スノーピークが、小型の焚き火台をついに発売!
スノーピークが小型の焚き火台を手がけたということで、大いに注目されている「焚火台SR」 。
スノーピークを……いや日本を代表するモデルである「焚火台」シリーズとは、だいぶ構造が違うようです。それではさっそく、実物を見ていきましょう!
「焚火台SR」の現物を確認
トート型のおしゃれな収納バッグが付属し、収納サイズは455×265mm、厚さ60mm。
びっくりするほどの小ささではありませんが、薄くてコンパクト。すっきりとした収納サイズに反して、重さは4.3kgとなかなかの重量級でした。
構成されるパーツは、左からベースプレート、本体、脚パーツ×2。組立方法や脚パーツの向きなどを説明書でしっかり確認し組み立てへ。
さっそく組み立ててみた
組み立ては、寝かせた状態の本体のフレームに、脚パーツの溝を引っ掛けます。接続した状態で本体を起こし、立ち上げ。この状態だと安定しないため、ベースプレートを嵌め込み完成です。
いたって簡単……とは言いがたく、初見で説明書を見ずに完璧に組み立てるのは難しいと思います。「こんな感じだろう」と驕ることなく、正しい手順を学習して臨む必要がありました。
ちなみに本体は、薪が乗る側を上にして持ち上げると自動で立体的な形状になる構造。かといって手を離して地面に置いても、自動で元に戻ることはありません。
意思を持って閉じようとしない限り立体状態が維持されるので、灰を捨てる際に助かる仕組みです。
ソロでもしっかり焚き火を楽しめるサイズ感
展開サイズは、幅480×奥行265×高さ385mm。50cmに迫る長辺ということで、ソロで使うなら焚き火台 としては大柄な部類です。
頑丈で変形しづらい火床
説明書で「本体」と呼ばれている火床は、スノーピークらしく見るからに頑丈そうです。火床に2本のスリットが入っています。公式サイトによるとこのスリットは「形状変形防止」「通気の目的」とのこと。
焚き火台の火床は例外なく熱で歪みますが、それを軽減しつつ、歪みによる全体への影響を抑える効果があるのでしょう。
厚みのあるステンレス素材採用
裏から見るとブランドロゴが。本体はすべてステンレス素材。厚みは公表されていませんが、実測してみたところ既存の焚火台シリーズと同様の1.5mmでした。
このしっかりとした厚みが重量にも影響しているのですが、耐久性に期待できるスペックです。
少々の揺れにもビクともしない!ガッチリ組み上がってガタつきなし
ベースプレートがあることで火床の固定も見事なもので、脚パーツの上部を持ち揺らしたところでちっともガタつきません。たった4つのパーツを組み合わせたとは思えない剛性の高さで、非常に頼もしく感じられました。
耐荷重は公表されていませんが、火床の面積に載せられる程度の薪なら問題なさそうです。
ゴトクを用意すれば、煮炊きも余裕
脚パーツの上部は、ゴトク を橋渡しにすることもできそうですね! ゴトクは付属しないので、焚き火調理をしたい場合は別途用意する必要があります。スノーピークの既存品「焼アミステンレスハーフ Pro.」「グリルプレートハーフ 深型」 がジャストフィットするとのこと。さっそく前者を乗せてみましょう。
スノーピーク 焼アミステンレスハーフ Pro.
スノーピーク グリルプレート ハーフ 深型
手前にも奥にも、そして左右にもズレない安心のゴトクに。さすがはスノーピーク同士の組み合わせです。アミの上で調理をしながら、横から薪を追加できる十分な空間も確保されている配慮は流石ですね。
この他、別ブランドのものであれば、DODの「秘密のグリルさん用ゴトク」 、Bush craft inc.の「たき火ゴトク S」 「たき火ゴトク Pro」 あたりがサイズ的にはフィットしますよ。
実際にキャンプで使って焚き火してみた
さてここからは、実際にキャンプ場での使用風景です。薪はキャンプ場で購入しました。薪の長さは40cmで、これは一般的にキャンプ場で売られているサイズです。
市販の薪をカットせずに使えるので、焚き火初心者でも扱いやすいのではないでしょうか。
安定感があって薪を組みやすい
40cmの薪は火床にすっぽりとは収まらないのですが、火床の側面を利用して角度をつけることで、薪を組みやすい印象です。
ただ脚パーツが火床より上に突き出ているので、それが邪魔に感じる人はいるかもしれません。
燃焼効率は上々です。火床に入れられたスリットのおかげもありますが、それよりも火床を構成するプレート同士の隙間が効いているように思いました。
あと上から見て円形や正方形の焚き火台ではないので、炎が自分と対面している感覚があり、ソロの情緒を盛り上げてくれます。
焚き火調理のしやすさは?
