英語?技術?無くても無問題!アメリカ・ハイク&キャンプ旅入門(#01 パーミット編)

2019/05/06 更新

アメリカのハイキングやキャンプには憧れるけど、ハードル高いんでしょ?そんな風に諦めるのは早計です!英語はカタコト、スキルはホドホド。そんな筆者が実際にアメリカでハイキング・キャンプ旅をしてきて見えてきた実態を、全4回でご紹介します。


記事中撮影:筆者

ハイカー憧れの地 ジョン・ミューア・トレイルへ!

キャンプ旅入門 今回の舞台であるジョン・ミューア・トレイルにどうして興味を持ったのか? 僕にとって大抵の場合がそうであるように、この時のきっかけも1冊の本でした。

「ジョン・ミューア・トレイルを行く(平凡社)」

加藤則芳さんによる340kmバックパッキングの行程をまとめた1冊で、おそらく当時(2008年)では唯一の日本語で書かれたジョン・ミューア・トレイルについての本でした。

ページを繰るごとに、感性豊かな文章と、見たこともないような美しい風景写真が現れるのです。元々旅と登山が趣味だった僕に「いつかここに行ってみたい!」と思わせるには、それだけで十分でした。
キャンプ旅入門 ジョン・ミューア・トレイルとは、カリフォルニアを南北に貫くロングトレイルで、北はヨセミテバレーから、南はマウントホイットニーまで全行程340㎞。トレイルの名前は、自然保護の父と呼ばれるナチュラリスト、ジョン・ミューアにちなんだもので、その風景の美しさから、アメリカだけでなく世界中からハイカーたちが訪れる地です。

キャンプ旅入門 しかし、全行程を一気に歩ききるとなると、約20日間。一般的な日本人であれば人生を一旦お休みしないとちょっと無理……。

「キャンプをしながら誰も居ない荒野を歩く」。

そんな憧れを抱き続けたまま、いまひとつ思い切りがつかず、ブスブスと燻る日々を過ごしていました。その熾火が本格的に燃え上がりだしたのは、2013年のこと。ある方法を見つけたのがきっかけでした。その方法とは「セクションハイク」と呼ばれるもの。

細かく刻めば夢じゃない!セクションハイクが丁度良い

キャンプ旅入門 ジョン・ミューア・トレイルをはじめとする様々なロングトレイルを踏破する方法としては、2つあります。全行程を一気に歩ききる「スルーハイク」(※途中で食料などの補給はします)と呼ばれるものと、もうひとつ「セクションハイク」というもの。

その名の通り、全行程をセクションに分けて歩く方法です。例えば「今年は1週間かけて○○〜○○まで」という具合に、自分の休暇期間や力量などに合わせて、細かく区切って歩きます。

これだったら、日本から行くとしても、例えば1週間から10日間の休みを取れれば十分に事足ります。もちろんスルーハイクに比べれば背負う重量も減るし、難易度もだいぶ下がるので、僕のような未熟なハイカーにもうってつけ。

これだ! と思って色々と調べていくと、なかなか良いルートを発見しました。
キャンプ旅入門 そのルートとは、ヨセミテバレーの北、トゥオルミメドウズという所を出発して、レッズメドウという場所まで行くというもの。距離にして約40マイル(64km)。上の写真の地図でいうと3〜5のセクションです。これなら、ゆっくり歩いても3泊4日で踏破することができます。

しかも道中は巨木の森、花崗岩だらけの峠、美しい川、湖、氷河が作り上げた広大なカールなど変化に富んでいて、かつて歩いた人によれば「ジョン・ミューア・トレイルの魅力を凝縮したようなエリア」とのこと。
キャンプ旅入門 トゥオルミメドウズのトレイルヘッド(登山口)まではレンタカーで行き、そこから歩き出して、レッズメドウへ。そこからはシャトルバスでマンモスレイクというスキーリゾートまで降りて、バスでトゥオルミメドウズまで戻ってくる。そんなプランです。

