キャンプに最適な収納ボックスを求めて…
キャンプギアが増えたら、欲しくなるのがお洒落で使い勝手の良い、収納ボックス。大事なアイテムの保護はもちろん、家での保管や、クルマへの積載をしやすくしてくれる、キャンパーのマストアイテムです。
筆者は、もともと大の箱好きだったので、キャンプをはじめてからというもの、取り憑かれたように収納ボックスを集めてしまっています。
今回は、そんな箱フリークスな筆者が気になる、とあるお店に取材して参りました。
やってきたのは「セカイクラス大和店」
やってきたのは、神奈川県大和市に店舗を構える、ヴィンテージショップ「セカイクラス大和店」。
巨大な倉庫を改装した店内にはヴィンテージの家具やキャンプで使えそうな魅力的なアイテムがずらりと並んでいます。まず、この倉庫ならではの空間の広さや天井の高さに非日常を感じてワクワクを抑えられません。
「セカイクラス」ってどんなお店?
取材に協力してくださったのは、ショップマネージャーの小森さん。ヴィンテージのアイテムが大好きで、その道に精通したスペシャリストです。まずは、ショップについて伺いました。
僕らが目指すのは、“新感覚のヴィンテージのホームセンター”ですね。「セカイクラス」はもともと、2つの会社のコラボプロジェクトとしてはじまりました。
アメリカやヨーロッパのヴィンテージ品を扱っている大阪の会社、シャークアタックと、渋谷の空間デザイン会社、エニナルが互いの得意分野を活かして運営しています
ヴィンテージ品の販売だけにとらわれず、人と物と事がつながる場所になるよう心がけています。
オンラインとオフライン、アウトドアとインテリア、古いものと新しいもの。これらの垣根を超えて面白いことができないか日々模索しています
小森さんの話を伺うに、この「セカイクラス」ただのヴィンテージショップではないのは確か! 期待がさらに高まります。
「セカイクラス」で出会った、収納ボックス
「セカイクラス」がキャンパーさんに人気の理由は、ヴィンテージやデッドストックのお洒落な収納ボックスを豊富に取り扱っていること。
さっそく店内を見させていただき、無類の箱好きの筆者が心惹かれたアイテムを5点紹介します!
1. 人気と価値が上昇!ツァーゲスのアルミコンテナ
まずこちらは、今も続くドイツの老舗コンテナメーカー、ZARGES(ツァーゲス)の軍用アルミコンテナ。かつてドイツ軍で、食糧や装備を運搬するために使用されていたヴィンテージ品です。
お洒落なキャンパーさん御用達のアイテムで、インスタグラムなどを通じてたちまち人気になり、この10年で価値が上昇し続けています。アルミとウッドパーツのコンビネーションによる、インダストリアル(工業的)なデザインが魅力。
人気の理由のひとつが、コンパクトに折りたたんで積み重ねられる点。長さは85cmほどで、高さも45cm近くあるので、収納としてだけでなく、テーブルとしても使える点も魅力です。
キャンプの収納はもちろん、家でも使いたい逸品。状態の良いものが昔より減ってきているとのことだったので、欲しいと思ったときが買いどきです。より使いやすい、小型サイズのものもあります。
2. WHOで使われていた、謎のボックス
こちらは、WHO(世界保健機関)で医療器具などを滅菌するためにで使用されていた、ドイツ製の滅菌コンテナ。日常では馴染みのないものですが、医療の現場ではよく見られる種類のボックスでした。
フタの天面には、通気孔が設けられており、中に入っているものの湿気がこもりにくい作りが特徴です。長さも50cm以上あるので、薪や焚き火周りのアイテムの収納などに使うと便利そう。
このように複数あればスタッキングもできるので、家での保管や、クルマへの積載もしやすい点も魅力。
フタを固定するラッチ部分の形状もカッコ良く、高級感があります。真ん中に見える、杖に蛇が巻き付いたマークは、WHOのものです。ちなみこのマークの由来は、ギリシャ神話に登場する治療の神、アスクレピオスが持つ杖。
そんなうんちくを思わず、調べたくなってしまうのも、こういったアイテムの魅力です。
3. ヴィンテージスタイルに取り入れたいウッドボックス
こちらの古いウッド製のボックスは、HERMLE UHREN社というドイツの老舗時計メーカーの工場で使われていたであろうもの。
金属製のフレームと使い込まれた天然木が味わい深く、赤の塗料で刷られた社名が映えています。薪入れやコーヒーセット入れとして使ったらシブそうです。
このウッドボックスとセットで欲しくなったのが、こちらの置き台。こちらは、ヴィンテージ品を素材として使った「セカイクラス」のオリジナルアイテムです。
もともとはスツールに使用されていたアルミ製のフレームで、シートがボロボロだったので取り外し、オリーブグリーンのベルトと組み合わせて、置き台にアップサイクルされています。
このほかにも、デッドストックの布を使ったワークエプロンやバッグなど、古いものを活かして新しいものに作り変えたオリジナルアイテムがたくさんありました。こういったアイテムも「セカイクラス」ならではの魅力。
4. 人気の航空機用ギャレーボックス
こちらは、ギャレーコンテナといって、旅客機の機内食などを運搬するためのアルミ製のボックス。
こちらもクルマに積みやすいサイズ感とデザインの良さがヴィンテージ好きのキャンパーさんたちの間で年々人気が上がっています。
ふたが扉状で横から開けられるので、上に物を乗せていても、中身にアクセスしやすい作りが実に便利。クルマへの積載とも相性良しです。
トレーを入れる溝があるので、棚板を自作して入れればより収納しやすくなり、オカモチのようにも使えます。
巷には旅客機で使われていない新品もありますが、航空会社のロゴや使い込んで出た味は、ヴィンテージ品ならではのもの。
入荷するたび、すぐ売り切れてしまう人気アイテムなので、気に入ったデザインのものがあったら、迷わずゲットしましょう!
