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【アウトドアで働く人インタビュー】管理人は非キャンパー女子!?キャンプ場を切り盛りする”ママさん”に密着(2ページ目)

経営パートナーとの運命的な出会い

クラウドファンディングを終えてから、富士五湖周辺でキャンプ場の土地を探して回りました。土地を探して走り回る中で、このキャンプ場オーナーの油井昌由樹さんと出会ったんです。

油井昌由樹氏は日本で最初のアウトドアSHOPをオープンさせた、アウトドア界のレジェンド。

二人の出会いが、キャンプ場SPORTS TRAIN in Forest campを本格始動させます。

管理棟内に飾られるグッズはキャンプ場オーナーである油井昌由樹氏のコレクション

そのとき、油井さんは自分の家を建てようと、私と同じく西湖周辺に通っていたんです。油井さんのことを正直何も知らない状態でしたが、湖のほとりでたまたま一緒になったんです。そこで油井さんから声をかけてくださって。

その後、意気投合し何度かお話しする中で「私とキャンプ場をやりましょう!」とお誘いして、ご一緒することになりました。

油井さんとの出会いの後、現在のキャンプ場の場所と名前が決定。半年にわたる開拓の末、2021年の4月に営業が開始しました。

キャンプ未経験者によるキャンプ場の誕生

キャンプ場をオープンしたと言っても、黒木さんはキャンプ未経験。そのことで苦労することはありつつも、キャンプ場運営のすべての仕事を担っています。

今は、キャンプ場の予約管理や施設の整備をはじめ、サイトの開拓やホームページ運営などもすべて行なっています。でも、正直「テント立てるのを手伝って」とか、キャンプのサポートはできないですね(笑)。お客さんにもキャンプやったことないのでできないですって言っています(笑)。

一番の仕事は、お客さんと一緒にお酒を飲むこと

黒木さんが仕事の中で一番大事にしているのは、お客さんとの交流。お客さんとの交流の中で、一緒に食事をしたりお酒を一緒に飲んだりすることも多いそうです。

もともと、気兼ねなく人が集まれる場所をつくりたいと思っていたこともあり、お客さんとの交流は大事にしています。

どんなに忙しくてもお客さん1組1組サイトまで案内して、その間で少しお話ししたり。夜になったらまたサイトを回って「晩ごはんなんですかー?」って(笑)。

そうやっていると、お客さんと一緒にご飯を食べたり、お酒をのんだりするようになって。また来てくれたときには私のイスが用意されていたり(笑)。

取材日の当日、たまたま来ていたソロキャンパーのお客さんも、黒木さんのためにわざわざ席を用意。筆者もご一緒させてもらいました。

キャンプに来ていたソロのお客さんと乾杯する黒木さん。なんと黒木さんのためにイスが用意してありました

来ていたお客さんは「つい(ご飯やお酒を)あげちゃうんだよね。あげたくなるような雰囲気をのんちゃん(黒木さん)が作っている。」とのこと。今では黒木さんに会うためにキャンプ場を訪れる方もいるそうです。

キャンプ場の管理人というよりスナックのママ

お土産のお酒が並ぶ棚を背にカウンターに立つ姿は、スナックのママそのもの
黒木さんの口からは、「こんなキャンプサイトを作りたい」などキャンプ場の設備についてはの話はあまり出てきません。
代わりに出てきた黒木さんの目指すキャンプ場の姿は、非キャンパーだからこそ描ける姿かもしれません。

個人的にはキャンプ場をスナックのような存在にしたいんです。キャンプに来る。ではなく管理人とお酒を呑む。そんな場所にしたいですね。私自身がお客さんの「楽しかった」を生み出せる存在でありたいと思っています。

湖は見えずとも、このキャンプ場に来れば素敵な管理人に会える。というのはキャンプ場を選ぶ理由として十分なのかもしれません。

オーナーの店を復活させたい

このキャンプ場の前身的存在である、アウトドアショップ「スポーツトレイン」はすでに閉店しています。黒木さんは、かつてのオーナーのアウトドアショップを復活させたいという想いがあるそう。

いつになるかはわかりませんが、この場所でアウトドアショップ「スポーツトレイン」を復活させたいと思っています。

私はアウトドアのことわからないんですけど、ここに行けば「ちょっと変わったいいものが手に入る」みたいなお店にできたらいいなと構想中です。

人に会いに行くキャンプ場

黒木さんが抱いているのは管理猫「諭吉」。彼もキャンプ場を支える看板猫とのこと

家族や友人と交流する、美しい景色を見る、一人の時間を過ごすなど、キャンプに行く理由は人それぞれ。中には、キャンプ場の人に会いに行くがあってもいいですよね。

SPORTS TRAIN in Forest campは、「また会いにいきたい」と思わせるキャンプ場の一つ。ぜひ一度足を運んでみてください。

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