歩きで4日。その前後の準備や移動時間を考慮して、9月の初旬になんとか10日間の休みを確保。あとは行くだけ!? と鼻息を荒くしたのは良いものの、実現までにはもう1ステップ必要だったのです。

それは、日本では聞いたこともない、「パーミット(許可証)の取得」というもの。

パーミットってナニ!?取得は意外と簡単です

キャンプ旅入門 「ウィルダネス・パーミット」。日本ではまったく聞いたことがない言葉。

これはトレイル上でキャンプしながら歩く人(バックカントリーでキャンプをする人)の人数を制限することで、自然を保護しようという制度。アメリカのバックカントリーをオーバーナイトで歩きたい場合は、ほとんどのエリアで必携です。もちろん僕が歩こうとしているジョン・ミューア・トレイルも例外ではありません。

「でも、いったいどうやって取ればいいの?」、英語のサイトを睨み付けながら、その読解に勤しみます。

結果、「事前の予約」と「前日に直接窓口で申請する方法」の二種類があることが判明。直接窓口枠は全体の40パーセントほど確保してあるそうなので、英語が堪能な人であれば早朝から並べばかなりの確率で取得できそうですが、いかんせん僕の英語は単語連ねる系の出川イングリッシュレベル。

ここは事前に予約しておくほうが現地でのやりとりがスムーズになるはず……!


やってみると以外に簡単。僕が歩いたヨセミテエリアの場合は、国立公園のWEBサイトからダウンロードできるフォームに、希望日、入るトレイルヘッド、出るトレイルヘッド、その日ごとのキャンプ地候補エリア(ヨセミテの場合は最初のキャンプ地のみ)などを書き込むだけ(※当時はその用紙をファックスで送信しましたが、今ではかなりのエリアがオンライン上で申請が完結できるようになっています)。

予約に必要なお金はたったの5ドル。ただし人気エリアのハイシーズンは、あっという間に予約が埋まってしまったりするので早めの申請がおすすめです。

後日、パーミットとの引換証が送られてくるので、それを現地のビジターセンターやレンジャーステーションなどに提出します。
キャンプ旅入門キャンプ旅入門 実際にレンジャーステーションに到着してみると、持ち物やキャンプ地選定方法(湖畔や川岸から60m以上離れた場所)、焚き火の可否(標高で可否が決まるが、別にキャンプファイヤー・パーミットが必要な場合も)などの説明があり、書類にサインすれば完了。これにて晴れてパーミット取得となります。

このパーミットは、トレイルを歩いている時は常に携帯しておく必要あり。ただの紙切れなので、マップケースに入れるなど濡れない&すぐ取り出せるようにしておくのがベターです。
キャンプ旅入門 次回のギア紹介のところで詳しく解説しますが、クマが多いこのエリアでは、ベアキャニスターというモノが必携装備。要するにクマに食べ物を荒らされないための保護ケースなのですが、これは必ず持って行かなければいけません。焚き火に関しては、近年頻発している山火事の影響もあって、現在ではかなり厳しくなっている状況です。

実は行ってみるまではかなりドキドキだったのですが、片言英語でも問題なし。予想以上に簡単だ、というのが実際のところ。英語のスキルよりも、上手に休暇をとるスキルを磨くほうが先決かもしれません(笑)。

キャンプ旅入門 ここまでくればこっちのもの。あとは、生活用具すべてを詰め込んだバックパックを背負って、荒野に向かって歩き出すだけです。

#01 パーミット編はここまで。次回は装備編になります。お楽しみに!

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櫻井 卓

雑誌畑のライター。30過ぎから旅に目覚め、ヨセミテなど、アメリカの様々な国立公園を巡る。ロードトリップとハイキングやキャンプを組み合わせるのが好みのスタイル。体力は人並み、英語は人並み以下。人並み以上なのは仕事を休むスキルだけ。Instagram:@sxuxb.sakurai

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