今回アイテムを紹介してくれる、カメラマンの大星直輝さん
自転車やキャンプなどのアウトドア媒体から、企業や医療など幅広いジャンルでカメラマンとして活動している大星さんがキャンプにハマったのは、高校生の頃。貯めたバイト代ではじめてテントを買い、それがきっかけで30年以上にわたってキャンプを楽しんでいるそう。
僕のキャンプスタイルは、ソロかデュオキャンプです。幕営は年間で20泊くらいなので少ない方かもしれませんが、ほかにもロードバイクやトレッキングも好きなので、幅広くアウトドアを楽しんでいます。
公私ともにキャンプに親しみ、知識も豊富な大星さん。キャンプ道具を買うときに重要視しているのは、“頑丈で長く使える”もの。
新しいモデルもチェックしますが、必要な道具はひと通り持っているので、今は吟味して購入してます。ウルトラライト系も好きですが、どちらかというと頑丈で長く使えるもの、使っていくうちに味が出る道具が好みです。
そんな玄人キャンパーの大星さんがいま愛用しているアイテムとは?
①機能性×美術的美しさのある《焚き火台》
ファイヤーボックス「Gen2」
年々進化を遂げているキャンプ道具のひとつ、焚き火台。大星さんは5年前からファイヤーボックスの「Gen2」を愛用中。
初代モデルが欲しくてしばらくウェブサイトをチェックしていたんですが、ちょうどアメリカのクラウドファンディングで現行のGEN2が発表になったので、そのタイミングで購入を決めました。
ワンアクションで組み立てられる設営のシンプルさ、頑丈さ、それにサイドから薪を入れられるところもいい。
本体のプレートには穴や切り込みがたくさんありますが、じつはこれただのデザインじゃあないんです……! 付属のスティックやオプションパーツを組み合わせることで、ゴトクの高さを変えられたり、専用のオーブンや、固形燃料、アルコールバーナーが乗せられたりと、幅広い使い方ができるギミックになっています。
とにかくデザインと機能が一体化されていて、工芸品のような美しさを感じています。
A5サイズほどの大きさで、収納時の厚みはたった約1cm。薄型でミニマムな仕様ですが、丈夫なステンレスを使用しているため炭火もOK。そう簡単には歪みません。機能性と美術的な美しさを融合させたハイスペックな焚き火台です。
ファイヤーボックス Gen2
②アロマで防虫する《ランプオイル》
ムラエ「レインボーオイル防虫ハーブ」
灯りをともしてからのキャンプって、昼間とは違った雰囲気があって素敵な時間ですよね。でも、夜のキャンプの悩みといえば、灯りを目がけて突進してくる虫たちの存在。その悩みに一役買ってくれるのがムラエの防虫オイルです。
僕はオイルランプを使っているのですが、いろいろな種類のオイルを比較しているときに防虫効果に惹かれて購入しました。ムラエに変えてからはほとんど虫が寄り付かなくなりましたね。
ただサイト全般はカバーできないので、虫よけスプレーと併用しています。独特のハーブの香りがあるので、アロマを焚いたようなリラックス効果も得られます。
オイルには虫よけ作用が期待できるユーカリとミントの成分を配合。また、精製された純度の高いオイルを使用しているため、ススが出ず、オイル臭も軽減。さらに燃焼後にも不純物は一切発生しないので、カラダに優しいところも嬉しいポイント。
これまで色々なオイルを試してきたけれど、ムラエに出会ってからはこれが一番。3年前からランプに使うオイルをすべてムラエに統一したので、虫がいない冬でも使っています。
ムラエ レインボーオイル防虫ハーブ
③イタリア生まれの無骨な《ストレージボックス》
ファミ「スチールボックス40.5L」、「スチールボックス ホール27L」
ボックス自体にそれなりの重さがあるので、最初は自宅でキャンプ道具を収納しておくためのストッカーとして購入。でも頑丈だし、無骨な見た目も好みなので、そのままキャンプへ持ち出すようになりました。
持ち上げるとハンドルがロックされるため、重たいものを入れても運びやすいように設計されているんです。
ファミは70年以上にわたりスチールコンテナの開発・製造を行うイタリア生まれの老舗ブランド。なかでもこのスチールボックスは、1929年の創業以来変わることなく愛され続けているモデルです。
天板を載せると簡易テーブルにもなるので、サイドテーブルとして使うこともあります。僕のファミはまだまだ綺麗だけれど、これからもっと使い込んで味を出したいですね。時間をかけて育てていく楽しみがあります!
