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川に大勢

われらの足元をめぐる水【海に生きる八幡暁の”足元サバイバル”#10】

沖縄県石垣島を中心に活動し、世界の海を渡った数々の記録を持つ八幡暁(やはた さとる)さん。CAMP HACKの連載では、「足元サバイバル」というテーマで語っていただきます。身近にあるものや、身体一つを大きく使いながら生きている八幡さんの人生に触れていきましょう。第10回は実際に水に入り、目を配ることで、危険や喜びを知るというお話です。

目次

※今回の取り組みは父兄たちが安全に十分配慮したうえで実施しています。

ペットボトル回収します!

テントに集まっている

息子の通う幼稚園にはおやじの会という父母のグループがあります(どの学校、園にもあるかと思いますが)。ここで、使い終わったペットボトルを集めてくださいと呼び掛けます。

トムソーヤがかつてやったように、この流れはどこへ流れ着くのか、ここではないどこか遠くへ行ってみたいと夢見たように、小さな冒険をしようという企画が持ち上がったのでした。

希望者は自分のライフジャケットもペットボトルで作ります。既成のライフジャケットを否定するものではないのですが、僕が世界の海を巡っていてライフジャケットを着用して海や川で遊んでいる子供は見たことがありませんでした。それも当然、そんな道具は売っていないからです。水は確かに危険がたくさんあります。足がついても溺れることもあります。そこは大人も子供も関係ありません。

自分を知るために水辺で遊ぶ

では、どうやって遊んでいるのか。または遊んでいないのか?

日本以外の現場ではほとんど毎日のように水辺で子供が遊んでいました。自分のやれることを自分自身が知っている子が多いのが見て取れます。浮力が必要であれば、漂流物を浮力帯として使っている光景もありました。あるもので遊んでいたのです。

ライフジャケットが無いことが危ないのではなく、自分の能力を親も子供も周りの目も、誰も知らない、判断できないことが危ないのです。だとしたら、やるべきことは見えてきました。この企画を通して感じてもらいたいのは「川を下って海まで行く」が目的ではなく、「自分を感じる、知る」が本当のテーマです。

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