記事中画像撮影:筆者
世界最小・最軽量クラスの超コンパクト電動ポンプが登場!
煩わしいマットの空気入れの手間を省いてくれる救世主として、最近はマストアイテムのひとつになってきている電動ポンプ。その便利さゆえ、一度使うともう手放せなくなってしまうほどの存在です。
そんな電動ポンプの先駆的存在であるFLEXTAIL(フレックステイル)から、世界最小・最軽量の新型「ゼロポンプ」が登場! なんでもコンパクトながら、約1分であっという間にマットを膨らませるハイパワーとのこと。
これは気になる……! ということで実際に使ってみた様子をレポートします。これまでの常識を覆す“究極のコンパクト”電動ポンプに仕上がっていましたよ。
新作「ゼロポンプ」のここが凄い
リップクリーム同等の本体サイズ
やはり特筆すべきはその本体サイズ! リップクリームと同等と謳われている長さ7.5cm、直径2.6cmの超絶コンパクトなサイズは、実際に並べてみたらご覧の通り! うっかり取り違えてしまいそうなぐらいの小ささです。
これだけ小さければバッグの隙間どころか、ポケットに入れることもできます。持っていける荷物に限りがある登山やバックパックキャンプなどにも打ってつけです。
とにかく軽い重量33g
さらには本体重量は33g(電池込みで49g)と、荷物の中に紛れてしまえばほぼ存在を感じないぐらいの軽さ。
これだけ軽量コンパクトながら、毎分180Lという必要充分なパワーがあるというのだから驚きです。数値では風量がわかりにくいと思うので、あとで実際にマットに空気を入れて、実用性を確かめてみますね。
うっかり落としても安心!アルミニウム合金製のタフなボディ
外装には、軽くて強度が高いアルミニウム合金を採用。わざと力を込めてよほど激しく打ち付けるでもしない限り、通常使用の範囲内で屋外で落としたりぶつけたりしてしまっても正常に動作してくれます。
アウトドアで使うものである以上、やはり必要最低限の強度は備わっていて欲しいですよね。
6種のノズル付属、あらゆる製品に対応
幅広いタイプのマットで使えるよう、あらかじめ6種類のノズルが付属。KLYMITやNEMOのような、テント泊やULキャンプでよく使われる人気のブランドにもしっかり対応。
ちなみに筆者は以前からFLEXTAILの「マックスポンプ2020」(写真右)を使用しています。2年ほど前に購入した旧型モデル。これでも充分小さいと思って使ってましたが、並べて比べると大きさの違いは一目瞭然。
格段の進化が感じられる極小サイズのゼロポンプに、思わず目移りしてしまいます……。
使用するバッテリーは?
電池式が小型軽量化のポイント
これまで同社の電動ポンプは、本体内蔵式のバッテリーを採用していました。しかし、ゼロポンプは電池式を採用! こうすることで本体サイズの小型化に成功しているそうです。
使用する前に電池を確認してみましょう。空気が噴出される側のフタを開けると中から電池がひょっこり。
専用の充電池が付属!
フタを外して取り出してみると、中から単三電池の半分ぐらいのサイズの電池が現れました。
実質本体の半分くらいを電池が占めているように見えますが、これだけコンパクトな機構でしっかり風量が得られるとは……!
付属の充電池は、USB-Cのケーブルを使って直接充電できるので、別途電池用の充電器を持ち運ぶ必要もありません。
「3つの条件」を満たす電池なら対応可能
対応電池はRCR123A(充電池)・CR123A(使い切り式の乾電池)。
電圧3.7〜4.2V・直径16mm×長さ37mm・容量650mAhの3つの条件を満たしていれば使えるようですが、安定性がある充電池の方が推奨のようです。
実際にマットを膨らませてみた!
それでは実際に、肝心の風量がどの程度なのか、マットに空気を入れて確かめてみたいと思います。
使用するマットは筆者がキャンプ時に愛用している、NEMOの「ローマー」というモデル。10cmの極厚マットで幅も一般的なシングルサイズより幅もやや大きめに作られており、快適な寝心地が得られる反面、普通のエアマットに比べて大量の空気が必要に。
果たして問題なく入れることができるのか……!
