記事中画像撮影:筆者
水を備蓄するにも、限りってもんがあるよね…
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災害大国である日本。最近は災害備蓄に関する意識も高まり、普段からローリングストックしつつ、食品など備蓄している人も多いのでは?
中でも、不可欠ながら最も備蓄スペースを消費しがちなのが「水」です。一般的に1人あたり、1日3L×3日=9Lが目安とされますが、家族4人分だと、実に1Lペットボトル36本分に!
そして水と言えば、キャンプでも確保が不可欠。美しく澄んだ川辺のサイトに限って、水場がはてしなく遠い……。というのもあるあるですよね。
思わず「これだけ澄んだ川の水なら飲めそう」と考えがちですが、非常に危険な行為。目に見えないだけで、寄生虫のエキノコックスや大腸菌など、危険な物質が混入している可能性が……。
TVで話題の「SAKUTTO」がスゴそう!
実はどちらの問題も「携帯浄水器」があれば解決。実際に必要なシーンは少ないかもしれませんが、1つ備えておけばいざと言うときの安心感は爆上がりです。
そんなワケで、なるべくコンパクトで高機能のアイテムを探していた筆者が、Amazonで発見したのが、SAKUTTO「携帯浄水器 (アウトドア向けデザイン)」(以下SAKUTTO)。
こちら、TBSの「冒険少年・脱出島」で紹介されるなど、すでに話題を集めているもよう。この小ささで本当に実用性があるのか、詳しくレビューしていきます!
SAKUTTO 携帯浄水器 アウトドア向けデザイン
サイズ | 奥行き35×幅35×高さ140mm |
---|---|
重量 | 50g |
付属品 | 洗浄用注射器、シリコンチューブ、ウォーターバッグ |
SAKUTTO「携帯浄水器」がスゴそうな3つの特長
1|最高水準!99.99999%の除去率
出典:Amazon
商品ページをチェックしていて、筆者がまずスゴそう……! と思ったのが、浄水性能の高さです。なんと、99.99999%の除去率!
目に見えない寄生虫や原虫嚢子に、大腸菌やコレラ菌などの細菌までしっかり除去できるそう。
出典:Amazon
フィルター本体には、U字型の中空糸膜が入っていて、無数にあいた0.01ミクロンの穴で水がろ過される仕組みになっています。
しかも、研究開発は日本国内の開発チームが担い、品質と水質の検査を国外1機関・国内2機関での3重検査を実施。食品衛生法に適合し、かつ水道法水質基準に適合することを実証済み。
※注意:細菌よりも微細なウィルス、水に溶けているカルシウムやマグネシウムなど貴金属等を含む溶解固形物や放射線物質は除去できないとのこと
2|手のひらサイズで5000L浄水
そしてスゴそうなポイント2つ目は、フィルター交換が不要なところ! 幅35×奥行き35×高さ140mm、重さはたったの50gと、手のひらにすっぽり収まるサイズなのに、驚きです。
筆者は普段、自宅で浄水タイプのウォーターサーバーを使っていますが、半年に1度は内部のフィルター交換が必要です。1日に平均4Lほど使うので、1つのフィルターで4L×180日=720L浄水できる計算に。
出典:Amazon
これに対し、「SAKUTTO」はこの小ささで実に5000Lまでの水をフィルター交換なしで浄水可能。なので、災害時でも4人家族の約416日分の飲用水をこれ1本で確保できてしまうんです。
3|充実のセットで4WAYに対応
さらに「SAKUTTO」はセット内容も充実。画像左側から、ウォーターバッグ・本体・シリコンチューブ・洗浄用注射器の4点がセットに。
デザインはブルー基調の標準タイプと、モノトーンで男前なアウトドア向けデザインが選べます。今回、筆者は後者をチョイス。ウォーターバッグまで統一感あってカッコいい。
別途アイテムを追加する必要なく、浄水から洗浄まで完結できるのが便利ですね。しかも市販のペットボトルと併用すれば、下記の4WAYの飲み方が可能に。
SAKUTTOで浄水を飲む4つの方法
- 1. ウォーターバッグに水を入れて浄水しながら飲む
- 2. シリコンチューブから直接水を吸い上げて飲む
- 3. 市販のペットボトルから浄水しながら飲む
- 4. 容器へ浄水を貯めてから飲む
実際に浄水性能を試してみたぞ!
