アイキャッチ・記事中画像撮影:筆者
草花を炎から守る「we know enough < 」の焚火台
焚き火の熱や火の粉などによる地面への影響を軽減する場合、これまでは別売の難燃シートを敷いたり、ブロックなどを置いて地面から距離を取るなどの対策が一般的でした。
そんなキャンプの当たり前を刷新すべく登場したのが、気鋭のアウトドアガレージブランド「we know enough < (ウィーノーイナフ)」の焚火台。
自然環境へのダメージを最小限にすることを目的に開発されたこの焚き火台は、別売のシートなどを使うことなく、シート以上の効果を発揮。これからの環境のことがしっかり考えられた、コンセプト通りの仕上がりになっています。
we know enough < 焚火台
サイズ | L:550mm, W470mm, H300mm |
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収納時サイズ | L:550mm, W287mm, H15mm |
重量 | この商品を見る we know enough < 焚火台 収納袋付き ●サイズ:L:550mm, W470mm, H300mm ●収納サイズ:L:550mm, W287mm, H15mm ●重量:約2.4kg |
まずはサイズ感とパーツ構成をチェック
まずは、どのような焚き火台なのか、実際に触りながら全体像や組み立て方法を詳しく見ていきましょう。
取り回しやすい収納サイズと重量
今回使用するのは、専用の収納ケースに入ったタイプ。ケースについても認証オーガニックコットン100%使用と、細部までSDGsへのこだわりが感じられます。
収納サイズは幅550mm・高さ287mmでA3より幅が約10センチほど長い寸法ですが、厚みがわずか15mmなので、積載時には少ないスペースでも収納可能。重量は約2.4kgで、片手で軽々扱えます。
破損してもパーツ単位での購入が可能
こちらが基本のパーツ構成。どれかが破損してしまった場合でも、パーツ単位で購入可能なので、丸ごと買い直す必要はありません。修理しながら永く使えるというのは、ユーザーとしてはありがたいですね。
専用の五徳もラインナップ
別売で専用五徳も用意されています。のちほど解説しますが、専用設計だけあって抜群のフィット感なので、焚き火料理をする方であればこちらも併せてのご利用をおすすめします!
we know enough 焚火台専用五徳
サイズ | 幅105mm、長さ355mm、厚み19mm |
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素材 | SUS304 φ4mm |
組み立て方法
続いて、組み立て方法を確認していきます。
ステップ1:脚パーツをはめる
まずは、脚パーツに側面パーツを差し込んで、土台となるフレームを作ります。
ステップ2:灰受けプレートを設置する
次に、熱や火の粉から地面を保護するうえで肝となる灰受けプレートをセットしていきます。
収納サイズ小型化のため、灰受けプレートは2枚に分割された状態で収納されています。組み立て時は2枚のパネルを重ね合わせて、プレート同士をスナップボタンで留めるという斬新な構造。
側面パーツの一番下の段に、灰受けプレートを引っ掛けて固定完了。
ステンレス製の細いフレームと薄いプレートで構成されていますが、グラつきなどもなくしっかりした作りになっています。重い薪を載せた状態でも、安心して焚き火を楽しめそうです。
ステップ3・火床を設置する
最後に、薪を載せるための火床をセットしていきます。
メッシュはペラペラではなくしっかりと厚みがあるため、火を入れた後も変形などせずに長期間使うことができそう。火床は、フレームの2段目に引っ掛けておきます。
フレームの一番上の段には、さきほどお伝えした専用五徳をセットすることができます。五徳は複数セットできるので、大型のダッチオーブンを載せたり、2種類同時に調理したり、幅広い焚き火料理に対応可能。
使い心地を詳しくチェック
それではいよいよ、実際に火を入れて、焚き火をしてみましょう。
今回は筆者が普段使っている、軽量な割に大きな薪を入れてしっかり焚き火ができる「ピコグリル760」とも比較しながら、どういった特徴があるかをチェックしていきます。
市販の薪を入れるのに充分なサイズ
we know enoughの焚き火台の火床サイズは長辺が400mm・短辺が310mmあり、キャンプ場で販売されている薪はほぼ収まる寸法。
二層にしている都合上、「ピコグリル760」と比べると若干狭く薪の置き方の自由度は下がりますが、焚き火を楽しむうえで問題ない大きさです。
横から見ると、火床の位置が「ピコグリル760」と比べて5cm以上は高く設置されています。この時点で地面に伝わる熱量は、だいぶ下がるであろうことが想像できます。
今回は「ピコグリル760」との比較なので単純な軽さやコンパクトさでは負けてしまいますが、その分we know enoughは機能が充実している印象です。
メッシュの火床で高い燃焼効率
火床は全面メッシュで空気の通りが良いため、燃焼効率が高く薪が良く燃えます。しっかり燃えることで、薪が炭の状態で終わらず、自然に還る白い灰の状態になりやすいので、その点でも環境に優しいと言えそうです。
「ピコグリル760」も火床にスリットがあり空気が通るため、燃焼効率が高い焚き火台ではありますが、それでもたまに火を熾すために火吹き棒で風を送ってあげる必要があります。
ちなみに筆者はこの手間をかけながら焚き火を楽しむ趣が好きなので、燃焼効率がそこまで高くなくても気になりません。ただ、うまく燃やせずに薪を燃え残ったままにしてしまうこともありますし、慣れていない方や初心者の方には燃焼効率が高い焚き火台がおすすめです。
灰受けプレートの効果
灰受けプレートは、火床よりひと回り大きいサイズで近い距離にあるので、火床から落ちる灰や炭のカケラなどをしっかりキャッチ。
焚き火後に地面を見てみると、まわりには風で散った白い灰が少し落ちている程度で、地面は焚き火を始める前とほぼ変わらない状態でした。
風防が無いため風には弱いですが、そもそも風が強いときには焚き火をしないというのがグッドキャンパーのマナーなので、この点はそこまでデメリットには感じません。
焚き火料理にもしっかり対応
続いて、焚き火料理をするための専用五徳をセットしてみました。ケトルのような小さいものを載せる場合はひとつで充分ですが、ダッチオーブンなど大きい鍋の場合は2つあった方が安心です。
火床をスライドできる革新構造
そしてこれまでの焚き火台ではあまり見たことがない、画期的な機能がこちら。火床のメッシュを左右にスライドして、鍋を五徳に載せたまま火加減の調節が可能なんです!
ちなみに五徳自体もスライドして動かすことができますよ。
重いタークフライパンでチョリソーを焼いてみましたが、荷重が掛かっても安定していました。ダッチオーブンでもOKとのことなので、単体で幅広い焚き火料理に対応可能な焚き火台ですね。
後片付けの手間は?
楽しい焚き火タイムが終わった後に灰受けプレートを見てみると、火床から落ちた灰がたっぷり山盛りに。
メッシュには焼き色は付いてましたが、予想通り変形や穴あきは見られず、しっかりした状態のまま。
灰受けプレートは軽いのでそのまま灰捨て場まで持ち運ぶこともできますし、炭壺に流しこむのもスムーズのおこなうことができました。
便利な焚き火台だ、ということがわかったところで、次項目からは気になる地面への影響を測定した実験結果を発表していきたいと思います。