公式から参考値として各社のマットに空気が溜まる時間が記載されていたので、筆者も試しに時間を測ってみます。
ちなみに本体中央に電源ボタンがあるのですが、ダブルクリックでONになる仕様で、誤操作による電池の消耗を防止する役割も担っている模様。隅々まで考えられていますね。
厚さ10cmのマットを膨らませた結果
スイッチをONにすると徐々にマットが膨らんでいき、いい感じの張り具合になったところでストップしてみると、結果は2分11秒!
超厚手なので少し時間がかかりましたが、しっかり膨らんで快適に眠れそうな仕上がり。これだけ大型のマットでも、全く問題なく空気を入れられることが確認できました!
試しに手動でも空気を入れてみたところ…
ちなみに本来であればマット付属の手動の空気入れを使って膨らませていきますが、筆者は購入当初から電動ポンプを使っているため手動で入れたことがありません。
とは言え検証しないことには比べられないので、今回きりと意を決して人力で空気を入れてみることに。
その結果、人力だとなんと10分かかってもポンプ使用時の8〜90%程度の膨らみ具合までしか空気を入れることができませんでした。酸欠でしんどくなってきてしまったので、今回はそこで断念……。改めて、心の底から電動ポンプのありがたみを感じることができました。
※バルブを開けて自然吸気である程度膨らませれば空気の注入量は少なく済みますが、今回は同条件で比べるために、全てバルブ開放直後から空気入れをおこなっています。
同社のバッテリー内蔵型電動ポンプとも比べてみた
参考までに元々筆者が使っている同社の「マックスポンプ2020」でも時間を測ってみたところ、結果は1分25秒。ゼロポンプの方が+46秒という結果に。
というのも愛用品は、送風量300L/分と同社製品のなかでもズバ抜けたスペックモデル。ゼロポンプは、先述した通り180L/分です。
ここはパワーを選ぶか、携行性の良さをとるかの好みですね。「ゼロポンプって頼りないの……?」と誤解を生みたくないので言っておきますが、充分すぎるパワーなのでご安心ください。
こちら、公式に発表さている試験結果も参考にしてみてくだい。
筆者のような大きめの極厚マットではなく、シングルサイズの一般的な厚みのものであれば余裕で1分ほどで膨らみます!
ハンズフリーで膨らむ「ゼロポンプ」は、手がかからなくて最高!
最後に使ってみて個人的に「ここも良いな」と思ったポイントをお伝えしておきます。
筆者が使っている従来モデルは、使用中は本体を注入口に手で押さえつけておかないといけないんですが、ゼロポンプはノズルで注入口にしっかり固定されるため、手放しで空気入れが可能。
本体サイズの小ささ、軽さに加えて、手がかからない点まで含めると、断然ゼロポンプの使い勝手の良さを感じました。
正直従来モデルに不満は一切なく満足しているのですが、ゼロポンプの扱いやすさを体感すると購入を検討したくなりますね。すでに電動ポンプを持っていても、軽量なので登山用に……と買い足しを考えています。
ゼロポンプはこんなシーンでも使えるぞ
圧縮袋などの空気抜きに
マットの空気入れに充分な実用性があることが分かったゼロポンプですが、本体を反対向きに差し込めば空気を吸い出すこともできます。
マット収納時はもちろん、アウターなど嵩張る衣類の圧縮などでも活躍してくれますね。
焚き火の火起こしに送風機として
着火時に風を送り続けないといけない手間のかかる炭の火おこしなどの場面でも、うちわであおぎ続ける必要もなく、スマートに着火ができます。
より幅広いシーンに対応できるようになった極小電動ポンプ
あるに越したことはないけどマストアイテムでは無いため、荷物の制約で諦めざるを得ない状況もあった電動ポンプ。ここまで小さければ、常に持っていても邪魔にならないので、より多くのシーンで活用できるようになりました。
常にゼロポンプを備えておけば、快適に眠るためのマットの準備がラクになり、アウトドアで過ごす時の充実度がアップすること間違いなしですね。