大星さんは通常のボックスタイプ(40.5L)と、全面にパンチング加工を施した軽量タイプ(27L)を愛用。スタッキングしたときの安定感が抜群なので、クルマへの積み込みもラクラク、ガタガタ道でも崩れることがないので安心です。
④3.8Lの大型&機能派《ジャグ》
イエティ「ランブラー1ガロンジャグ」
イエティといえば、ハードな環境にも耐えうる頑丈なクーラーボックスが有名ですが、マグやタンブラーといったドリンクウェアも充実。大星さんはグアムのショップで見つけたというステンレスジャグをキャンプには欠かさず持参するそう。
保冷性能の高さはもちろんですが、1ガロン(約3.8L)入る大容量にも惹かれました。口が大きいので、大きな氷も入れられて、洗浄もしやすい。飲み水はもちろん、氷だけ入れてアイスボックスにすることもあります。
キャンプ場に向かう道中で氷を買うことってありますよね? でもクーラーボックスに入れておくと、キャンプ中は何かとクーラーボックスの開け閉めが多いので、気付いたら氷が溶けはじめてる……なんてことも多々あると思いますが、そんなときにも大活躍してくれます。
そしてこのジャグには、“ある場所”に使い手のことを考えた便利なギミックが。
フタの上部にマグネットが付いていて、キャップがピタッと貼りつくようになってるんです。このおかげでキャップを落としたり、失くしたりする心配がなくなりました。
使い勝手のよさに加えて、シンプルなルックスもお気に入り、と大星さん。とにかく大容量なので、大人数のキャンプでも重宝すること間違いナシ。3.8Lは大きすぎるな~という方は、約1.9Lの半分サイズもあります。真空断熱構造なので、温かいドリンクもOKです!
イエティ ランブラー1ガロンジャグ
⑤10年愛用している《ポット》
月兎印「ホーロースリムポット」
家でもキャンプでも美味しいコーヒーを飲みたくて購入したというホーロー製のポットは、大星さんが10年使い続けている愛着のあるアイテム。
コーヒー専門店で実物を見て購入しました。クラシックなデザインと、お湯を細く注げるところが気に入っています。
底に向かって広がるぽってりとしたシルエットに、注ぎ口の滑らかな曲線美。月兎印のホーロー製品は東京の老舗ホーローメーカー「野田琺瑯」の職人によって、ひとつひとつ手作業で作られています。
家ではやかんでお湯を沸かしてこのポットに移してから注いでいますが、キャンプでは荷物を減らすためポットで直接沸かしています。直火で使えて、金属臭がない点も◎です。
ただでさえ外で飲むコーヒーって特別感があるものですが、熟練された職人によって丁寧に作られたポットで淹れる一杯は、このうえない贅沢! 至極のひとときですよね。
さりげなくあしらわれたトレードマークの月とうさぎも、これまた素敵。ベーシックカラーながら、どこか存在感を放つポットです。
月兎印 ホーロースリムポット
センスがキラリ。どれも「秀逸!」と言いたくなる
今回紹介した5つの愛用品からも見て取れるように、大星さんは“頑丈で長く使える”、“経年変化を楽しめる”この2つを意識しながら道具を吟味しているだけあって、どれも機能・デザインともに「秀逸!」と言いたくなるモノばかり。目利きはもちろん、道具の統一感も参考にしたい……!