5. あの名画のも混じっているかも?フィルムケース
こちらは、バルカンファイバーという丈夫な紙素材でできた、映画のフィルムなどを保管するための収納ボックス。紙製なので、屋外での使用には向きませんが、家でお洒落にキャンプの小物を収納するのに役立ちます。
デザインもさまざまなので、複数積んでおくだけでこの佇まい。映画のセットのようです。
なかには、あんな名画やこんな名画の撮影の現場で使われていたものも混じっていたり……。例えばこちらは、2005年のクリストファー•ノーランの監督作品「バットマン ビギンズ」のもの! あの「ダークナイト」につながる名作です。
すでに売り切れてしまったですが、ほかにも「ハリー・ポッター」で使用されたものなどもあったそう。こちらも見つけたもの勝ちです。
こんなワクワクする収納ボックスたちも「セカイクラス」で扱っているアイテムのほんの一部。海外からの仕入れは約1〜2ヵ月おきに入ってくるので、いつ訪れても新しい出会いがあります。
収納ボックス以外に、こんなキャンプアイテムも……
2階に上がると、広大なスペースにヴィンテージの家具や雑貨がずらりと並んでいました。そして、その一角には……
ヴィンテージのキャンプ用品のコーナーも! ヴィンテージのランタンや、クーラーボックス、ファニチャーなどがぎっしり並んでいます。
どれだけ、キャンパーを魅了すれば気が済むのでしょうか、この「セカイクラス」は……。
そんなわけで、ここからは収納ボックス以外の魅力的なキャンプアイテムも一部ご紹介します!
ヴィンテージランタンも豊富!
「セカイクラス」では、ヨーロッパなど海外で買い付けたヴィンテージランタンも多数取り扱っていました。
こちらは、今も続くイギリス発祥のランタンメーカー、Vapalux(ヴェイパラックス)の前身となったBialaddin(バイアラジン)社の希少な加圧式灯油ランタン「305」。
グリーンのトップフードが印象的です。「灯油のみ可。他の燃料入れるな危険」を意味する“KERO ONLY DANGER”の文字が味わい深い。きっと当時、間違えてガソリンを入れて炎上させた人がいたんでしょうね(笑)
物に刻まれた記憶に想像をめぐらす楽しさもヴィンテージ品の魅力。
切り売りもしてくれる!
軍ものデッドストックシート
こちらは、他ではなかなかお目にかかれない、軍もののデッドストック生地。丈夫なPVC素材でできた、アーミーグリーンのシートで、ロールの状態からカット販売もしてくれます。
テントのグラウンドシートや、クルマのラゲッジ保護シートとして使いたいアイテムです。
生地は、ダイヤモンド型のパターンになっており、滑りにくく、濡れた草なども付きにくくなっています。カット済のものはハトメも四隅に打たれているので、ペグで固定したり、簡易タープとしても使えます。
現行品には出せない雰囲気や質感がたまりません。
オリジナルのキャンプブランドも本格化……!
セカイクラスはヴィンテージ品の販売だけでなく、オリジナルのキャンプブランドKICHI(キチ)も運営しています。
町工場の佐藤工業との共同開発で誕生した焚き火台「FIRE PIT」は、アーティスティックなデザインもさることながら、燃焼効率も良くコンパクトになるなど機能面にもこだわった自信作。
現在、「KICHI」では、ヴィンテージな世界観にマッチするキッチンテーブルや、オリジナルのテントなどを開発中とのこと。今後も目の離せないブランドです。
「セカイクラス」はこだわり派キャンパーの天国だった!
ヴィンテージのキャンプギアはもちろん、他のショップではなかなかお目にかかれないレアな収納ボックスなど、自分のキャンプスタイルによりエッジを効かせたいキャンパーさんの琴線に触れるアイテムが盛りだくさんだった「セカイクラス」。
東名高速の綾瀬スマートICから、クルマで約15〜20分の場所にあるので、気になる方はぜひキャンプの帰りに立ち寄ってみてください。