*記事作成のため、自己責任でレビューしています。不必要に試すのはオススメしません
検証1|澄んだせせらぎの水は?
それでは、いよいよ実際に浄水性能を試していきます! まず、筆者が訪れたのは近所の親水公園。
水路こそ石造りで整備された人工のせせらぎですが、流れているのは紛れもない天然水。
ここの水をペットボトルで採取してみました。
おお!コレは完全に透き通っていて、このままでも飲めそうな気がしてしまいますが、もちろん飲用に適した水ではありません。細菌や寄生虫は目に見えませんからね……。
そこで「SAKUTTO」の出番です! あれ?どっちから水が出てくるんだっけ?と一瞬戸惑う形なんですが、ご安心あれ。ちゃんとボディに浄水の方向を示すイラスト入り。
浄水排出口の反対側がこちら。市販のペットボトルをネジ式で脱着できる構造になっています。
付属のシリコンチューブやウォーターバッグもこちら側に脱着できる設計です。
天然水入りペットボトルを「SAKUTTO」に装着。
逆さまにしたら、排出口のキャップを開けてペットボトルをギュッと押すと……。浄水が出てきました!
画像左側が天然水、右側が浄水後の水です。もともと見た目はクリアだったので、目視では全く差を感じられません。
実際に飲んでみましたが、気になる味や匂いはなく、フツーに美味しいお水。
4日ほど経過した現在も筆者の健康状態はすこぶる良好。安全な水質になっていた可能性が高いですね!
検証2|緑に澱む池の水も…イケんのか…?
そしてお次は、こちらも近所にある直径30mほどの池。ですが、先ほどのせせらぎの澄んだ水とは違って、緑色に澱んでいるんですよね……。
水深もかなりあって、鯉や亀なんかもよく泳いでいるのを見かけます。こ、この水でも飲める水になるんでしょうかね……?
※使用上の注意点
と、ここで注意したいのが「SAKUTTO」の説明書に記載されている下記の文面。
水にとけているカルシウムやマグネシウム、貴金属等を含む溶解固形物や放射線物質、細菌よりもさらに微細なウイルスは当フィルターでは除去できません。
当フィルターは使用者の健康を保証するものではありません。自己責任でできるだけ安全かつ衛生的な水に対してご使用ください。
また直接的、間接的に関わらず生じた損害や付随的な損害に対しても責任を負わないものとします。
なので今回は、あくまで自己責任の上での検証となります。みなさんは絶対に真似をせず、メーカーの推奨使用法を守って、正しくお使い下さいね。
水面にこれだけ近づいても底は見えません。と、とりあえずペットボトルに水を採取して……。
あれ? 緑茶かな? ってくらい潔いほどの緑ですね(震)。
ま、まあ気を取り直して、さあ、浄水していきますよ……(涙)。
う〜ん……。 右側が池の水、左側が浄水後の水なんですが、目視では、沈殿物がなくなった&若干色が薄くなった程度しか差を確認できず。
学生時代、インドのガンジス川で沐浴したとき以来?の勇気をふり絞り、ほんのひと口だけ、口に含んでみたら……。
え? 完全に無味無臭!
あらためて池の水の匂いを嗅いでみると、こちらは池特有の泥臭さが鼻につきます。見た目の変化は少ないけれど、やはりかなり高レベルでろ過はされたということなんでしょう。(※この後は飲み込まずに吐き出し、すぐにマウスウォッシュで口内を洗浄&殺菌しております)
ジュースやブラックコーヒーはどうなるんだろうか?
ここからは、主に筆者の知的好奇心による検証となります! 「SAKUTTO」の実力を試すため、オレンジジュースとコーヒーでも試してみることに。
ただし、緑の池のときと同じく、メーカー推奨の方法ではありませんのでご注意下さい。
オレンジジュースでは?
まずはオレンジジュースから浄水してみたいと思います! ペットボトルに移してから浄水を……。
と、ここで、大きな変化が! 出てくるのにめちゃめちゃ時間がかかります。ペットボトルをギュッと押しても、雫単位でしか出てきません。溶解物が多く濃度が高いせいでしょうか?
