CAMP HACK × ソトレシピ
キャンプ料理専門のレシピサイト「ソトレシピ」で掲載されたレシピをCAMP HACKでもお届けする連携企画です。今回はクッカー・飯ごうを使った炊飯対決!
白米1合炊き最強のソロキャンプクッカーを知りたい
キャンプ場で食べる炊きたてのごはんって格別ですよね。キャンプでの炊飯って難しそうに感じるかもしれませんが、じつはやり方さえ知っていれば誰でも美味しく簡単に炊けてしまいます。
しかし、そんなキャンプでの炊飯にハマって何度もやっていくうちに、こんな疑問が脳裏に……
白米を最も“うまく”炊けるキャンプ料理ギアって…何だろう?
今回は、その疑問に応えるべくキャンプ料理ギア比較をやってみます!
メスティン・飯ごう・コッヘル・シェラどんぶりの4ギアを比較
「どのギアを比較しようかな……」そんな疑問をまずはソトレシピ編集部公式Twitter(@sotorecipe)でフォロワーさんに聞いてみました。その結果はこちら。
普段キャンプ場でお米を炊くときって、
みなさん、何を使っていますか?特にオススメがあれば、
是非コメントでも教えてください!#キャンプギア #キャンプ飯— ソトレシピ編集部【公式】 (@sotorecipe) October 13, 2020
メスティン強い……! また、キャンプ用に使っている鍋が18.6%、飯ごう約12.7%。シェラどんぶりは4.9%でした。
さて今回、エントリーするギアの選定についてダッチオーブンとメスティンを比較するのも判断が難しいので、ある基準を設けました。
要するに「コレ1つあればとりあえずなんとかなる!」という汎用系ギアたちによる勝負。そんなギアの中で白米1合炊き最強はどれなのでしょうか? そんな基準のもと、下記4ギアがエントリー。
トランギア 「メスティン」
トランギア メスティン
ザ・ノースフェイス・スタンダード 「Rice Cooker Hango」
スノーピーク 「チタントレック 900」
スノーピーク チタン トレック 900
ソトレシピプロダクツ「シェラどんぶり」
ユニーク枠として、ソトレシピプロダクツから発売している「シェラどんぶり」をエントリーさせてください!
シェラどんぶりについて詳細はこちら
対決のルールは「固形燃料」を使った“放置炊飯1本勝負”!
エスビット ポケットストーブ ミリタリー
個性豊かなキャンプ料理ギアが揃った第1回。今回の炊飯ルールはこちら!
できるだけ人の手が加わらないような炊飯方法にし、ギアがもつ純粋な“炊飯力”を比較してみます。
そして審査基準ですが、キャンプ飯ラバーたるもの味が“うまい”ことはもちろん、使い勝手の“うまさ”にもこだわりたいもの。ということで、このような審査基準を設けてみました。
それでは早速対決開始!
沸騰はスノーピークが1位。炊飯中にも溢れるギアの個性
横並びで一斉にスタート。
撮影時の気温は22℃で快晴。ほぼ無風の状態です。
開始から約4分30秒:チタントレックが沸騰
「チタントレック」はエントリーした4モデルの中で唯一のチタン製。素材の特徴を活かし、最も早くコトコトと湯気が立ち上がるのを確認。
次に沸騰したのは「Hango」。「Hango」と「メスティン」はともにアルミ製。底部の大きさがほぼ同程度のため、剛性感のある「Hango」のほうが熱を通しにくそうに感じましたが、結果は想像とは異なる形に。
その後、約5分のタイミングでステンレス製の「シェラどんぶり」から湯気が。
「シェラどんぶり」とほぼ同程度の時間で、最後に「メスティン」の湯気が確認できました。これには個体差があるかもしれませんが、「メスティン」の蓋の閉まりがかなり硬いものを使用していることもあり、完全に沸騰を迎えるまで湯気が視認しにくかった可能性もあります。
いずれにしても、すべてのキャンプ料理ギアが約4分半~約5分半の間で沸騰しました。その後鎮火するまで一切触れることなく、完全に放置します。
開始から約10分:炎が落ち着き自動で弱火に
この時点で吹きこぼれが確認できたのは「シェラどんぶり」だけ。グツグツっと一瞬吹きこぼれましたがその後すぐに落ち着きました。他の3ギアについては一切吹きこぼれることなく、安定した状態が続きます。
開始から約13分が過ぎ、鎮火
今回は少し長めに20分間放置し、蒸らしていきます。
炊きあがり!さて、編集部による審査結果は?