「焼アミステンレスハーフ Pro.」 を使って、何か焚き火調理をしてみましょう。まず感じたことは、アミを乗せた後でも薪の追加がしやすいこと。横からトング を差し込み、薪を動かすこともできました。
アミの位置が高いので、熾火や炭火で焼くべき食材は向きません。(筆者は写真の食材を置いたことを後悔しました。)
熾火や炭火を利用したい場合は、「焼アミステンレスハーフ Pro.」を火床に直接乗せた方がいいですね。
ただしアミの安定感は極上で、申し分ありません。クッカー で煮炊きしながら、同時にソロ鉄板を安心して使うこともできました。
繰り返しますがアミの位置が高いので、ガーッと加熱したいときは大きな炎が必要となります。
この高さには賛否ありそうですが、勢いのある炎をビジュアル的に楽しみつつ、それでも強火になりすぎないメリットともとれます。また保温レベルの弱火にするのは、かなり容易でした。
火床の構造により、片付けも簡単
火床は脚パーツから取り外して、そのまま地面に置いても立体的な形状を維持します。そのため分解ときに灰がぶちまけられるようなことはなく、ストレス知らずで片付けることができました。
このときは火床の角から灰を捨てましたが、サイドの三角プレートを内側に持ち上げて、底の頂点から流し込んでもスマートですね。
焚火台SRのココがすごい!
圧倒的な安定感
ぜんぜんガタつかない堅牢性と4.3kgの重量により、すばらしい安定感を持った焚き火台です。薪の重さでグラつくことが全然ありませんでした。
そんな安定感は、調理時の安心感にもつながります。どの方向にもズレない「焼アミステンレスハーフ Pro.」のおかげもあり、奮発した肉が地面に落ちるような惨事はまず考えられません。
ベースプレートは、地面への影響にも配慮
ベースプレートは灰を受け止める役割もありますが、実際に焚き火をしても灰はそんなに落ちませんでした。それよりも遮熱板としての意味が大きいと思いました。
灰と熱、両面において地面への影響が考慮されています。このあたりはさすが国産アウトドアブランドの代表格ですね。
長く愛用できそう
熱の影響を受ける火床は、分厚いステンレスで頑丈です。「焚火台」シリーズの実績から、耐久性の高さは折り紙付きでしょう。熱による歪みや変色も味わいになるし、長らく愛用できる焚き火台です。
スノーピーク 焚火台SR
スノーピーク 焼アミステンレスハーフ Pro.
気になった点は……?
組み立てに慣れと愛情が必要
組み立ては簡単ではありません。といっても、説明書を見ながらでも苦労するほどではないので、慣れてしまえば問題ないレベル。
ただどんなに組み立てに慣れても、手間は手間として残るんですよね。そこは製品に対する愛情でカバーしたいところです。
重量は気にしない心意気で!
重さは4.3kgと、ソロ向けとして考えるとかなりの重量級です。ちなみにスノーピークの「焚火台 M」 は2~3人用とされていながら、重量は3.5kg。荷物を軽くしたいソロキャンパーには、おすすめしかねるのが正直なところです。
▼参考までにスノーピークの「焚火台」シリーズとのスペック比較はこちら
製品名 | 焚火台SR | 焚火台S | 焚き火M | 焚火台L | 焚火台LL |
サイズ(mm) | W480×D265×H385 | W285×D285×H205 | W350×D350×H248 | W455×D455×H315 | W633×D633×H440 |
重量(kg) | 4.3 | 1.8 | 3.5 | 5.5 | 11 |
収納サイズ(mm) | W455×D265×H60 | W350×D410×H25 | W450×D515×H32 | W560×D640×H32 | W810×D882×H41 |
セット内容 | 本体、脚パーツ、ベースプレート、収納ケース | 本体、収納ケース | 本体、収納ケース | 本体、収納ケース | 本体のみ |
材質 | 本体、脚パーツ、ベースプレート/ステンレス、収納ケース/ポリエステル | 本体/ステンレス、ケース/ナイロン | 本体/ステンレス、ケース/ナイロン | 本体/ステンレス、ケース/ナイロン | 本体/ステンレス |
価格(税込) | ¥15,400 | ¥9,460 | ¥13,860 | ¥17,160 | ¥32,780 |
しかしこの重さが安定感を生んでいることは事実であり、きっと耐久性にも貢献しているので、弱点と言い切ることはできません。
リッチで高質なソロキャンプにおすすめ!
「焚火台SR」は、その収納サイズと重量から、クルマで移動するソロキャンパーに適した焚き火台です。これまで主にファミリーキャンプをやってきたけれど、ソロもやってみたい……そんな余裕ある大人キャンパー向けだと言えるでしょう。
小型ながら安定感には、スノーピーク らしい高質さを感じます。ソロキャンプを始めたいスノーピークファンは、ぜひ現物をチェックしてみてください。
スノーピーク「焚火台SR」詳細はこちら
スノーピーク「焼アミステンレスハーフ Pro.」詳細はこちら