八幡さんが目黒川に通うきっかけとなった第4回連載はこちら
目黒川に通いはじめて、数か月が経っていました。
川をじゃぶじゃぶと歩き、落ちているゴミを拾っていると、いろいろなゴミに出会います。海ではビーチコーミングという遊びがありますが、その都市ゴミ版。それぞれに、ドラマがあります。
折り畳み式のガラゲーが半分に折られたもの。タバコの吸い殻がやたらと多い場所。中身の抜かれた財布。お店の看板。何故か大量の髪の毛や生理用品…。それらを掃除しながら川歩き。
足下は道路と違って歩きにくい。ときには深い穴があったりして、スリリングです。
転んでも水は綺麗なので、それほど気にすることもありません。
が、ある日のこと、事件が起きたのです。
それは小雨が降っていた日のことでした。ここは都市河川、川に降りる前には急激な増水のリスクだけは避けなくてはなりません。雨雲の具合、積乱雲の発達があるかないか。その日の天気を確認します。
大丈夫であることが解り下に降り、そしてデッキブラシを片手に、滑りやすくなった川底の苔をとっていました。しばらくすると、どこからか重低音が耳に入ります。
グゴゴゴゴォーーー…。