約10分ほどかかって、やっとこの量までろ過が完了。左側がビフォー、右側がアフターです。色はかなり透明に近くなってますね!
早速飲んでみたところ、めっちゃ味の薄〜いオレンジジュースでした。香りや酸味は割と残っていましたよ。ここまで色が薄くなるとは、想像以上のろ過性能でした。
ブラックコーヒーでは?
続いてはブラックコーヒーにトライ! 健康上のリスクがないと思うと、俄然、気分も乗ってきます。
おお……? こちらはこれまでと同じスピードでスムーズに排出されてきましたが、かなり色は茶色いですね。
こちらがビフォーアフター。画像だと分かりづらいんですが、少し色が薄くなりましたよ。
飲んでみた感想は……、よく言えば雑味が一切なく角が取れたクリアなコーヒー、悪く言うと個性のない薄めなコーヒー。
オレンジジュースに比べるとかなり味も残っていて、めちゃ薄いというワケではありませんでした。コーヒーには、除去できない溶解物がかなり含まれているみたいですね。
気になったのはこんなところ
1|除去できない物質が結構ある
先にもお伝えした通り、「SAKUTTO」には除去できない物質も。カルシウムやマグネシウム、貴金属等を含む溶解固形物や放射線物資、細菌よりも微細なウイルスは除去できません。
また、説明書には下記の注意書きも。
海水や河口付近などの塩分を多く含んだ水には使用できません。
魚類など生息できない生活排水、工業廃水などが含まれた水や意図的に有害物質を混ぜた水、脂分など水以外の液体などには使用しないでください。
先の条件と合わせてこれら全ての要件を完全に満たす水となると、首都圏に住む筆者の身の回りでは、なかなか見つけられそうになく……。
山間部などの川の上流の水などの浄水に使うのが、最も安全で現実的な気がします。あくまで災害時や緊急時に、飲用水のリスクを下げるためのアイテムとして秀逸ということですね。
2|毎度の洗浄には浄水が必要
もう1点、今回使ってみて気付いたのが、フィルター交換が不要な代わりに、使用するたびに洗浄が必要だということ。
付属の洗浄用注射器を使って浄水時とは逆の向きから水を通すだけなので、洗浄自体はそれほど面倒な作業ではないのですが……。
実は、説明書には「水道水は薬品が含まれているので、できるだけ避けてください」とあり、洗浄時には「SAKUTTO」で浄水した水を使用する必要があるんです。
この記載に気づかず、検証後にうっかり浄水の残りを捨ててしまった筆者は、自宅に帰ってからウォーターサーバーの浄水で洗浄するハメに。
なので、浄水時には必ず洗浄用の水を残すことを覚えておきましょう。
3|寒さには弱い
3点目は、寒さに弱いところ。「SAKUTTO」のフィルターに使用できる水の適正使用温度は5℃〜40℃。説明書には下記の記載が。
凍結の恐れがある状況や60℃以上のお湯に対してはフィルターが破損する恐れがあるため、ご使用いただけません。(一度使用したフィルター内から完全に水分を除去するのは非常に難しい為、使用中のフィルターを寒冷地に持ち込む際などは、体の近くなど温度が下がりにくいところで保持してください。)
60℃以上のお湯を浄水する状況は、おそらく現実にはほぼないかと思いますが、5℃以下の水というのは、冬の川ならあり得ます。
冬の緊急・災害時にはちょっと困るなあ……と思いましたが、そうなると、もう煮沸して飲めばいいので、あくまで飲用水確保の1つの手段として持っておくのが正解ということですね。
サクッと浄水!1つ持っていれば有事の安心感が全然違う
除去能力には限界はあるものの、手のひらサイズで高い携行性があり、フィルター交換も不要ながら5000Lもの浄水が可能な「SAKUTTO」。
「上流の川辺のサイトで水場が遠いとき」や「災害などの緊急時に備蓄が足りないとき」などのために1つ持っていれば、飲用水のリスクを一気に下げてくれるので、安心感が全然違います。
あなたも「SAKUTTO」で、未来の安心を1つ、手に入れておきませんか?
SAKUTTO 携帯浄水器 アウトドア向けデザイン
サイズ | 奥行き35×幅35×高さ140mm |
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重量 | 50g |
付属品 | 洗浄用注射器、シリコンチューブ、ウォーターバッグ |