死角無しの出来栄えに仕上がった「メスティン」
「メスティン」を開封! 少しわかりにくいですが、中心に少し“カニ穴”が空いています。また、お米もしっかりと立っていて、均一な仕上がり。
特筆すべき点として、「メスティン」には一切おこげができませんでした。お米の味わいはエントリーした4つのキャンプ料理ギアの中で最もニュートラルと言えそうです。
ほのかに甘みがありますが、どちらかというとあっさりとした味わいでもあり、比較的硬めに炊きあがった印象。カレーや汁物など水分が多いレシピとの相性が良さそうなイメージです。
“白ごはん”としての美味しさは飯ごうに軍配
「Hango」開封! こちらも「メスティン」同様に美しい炊きあがりです。均一でしっかり米が立っており、他のギアと比べてツヤと潤いが強い印象があります。
同じアルミ素材の「メスティン」と同じく、「Hango」も一切のおこげがない状態で炊きあがりました。口当たりもふっくらしており、甘みを強く感じたので白米そのものを楽しみたいときには飯ごうがソトレシピ編集部としてのオススメ。
最大4合まで炊ける「Hango」には1合はサイズ的にも余裕があったのでしょうか。他の製品と比べて容量に占める米の割合が低く、蒸気や熱を逃がしにくい構造がこの結果につながったのかもしれません。
“チタン”の特性が色濃くでた「チタントレック」
「チタントレック」を開封! こちらもしっかりとお米が炊けています。アルミ製のクッカーには無かったですが、こちらは中心部分に茶色いにじみが。また、クッカー周辺のお米も硬めに仕上がっていそうな雰囲気。
シャリ切りをしてみると、エスビットの炎が直接あたっている底部中央部分のみしっかりとしたおこげができあがっていました。口にした印象は、おこげの風味が他と比べて強い印象。
沸騰が早く熱が通りやすいチタンの特性が炊飯に反映され、炊飯力だけを比較すると他のクッカーに軍配が上がりそうです。
しかし、「チタントレック」は“トレッキング”を想定したギア。軽さと耐食性能を重視したチタンならではの機能性があります。早めに火から下ろすなどして工夫すれば、ごはんの仕上がりに改善が期待できそうです。
“盛りと映え”なら「シェラどんぶり」
こちらはオールステンレス製の「シェラどんぶり」。「チタントレック」と同じく中央に茶色いにじみが確認できましたが、ごはんは均一に満遍なく炊きあがっています。
シャリ切りをしてみると、やはりおこげがありました。「チタントレック」と比べると絶妙なおこげの出来具合と言っても良いのではないでしょうか。口にすると、おこげができているため硬めかと思えばむしろ柔らかめ。
どんぶり型ゆえに蒸らし時間中に底部に水分が自然と集まるからなのか、最も水分が無いおこげの部分もほのかにしっとりと仕上がっている印象でした。
炊飯力そのものは、「メスティン」と「Hango」のほうが優秀と言えそうです。ただ、「シェラどんぶり」ならではの個性がこちら。
クッカーがそのまま“どんぶり”として使えること。もちろそのまま食べることは他のギアでもできるのですが、「盛り付けを含めて料理として完成させる」ことを「シェラどんぶり」は重視。
荷物をできるだけ減らせながら、見た目も味も同時においしい体験ができます。
“放置炊飯”恐るべし。スタイルに合わせて選ぼう。
いかがでしたか? 結論、どのクッカーを使っても放置炊飯で見事にごはんを炊き上げました 。「お米を炊く」ことだけに焦点を合わせれば、どのようなクッカーでも問題なく白米1合を炊き上げることはできそうです。
その上で、炊きあがったごはんには、使用したクッカーの個性がしっかりと反映されました。
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