海に生きる八幡暁の”足元サバイバル”#5~あしもとの衝撃~
沖縄県石垣島を中心に活動し、世界の海を渡った数々の記録を持つ八幡暁(やはた さとる)さん。CAMP HACKの連載では、「足元サバイバル」というテーマで語っていただきます。身近にあるものや、身体一つを大きく使いながら生きている八幡さんの人生に触れていきましょう。第4回に続き、目黒川のお話。ただの環境問題として捉えるのではなく、ぜひ身近すぎることとして全ての人に読んでもらいたいことです。
2022/09/06 更新
編集者
CAMP HACK編集部
月間550万人が訪れる人気No.1キャンプメディア『CAMP HACK』。累計制作記事本数は10,000本以上。環境省等の行政機関、「髙島屋」や「niko and ...」といったクライアントとの連携実績多数。また、TBSテレビ『ラヴィット!』等、各メディアで登壇機会多数の編集部員も所属。
CAMP HACK編集部のプロフィール 制作者
八幡 暁
オーストラリア~日本の海域を中心に海洋文化を探索する人力航海を2002年より開始。シーカヤックによるフィリピン‐台湾海峡横断(バシー海峡)など世界初となる航海記録を複数持つ。現在ツアーガイドや地域活動等、生きることをベースにした活動は多岐に渡る。
八幡 暁のプロフィール
八幡さんが目黒川に通うきっかけとなった第4回連載はこちら
目黒川に通いはじめて、数か月が経っていました。
川をじゃぶじゃぶと歩き、落ちているゴミを拾っていると、いろいろなゴミに出会います。海ではビーチコーミングという遊びがありますが、その都市ゴミ版。それぞれに、ドラマがあります。
折り畳み式のガラゲーが半分に折られたもの。タバコの吸い殻がやたらと多い場所。中身の抜かれた財布。お店の看板。何故か大量の髪の毛や生理用品…。それらを掃除しながら川歩き。
足下は道路と違って歩きにくい。ときには深い穴があったりして、スリリングです。
転んでも水は綺麗なので、それほど気にすることもありません。
が、ある日のこと、事件が起きたのです。
それは小雨が降っていた日のことでした。ここは都市河川、川に降りる前には急激な増水のリスクだけは避けなくてはなりません。雨雲の具合、積乱雲の発達があるかないか。その日の天気を確認します。
大丈夫であることが解り下に降り、そしてデッキブラシを片手に、滑りやすくなった川底の苔をとっていました。しばらくすると、どこからか重低音が耳に入ります。
グゴゴゴゴォーーー…。