならではのアイテムを作りたいということで、福井の文化に根付いた笏谷石(しゃくだにいし)を使って“名もなき山”を作らせてもらいました

真鍮から彫り出された“名もなき山”。

真鍮から彫り出された“名もなき山”

異素材繋がりでいうと一度作った真鍮の山が好評だったので、こちらも改めて作っています

イッカクモザイク
イッカクモザイク

そして年明けの発売となりますが、ソフビメーカーのloopさんと協業して、山のソフビを作りました。

こちらはイッカクモザイク史上初めて機能を持たせた作品で、中が空洞になっているのでゴールゼロなどお手持ちのLEDライトを仕込んでいただくことで光が拡散しランタンシェードになる予定です

来年以降、木彫り以外での山の表現は一層増えていく。そんなワクワクとした予感を掻き立てるに十分な新作たち。2024年もイッカクモザイクの動向から目が離せそうにないです。

充実の一年から、深化の一年へ

馴染みのカフェ「sun.days.food」でコーヒーを飲み、マスターとのコミュニケーションを楽しむ井出さん。

馴染みのカフェ「sun.days.food」でコーヒーを飲み、オーナーシェフとのコミュニケーションを楽しむ井出さん

北杜市に居を移し、生活する中で工房を作り、地域に馴染みながら着実にイッカクモザイクのスタイルを確立してきました。

そんな中、今年はワークショップやジャンルの異なる協業を精力的にこなすなど作り手としての貪欲さが際立ちます。来年はきっとこの経験を糧に、さらに深みのある作品が生まれることでしょう。

2024年11月2日、3日開催のワークショップ情報

1. Rebuild balls into colorful mountain! ~使われていない木製ボールをキーチェーンに蘇らせる~

使われていない木製ボールをキーチェーンに蘇らせる

PLAY EARTH KIDS恵比寿ガーデンプレイス2周年記念ワークショップ-mountain design-のキッズ向けプログラム。
2022年、PLAY EARTH KIDS ebisuのオープン記念で開催したPLAY EARTH PARKで使用した約4.5cmのヒノキのミニボールをリプロダクトするワークショップ。
ikkaku mosaicの井出さんが、丸い木製ボールを参加してくれるこどもたちひとりひとりのオリジナルの山の形に削ってくれたものを、みんなで色付けをしていきます。最後に紐を通してキーホルダーに仕上げていきます。バッグやベルトループにぶら下げて、自分だけの山をどこでも一緒に連れていってみてください。

日程:2024年11月2日(土)①11:00~12:00 ②13:30~14:30     
   2024年11月3日(日)①11:00~12:00 ②13:30~14:30
※完成までに所要時間45~60分を想定しておりますが、個人差がございますので多少前後致します。

2. MAKE YOUR PORTABLE COLORFUL MOUNTAIN ~自分だけのキーチェーンを作ってみよう~

THE NORTH FACE CAMP&PLAY EARTH KIDS恵比寿ガーデンプレイス2周年記念ワークショップ-mountain design-
地球上に同じ山がないように、自分だけの山をつくります。手の細かな動きと見立ての想像力が生み出す、いつもと違う自然とつながるワークショップ。
ikkaku mosaic定番のキーチェーンに好きな色をペイントして、ボールチェーンや好きな色の細引きを選びます。最後にレーザー刻印でTNFロゴと好きな文字を刻印して、世界にひとつだけのキーチェーンの完成です。

日程:2024年11月2日(土) 15:00~16:30
   2024年11月3日(日) 15:00~16:30
※完成までに所要時間60分~90分を想定しておりますが、個人差がございますので多少前後致します。

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